長生きはしたくない
私は長生きはしたくない。そう思う理由は幾つかある。
理由の一つは、「生きている」ということ自体が私にとって楽しいことでも嬉しいことでも無くて、どちらかというと苦しいことの割合が大きいので、その「生きている」という状態が長く続いて欲しくないからだ。
私が鬱だからこう考えているというわけではない。最近診断したわけではないが、多分今の私は鬱ではない。
日々、楽しいことや学びになることはある。身体を動かすのは気持ちがいいし、話が通じる人との会話はとても心地よい。日々気づきがあって楽しい。
でも、そうはいってもやはりそれらは「長生きしたい!」と思うほどの理由にはならない。
生きているとお腹が空くし、夏は暑いし冬は寒い。わずかなことで心は動揺するし、動揺する心に振り回されて疲れる。人づきあいは相変わらず苦手で悩むことも多い。
将来のことを考えたら、今はまだ身体が動くから肉体仕事をできているけど、もっと歳をとって身体が動かなくなれば働けなくなるから、収入を得る手段をどうしようかとか不安になる。
わずかな差ではあるが、私にとっては「楽しい」より「苦しい」の総量の方が多い。でもわずかでも多いので、「生きる」ということを長く続けなくて良いかなと思う。
もう一つの理由は、辛い世の中のことをあまり長く見たくないからだ。
私にとって世の中はどんどん悪くなっているように見える。
私が一番感じるのは環境問題だ。日本に限っても自然環境はどんどん悪くなっている(この「悪くなる」は人間目線、人間が住みづらくなる、という視点においてです)。土砂災害が頻発しているのは、私は天災ではなく人災だと思っている。人が自然に対して行っている行為の結果として豪雨災害が起こっている。これは抽象的な話では無くて、道路やソーラーパネル建設といった具体的な人間の行為についての話だ。
その状況を何とかしようと環境改善活動に加わっているが、正直焼け石に水だという自覚はある。100の環境改「悪」活動としての経済活動がある中で、私たちがやっているのは1の環境改善活動だろう。この活動を続けることで本当に環境改善が達成できるとは思っていない。
その他でも、日々ニュースで流れる社会問題や政治の話を見るにつけ、悪人はますますのさばり、人々はどんどん愚かになっている(愚かになっている人々に私も含まれる)ように見える。子どもや社会的弱者はどんどん虐げられ、力を持つ者はますます強権を振るう。金の亡者が人の生き死にで商売する。
そうして日々悪くなっていく世の中を見るのは辛い。長生きするとその世の中の悪化をずっと見続けなくてはならないので、それは御免こうむりたいという思いもある。
私が今生きようとしている理由の大きなところに両親がいる。私は親より早く死ぬことほどの不孝はないと思っているので、親よりは長生きしないといけないと思っている。前時代的かもしれないが、本気でそう思っている。
私は親に何の恩も返せておらず、今も不安定な仕事なので心配ばかりさせているが、それでも先に死ぬよりはマシだろう、と思って生きている。
例えば私が結婚して子どもがいて、守るべき家族がいれば気持ちは違うのかもしれない。子どもが成人するまで死ぬわけにはいかない、くらい強い気持ちも出るのかもしれない。
しかし実際にはそういう存在は私にはいないので、長生きしようとする動機にはならない。
暗い雰囲気の文章だが、繰り返すが私は今、鬱ではない。多少気持ちは沈んでいる気がするが、普通の気分である。
そもそも私にとって人生というのは、砂漠にリンゴの木を植えようとする行為の連続だと思っている。絶対に芽の出ない行いだが、次代により良い世界を渡すため、必要なことをし続ける行為、という意味合いだ。そこには次代のために働こうとする責任感と実らない行為に対する徒労感も含まれている。
ただ、結局は私が今まで歩んできた人生の中で積んだ経験や現在の私の状況によって条件づけられ、「長生きしたくない」という気持ちが生じているだけだという自覚もある。だから、今の私の気持ちを条件づけている要素の幾つかが変われば、この「長生きしたくない」という気持ちも変わるかもしれない。変わらないかもしれない。
その思いが変わった方が良いのか、変わらなくて良いのか分からないが、人は死ぬまで生きないといけないので、今日も私は砂漠にリンゴの木を植えようと思う。
最近は楽しいことが続いていて、「長生きしたくない」という気持ちがあまり浮上していませんでした。この記事を書く時にふと、久しぶりに少し暗い気分になって「長生きしたくない」という気持ちが浮かんできたので、この機会にこの気持ちを言語化してみようと思って記事にしてみました。なかなかネガティブな文章になったので、私としては気に入っています笑
本日は以上です。スキやコメントいただけると嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!