5/6雑記 ~ヤなことそっとミュート puddle tour@梅田クラブクアトロ~
ヤなことそっとミュートのライブに行ってきた。
一応念のために触れておくと、ヤなことそっとミュートとはアイドルグループ名である。
お前どんだけクアトロ行くねん、という感じになってしまったがそれは仕方がない。
公演が同じ場所で昼夜どちらもある、という珍しいパターンだったのだけれど、「出会いは多い方が良い」精神で昼公演にした。昼公演には対バン(と言うのかどうか)として、校庭カメラガールドライとフィロソフィーのダンスの出演が決まっていて、そのどちらもまったくの初見だった。
いやまぁ、そもそも、ヤナミュー(そう略す)もアルバムを聴いていただけで、ライブ自体は初めてだった。
・校庭カメラガールドライ
ガールズラップユニット、とされる3人組。
少し調べたところ、相当に複雑な来歴があるようだ。
派手な照明の明滅、明滅、明滅で視力を失いながら、畳みかけられるビートでお腹を殴り続けられるステージだった。
客側を「フロア」と呼ぶならまさしくそうで、振り返ってみるに、もっとも自由に観客が躍り散らかしていたように見えた。
MCや、自己紹介等を形式的に挟むことなく、曲がシームレスに繋がれながら、言葉が紡がれていた。
曲のサビにあたる部分で歌い上げる際の、拳を上げざるを得ないエモさがたまらなかった。
・フィロソフィーのダンス
登場時のフリのキメから、「ああ、これはアイドルだな」と思った。
ジャジーでファンキーなリズムに、時に昔の歌謡曲のようなテイストが混じって、先ほどのコウテカ3(そう略す、らしい)とはまた異なる方向で踊れる曲が放たれる。
死ぬほどぶったまげた点が2つ。
日向ハルさんの歌声が、誰もが一聴して分かるレベルで空間をぶち抜いていた。「ソウルフル」という言葉がよく似合う。他のメンバーも確実に高い歌唱力を持っているはずなのに、どう聴いてみても圧倒的だった。
そして、十束おとはさんのアイドル力(何それ)。最初に触れたフリに「乙女的な」ニュアンスをこれでもかと詰め込み、その中でコロコロと変わる表情の見せ方が上手過ぎる。よく言う「ライブ中に目が合った」がそこかしこで頻発しそうな危険性があった。
・ヤなことそっとミュート
あの独特な衣装が目の前でひらめき、照明の中に浮かび上がる。
音楽的にはたぶん私よりもずっとクリティカルに刺さる人がいるはずで、おおよそこんなに可愛らしい声が載る未来が想像できてなかったであろう、オルタナティブな曲たちが繰り出される。
「ヤなことだらけの日常をそっとミュートしても何も解決しないんだけど、とりあえずロックサウンドに切ないメロディーを乗せて歌ってみる事にする」って、何そのコンセプト。そりゃ、聴くでしょ。
「orange」や「カナデルハ」がやはり起爆剤になっていて、そこは大いに納得したところなのだけれど、ついでに「Lily」をぶち込んでくれたら申し分なかった。
後、ステージに近いところに居たせいかは分からないけれど、おそらく音響周りがバグり続けていて耳が死んだ。
これを思うと、夜公演のバンドセットが見れないのが相当悔やまれる。
ともかく、テンションが上がった勢いで先行発売していた2ndアルバム『MIRRORS』を購入し、得点券をひとしきり眺めた後、その場を後にした。(だって、どうしろって言うのさ)