おしゃれな紙袋は欲しくなる – 効果的なブランディング戦略
昨年のツーリズムEXPO2023in大阪で、私は「北海道」のブースに大きなインスピレーションを受けました。北海道のブースは、装飾の美しさだけでなく、来場者を楽しませる手法が非常に洗練されており、その中心にあったのが、おしゃれな白い紙袋でした。会場の至るところでその紙袋を持ち歩く人々を目にし、まるで歩く広告のように機能していると感じました。私は「次回はこのアイデアを取り入れよう」と決心しました。
おしゃれな紙袋は欲しくなる
「欲しくなる紙袋」がもたらすブランド効果
紙袋はただのアイテムではなく、ブースやブランドの一貫したメッセージを伝えるためのツールです。そのデザインが目を引くものであれば、来場者は自然と持ち歩きたくなり、それが結果としてブースの認知度を高める効果を生みます。実際、昨年の私たちの紙袋はあまり目立たず、ブースのプロモーション効果も限定的でした。しかし、今年はデザインを大幅に工夫し、「おしゃれで持ちたくなる」というコンセプトを強く意識しました。
紙袋のデザインコンセプト
具体的には、次のようなポイントを取り入れました:
スタイリッシュで、誰もが持ちたくなるデザイン
会場内で使いやすいA4サイズ
大量のチラシを簡単に収納できる実用性
「ちんすこう掴み取りイベント」で獲得したちんすこうを持ち帰るための袋として活用
写真にあるように、来場者は紙袋を持ち歩きながら会場を回り、他の人々の目に触れやすい位置にロゴが配置されています。まさに「移動広告」として機能し、来場者自身がブースの宣伝を担ってくれることになりました。
紙袋が生む感動と繰り返しの接点
「あの紙袋はどうしたらもらえるの?」とブースを訪れる方が!!!
海外の出展者さんからは「あなたたちのマーケティングは完璧だ」という称賛の声もいただき、非常に感動しました。こうしたフィードバックは、視覚的なアイテムが与える影響の大きさを再認識させてくれました。ブランディングにおいては、繰り返しの接点が重要です。来場者が何度も紙袋を目にすることで、ブランドに対する興味と関心が自然に高まるのです。
コンセプトロゴに込めた想い
ツーリズムEXPOでの嘉手納町ブースにおいて、最も力を入れたのがコンセプトロゴです。ブース全体のテーマは「歴史と文化の交差点 嘉手納町」。このロゴは単なるデザインにとどまらず、嘉手納町の魅力や歴史を象徴する存在として、来場者に強く印象を残すことを目指しました。
ロゴデザインの要素
嘉手納町の歴史とアメリカンテイストの融合
嘉手納町には米軍基地があり、町全体にはアメリカンな雰囲気が漂っています。同時に、沖縄の歴史や文化も色濃く残る町です。この二つの要素をロゴに取り入れることで、嘉手納町の独特な魅力を表現しました。ロゴにはアメリカンカリグラフィーのスタイルを採用し、嘉手納町内にかつて存在したが、現在は使われていない地名も織り交ぜています。これにより、町の歴史的背景が表現され、来場者に「もっと知りたい」と感じさせるデザインになっています。
たとえば、ロゴに記載された地名の中には、嘉手納町の「今はほとんど使われていない地名」も含まれています。これらの地名は、現在米軍基地の敷地内に取り込まれた場所に由来しています。ロゴを見ることで、来場者は過去の嘉手納町と現在の嘉手納町に興味を抱き、その歴史に対して関心を持つきっかけとなります。さらに、ロゴに含まれる「Timeless Memories」といったフレーズは、町の独自の文化や風景を反映しており、訪れる人々に親しみやすさや郷愁を感じさせます。
ブランドデザインを引き受けてくださった studio_zube さんには大変お世話になりました。ロゴデザイン以外にも嘉手納クロニクルステッカーのデザインもお願いいたしました。それについてもまた書いていこうと思っています。https://www.instagram.com/studio_zube/
スタッフTシャツに込めたブランドアイデンティティ
ブランドロゴはスタッフTシャツにも使用され、統一感のあるデザインによって、ブース全体のプロフェッショナルな印象が強化されました。Tシャツを着用したスタッフは、ロゴの持つブランドアイデンティティを体現し、来場者が声をかけやすい雰囲気を作り出しました。
さらに、Tシャツ自体が「歩く広告」となり、イベント全体で嘉手納町ブースの存在を自然に広める役割を果たしました。ロゴとTシャツの連携により、町の魅力とスタッフのホスピタリティが一体化し、訪れた人々に「温かさ」や「親近感」を感じさせることができました。
タレントの木村祐一さんがなんと嘉手納Tシャツを購入してくださいました!うれしい!
なんと、「道の駅かでな」にかなりの頻度でお越しいただいております。そしてむちやくちゃ宣伝してくださっております。ありがたいです!
エンタメ要素とブースの戦略
ブースの中心となったのが、来場者が楽しみながら体験できる「ちんすこう掴み取り」です。このエンタメ要素は、業界日であっても多くの関心を集め、多くの来場者がブースを訪れてくれました。4日間で合計3万個のちんすこうを配布し、アンケート形式で参加者に嘉手納町の知識を得てもらう仕組みを取り入れました。こうした体験型のイベントは、来場者との直接的な接点を作り、嘉手納町の認知度を高める大きな役割を果たしました。
「ちんすこうの掴み取り」については後に触れていこうと思います。
ブランディングにおける感情的つながり
ブランディングにおいては、視覚的な要素だけでなく、参加者の体験や感情の動きが重要です。今回のイベントでは、ロゴや紙袋、スタッフTシャツが、来場者との感情的なつながりを生み出す手段として機能しました。結果として、嘉手納町の魅力を効果的に伝えることができました。特に、ロゴや紙袋といったビジュアルアイテムは、来場者が「持ち帰りたくなる」要素となり、イベント終了後もその影響を与え続けました。
紙袋を持って歩く体験は、単なる広告以上の価値を持ちます。それは、来場者にとって嘉手納町との小さなつながりの象徴であり、そこから興味と関心が広がり、さらなる理解を促すきっかけとなります。実際、海外の出展者からも「あなたたちのマーケティングは完璧だ」という評価をいただき、大きな成功につながりました。
視覚的接点の効果
今回のブランディング戦略では、視覚的な統一感と繰り返しの接点が大きな効果をもたらしました。ロゴ、紙袋、Tシャツなどのビジュアルアイテムを巧みに組み合わせ、ブース全体に一貫したテーマを持たせることで、来場者が自然と何度も目にする状況を作り出しました。これにより、来場者の記憶に残り、ブランドの認知度が高まっただけでなく、心に残る存在として成長しました。
>>つづく↓
https://note.com/narujp/n/nd9a9e220d0bd
おきなわlikes共同売店にて嘉手納町クロニクルステッカーやTシャツを販売しています。よかったら覗いてみてください。
https://okinawalikes-shop.okinawatraveler.net/