GORE-TEXジャケットを「シームテープ貼り替え」で修復してみた
2018年の“買ってよかったもの記事”で、ノースフェイスの「ガジェットフーディーハンガー」という名作GORE-TEXジャケットを紹介した。
ハリのある生地の良いゴワゴワ感。“Gadget Hangar=ガジェット格納庫”という名前のとおり、大小さまざまな大量のポケット。そして手首にそっとあつらえてある黒 on 黒の同色ロゴ。
かれこれ5年ほど着ているが、これは他には変えられない魅力がある。
薄手で軽量、頑丈なスリーレイヤーGORE-TEXなので真夏以外なら余裕で使えるので登場機会も多い。
春から初夏にかけてはレインウェアとして活躍するし、秋から初冬はもっとも得意な季節。真冬のいまだって下にインナーダウンを重ねてフル稼働している。なんならスキー・スノボのときも着ていた。
となると、仕方がないことだが、多少の“ガタ”は出てくる。
GORE-TEXの生地自体はタフで問題ないが、弱いのは防水を施すシームテープの貼り付け部分。ここが加水分解を起こし、剥がれてきてしまうのだ。
そこに雨が侵入したり、汗が滲んだりすると、一気にウェアが傷んでしまう。
昨年、THE NORTH FACEの店舗に修理を依頼しようと持ち込んだが、さすがにここまでボロいと公式での修理は受け付けられないという。
ところどころ貼ってある西武百貨店のシールは、THE NORTH FACE(西武百貨店に入っている)のスタッフが傷んだ箇所の目印のために付けたものだろう。なんか気に入っていてそのままにしてある。
さあ寿命か。どうしようか。新しいものを買うか。
だが、アウトドアブランドのウェアを、防水テープが剥がれたくらいで買い替えるのはなんだかアウトドア精神に反する。自分で直すことにしよう。そういう工作はけっこう好きなのだ。
シームテープを購入し、切って貼る
スリーレイヤーのGORE-TEXに適合したシームテープはAmazonなどでかんたんに手に入る。値段も1000円ちょっと。素人が修理に挑戦してみるにはちょうどいい。
手順はシンプルだ。
びろんびろんに剥がれかけたシームテープをウェアから取り除く
軽く拭いたりして掃除する
新しいシームテープを適度な長さに切る
アイロンで圧着する
というわけで、まずは余計なものを取り除こう。
剥がれかけたシームテープを切って、取ってしまう。
そして何もなくなったこの部分に…
新しいシームテープを貼り付けるのだ(カットするときに角を丸くしておくと剥がれにくい)。
ちなみに愛用しているアイロンは無印良品の大昔の折りたたみスチームアイロン。若い頃はこれでよくシャツにアイロンをかけていた。絶対もう売ってないと思う。
あて布はキッチンペーパーでいいらしい。中温でぎゅーっと押さえつける。
意外とたのしい。少し太いので不格好ではあるが、かんたんにできる。
襟周りは直線的なので7〜8cmずつ切って、貼ってを繰り返すだけ。そんなにむずかしくはない。
おおー。できてきた。
ちょっと大変なのはフードの部分。弧を描いたラインなのでシームテープを短めに切って、曲線に沿って貼っていく。
アイロンの熱が伝わりすぎると首まわりのドローコードを溶かしかねない。先端の細い部分をつかって小刻みに圧着していく。
………
……………
そんなこんなで、
慎重にやりつつ、
ひとまず修理完了!
このラインの部分がシームテープを貼り替えた部分。元からあったものに比べて太めのテープなのでやや目立つが、まあ内側なのでいいだろう。
ビフォア・アフターを比べてみると、少なくとも剥がれたテープがぴろぴろしているよりはマシな状態だ。
ここまでやって、だいたい2時間くらい。もっと早く修理すればよかったなと、ちょっと後悔している。
シームテープが剥がれたGORE-TEXジャケットを気合で着ている方、寿命だろうから買い換えようかと思っている方、メルカリで中古のGORE-TEXを手に入れた方へ。
この修理、けっこうかんたんにできるのでおすすめです。
シームテープはまだまだ余ってるし、僕はこれであと4〜5年は着られそうです。
目指せ10年モノ。
2023年の買ってよかったもの記事はこちらです