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災害と里山と絵本
カバー写真は筑後川。2017年に朝倉市(平榎など)周辺を襲った豪雨(災害)をきっかけに、山村、里山などの地域が抱えている問題が表出した。しかし朝倉市だけでなく、社会全体として今日起きている高齢化、少子化、暮らし、自然循環、環境、コミュニティおよび地域のあり方・関係性が問われてきていると感じている。
現地へ
地域の団体さんとのご縁で呼んでもらい、住民の皆さんや子どもたちと関わらせてもらった。
現地は、その土地を初見でみた僕としては、災害の爪痕は見えづらくなっていたが、まだ重機があったり、整地がされていない場所が多々あった。
復旧計画も時間がかかり、どんどん高齢化が進んでいる。現地の農家や住民はネガティブな要素を受け入れつつも、その大きな流れには抗えないように感じる。ただ、地域団体をはじめ、今できることを模索しながら「復興や、再生というスケールではなく、看取る。また戻って来れるよう何か種になるようなものを作りたい」という切なる願いに僕は力になりたいと感じた。
故郷
現地で暮らしていないにも関わらず、僕の心は何に触れたのだろうか。おそらく、僕の家の近くにも雑木林や里山がある。夏の田園風景が夕方になるとオレンジ色の夕陽を写して僕たちの心を洗ってくれたんだろう。
母との会話、匂い、色、虫の音、さまざまな思い出が想起されるのである。
永遠ではないけれど、永遠のような。
それは僕のつくる安心の一部だと思う。
僕はそういう景色や気配の中でいろんなものを溶かして育った。
災害でそれがいつかそれはなくなってしまうのだろうか。
残したいと思う人、思いがあればきっと残ると信じている。
災害を経て
僕は災害をきっかけにご縁をいただいた。
もし子どもたち、そして離れた人たちがまた帰ってこられるように。
誰かが帰ってこれるように、灯す行為として言葉と絵を使って僕は絵本を手掛けたいと思っている。
子どもたちに僕は何を残せるのか。
偉そうなことはいえないけれど、
どんなことがあっても、どんな目にあっても、
「冒険しよう。」
遠く深く、好きなところへどこまでも。
胸を張って「いってらっしゃい」と言える大人に
僕はなりたいと思っているし、
そうやって勇気づけられる絵本ができればと
思っている。
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