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結局のところハロウィンってなに?

暦を知る①

10月も終わりが近づいてきました。
旧暦では二十四節気「霜降(そうこう)」、七十二候 末候「蟄虫咸俯(ちっちゅう ことごとく ふす)」となります。
「霜降」は、字の如くまだらに降りた霜のこと。
「蟄虫咸俯」とは、巣篭もりに虫がみな穴に入る時期という気候の変化を知らせたものになります。

とはいえ、中国からきた暦ですから、この時期に日本で霜が降るのは北国か標高が高いエリアぐらいでしょうか。

暦について、少しずつ学んだことと調べたことを織り交ぜながら書いていこうと思います。では。


1日の始まりはいつか?

と聞かれたら、大半の人は「午前0時」と言うでしょう。
では、時間というものが無かった時代では、何を基準に1日を始まりとしていたと思いますか?

それでも、大半の人は「日の出」と答えるのではないでしょうか。

私たちは生まれた時から時間も日付も太陽暦のもとで生活していますから、太陽を基準にして考えてしまいます。

しかし、遡れば日本は太陰太陽暦を使用していましたから、生活の基準は月の満ち欠けです。なので、1日の始まりは「日没」であったと言われています。
その名残に、大晦日の晩のことを「年越」と呼んでいます。

とし‐こし【年越】
〘 名詞 〙旧年を越して新年を迎えること。また、そのかわりめの夜。

精選版 日本国語大辞典

今と違って時計はありませんからね。
夜は0時ではなくて、日没です。

太陰太陽暦は日本だけではありません。「旧約聖書」の創世記には天地創造の各日にこのように書かれています。
"And there was evening, and there was morning"(夕となり、また朝となった)

ユダヤ教を信仰する民族も太陰太陽暦が基準ですので、1日の始まりが日没からであることも不思議ではありません。

Samhain(サウィン)

さて、本題のハロウィンについて。
ケルト人の収穫祭であるサウィン祭がハロウィンの元と言われています。

ケルト人は、太陰月60ヶ月+閏月2ヶ月の5年周期で計算するケルト暦(太陰太陽暦)を使用しています。

そして季節は大きく夏(光)と冬(闇)という二つのみで考えられており、この季節の変わりめである11月1日を新年として迎えます。

夏:5月〜10月
冬:11月〜4月 ※5年の間に2回閏月が入る

この新年に催されるサウィン祭は、闇の半年間を乗り越えられるように祈り、供物を捧げる重要なお祭りでした。

日没を1日の始まりとすれば、前述で書いた通り前日の夜(=太陽暦でいう10月31日の夜)から11月1日の始まりです。

また、この日は「死者の魂が現世に帰ってくる」「異界と通じる」日であり、儀式のかがり火が伝統的に祝祭の一環として焚かれます。

ケルト人といえばドルイド教ですが、
ドルイド教といえば有名なのは「ウィッカーマン」。

ウィッカーマンは、人型に作った檻のことで、この中に家畜や人間を閉じ込めて燃やしてしまう儀式を行なっていました。

ウィッカーマン

この儀式ですが、日本でいうところの「丑の刻参り」と同じ、類感魔術というやつ。

類感魔術とは、文化人類学者のジェームス・フレイザーが定義した人類学における魔術の性質の一つで、類似したものや模倣したもの同士は互いに影響し合う魔術のことです。旧石器時代のシャーマンが描いた洞窟壁画も同様の魔術とされ、人間の右脳の部分、無意識の部分に作用します。

この情動的な象徴が人間に与える影響については、霜月やよいさんの記事をご覧ください。

知らず知らずに左脳ではなく右脳で従ってしまいますから、儀式と呼ばれるもののパワーは計り知れません。

サウィンからハロウィン

現在のハロウィンを調べると、キリスト教の「万聖節(All Saints' Day)」という言葉が出てきます。

これはカトリック教会の祝日で、殉教者や布教に献身した聖者たちを偲ぶ日とされています。

11月1日が「万聖節」
11月2日が「万霊節」※死者の日

万聖節の前夜が「諸聖人の祝日の前夜(All Hallow's Even)」であり、短縮してHalloweenと呼ばれるようになりました。

ただカトリック教会には前夜祭なるものは無く、ハロウィンを肯定しておりません(かといって否定もしていない)。

ハロウィンは、アメリカに移住した人たちが持ち込んできたもので、太陽暦に合うように前夜祭として催したんでしょうね。

ところで「万聖節」に話を戻しますが、元は5月13日に行われていました。

11月1日になった経緯は諸説ありますが、有力なのは、8世紀ごろ教皇グレゴリウス3世が、サン・ピエトロ大聖堂の中に使徒と全ての聖人・殉教者のための小聖堂を作り、11月1日を祝別の日としたことで、この日が全ての聖人を偲ぶ日となったという説です。

trick or treat

サウィン祭
収穫、死者の帰る日、異界との往来

カトリック教会
諸聖人を偲ぶ日、翌日の死者の日

この二つの類似が宗教感を曖昧にしていて、抵抗なく世界中でお祭りされているようです。

まぁ上手いこと取り込みましたね。という個人的な感想です。

踊る阿呆に見る阿呆

アメリカ人がハロウィンで盛り上がり始めてからは、製菓会社などの企業やメディアがうまいこと商売にしていきました。

日本では1970年にキディランドがハロウィンを取り扱ったのが始まりとか。その後にディズニーランドで開かれた仮装イベントで一気に認知度が上がったそうです。

キディランドを代表するキャラクターといえば、ハローキティですね。

本名:キティ ホワイト
生年月日:1974年11月1日
出身地:ロンドン郊外
性別:女の子
身長:りんご5個分
体重:りんご3個分

wikiより

それを知って楽しむのも、横目で見るのもあなた次第。

私はカボチャは飾るより食べる方が好き。
では、また。

数と象徴は別腹(追記)

あら、もう少し召し上がりたい方がいるようなので、11月1日の3つの「1」のお話はいかがでしょうか。

111

フリーメイソンのシンボルには、ロッジを支える「叡智」「剛毅」「美」の3本の柱があります。
セフィロトには、「峻厳」「慈悲」を表す2本と真ん中の1本があります。

「最も古き者」と「似て非なる対」の三位一体であり、
「似て非なる対」と「その両者の子」の三位一体でもあります。

この世は2つでは形を成しません。必ず3つ目の力が必要です。
だから3は特別な数。

三位一体の「3」が中心にくる特別な数列
111×111=12321

この世の理は3つで1つ

ごちそうさまでした。

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