二日酔いになったら、富士そばの肉骨茶そばを食べよう
毎回ぶっ飛んだ新メニューを出してくる富士そばが、「肉骨茶そば」というやばいメニューを出したことをご存知でしょうか。
あの肉骨茶を…まじか…。チェーン店で出していいものなのか…。期待とともに、不安がよぎりました。
だって肉骨茶(バクテー)ってご存知ですか?
この不吉な見た目の食べ物です。
マレーシアとかシンガポールとかあっちのほうの郷土料理で、にんにくと胡椒が効いた乳白色のスープに、巨大スペアリブがごろごろと入って、そこに細い麺や米をトッピングで入れたりして食べるアジア最強レベルのファストフード。
上記の写真は赤坂にある「新加坡肉骨茶」というお店の肉骨茶。前にぐるなび「みんなのごはん」に詳しく書いたのでよかったら読んでみてください。
で、この肉骨茶、特にスープににんにくと黒胡椒がこれでもかと入っており、辛さはないけど本当の意味でスパイシー。体の芯からポカポカしてきて、汗がじんわり。なので二日酔いにもむっちゃ効く。飲んだ次の日には必ずこれを食べる人もいるんじゃないでしょうか(おれだ)。
アジア料理、スパイシー、にんにく、胡椒…。この時点で人を選ぶわけだけど、そんなやばいスープを富士そばが新作に起用したのがすごい。
当然、「どうせ日本向けにマイルドになってるんだろー」って思いがちですが、富士そばはそんな我々の予想をきっちりと打ち消してきました。
同社のプレスリリースにはこう記載されています。
にんにくとコショウは日本の方には強すぎるくらいですがローカルテイストの再現の為に大胆な味付けにしました。
大胆な味付けにしました。
私達(富士そば海外班)はシンガポールで二日酔いになってしまった朝はローカルフードコートまで足を運び、二日酔い解消の為にシンガポール式肉骨茶を食べていました。
赤道直下の暑い国でにんにくとコショウが効いた熱々の肉骨茶を食すと、大量の汗と一緒に二日酔いが吹き飛んでしまうんです!
自ずと、私達のルーティーンフードになり、私達に馴染みの食べ物になりました。個人差はあると思いますが「この感覚を日本にお届けしたい」と思っております。
「この感覚を日本にお届けしたい」と思っております。
というわけで、これは期待しないわけにはいかない。
さっそく富士そば(小滝橋店)に行ってきました。
大きなポスターが掲示してある。やはり酒好きの客が多いのか、二日酔いに効くことをアピールしています。さすが富士そば。
券売機でも二日酔いへの効能をアピール。「吹っ飛ぶ!?」と一応クエスチョンマークをつけているところが良心的。実際、効くと思う。そしてなにげに590円って安い。
もう期待感がすごい。食券を、肉骨茶の食券を手にして、富士そばに座っているんです。こんな状況いままでは考えられなかった。
テーブルにもPOPが置いてあります。
そこには期待を煽る言葉が並ぶ。
「遠慮なく、思い切った味付けをしました」「ご注意してお召し上がりください」
きました。これが富士そばの「肉骨茶そば」です。
豚肉はスペアリブではなく、薄切りタイプを使用。これは食べやすさを優先するために専門店でもよくあること。全然ありです。肉富士などに入っているいつもの豚バラを使っているのでしょうか。
この肉骨茶そばを目の前にしてまず感じるのが、強烈な香り。しょうが、胡椒のツンとする香りがただよってきます。普通の日本そばではありえない刺激臭です。
正体はこのスープ。口に含む前からこの肉骨茶が本格的な肉骨茶であることを予感させる。乳白色に濁ったこの色合いはシンガポールの肉骨茶そのもの。
ああ…。完璧だ。これは、まさに肉骨茶だ。
飲んだ瞬間、ピリピリっとするけど、後味はすっきり。でも段々と体がポカポカと温まってくる感覚。今日は幸いにも二日酔いじゃないけど、何も食べられない二日酔い状態でもこれだけはすーっと入ってくる、あの肉骨茶だ。すばらしいな。
一方でにんにくはチップを使っており、そこまで匂いは強くない。そこは富士そばメインユーザーの仕事中のビジネスマンにも嬉しいところ。
豚肉は薄切りタイプでよかったと思う。スペアリブを入れるとそばが食べづらくなるし、箸でも持ちづらい。富士そばで提供するならこれがぴったり。
そばは安定のいつものそばだ。だけど、次に注文するときは「そば抜き」でいってみたい。肉骨茶はあくまでもスープ料理。そばはトッピングなのである。麺を少しずつ入れて食べたり、あるいはご飯を入れたりもするのだ。
そば抜きの肉骨茶に、カウンターで売ってるおにぎりを入れながら食べるのも絶対に美味しいだろうと思う。
頼んでみた。これがそば抜き。
まじで本格派の美味しい肉骨茶がどこにでもあるチェーン店のそば屋で590円で食べられるなんて、こんなチャンスはそうそうないので1回は行ってみてほしい。
開始当初は限られた店舗のみの提供だったが、12月は全店舗に拡大したらしい。忘年会シーズンに、富士そばの肉骨茶にかける思いが伝わってくる。