わたしの経験した医療移行と移行期問題
こんばんは、naruです。
はじめましての方に向けて自己紹介をします。「心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖」「部分肺静脈還流異常」という生まれつきの心臓病(先天性心疾患 以下CHD)をもつ19歳です。どのような疾患なのかは''about me''で詳しく書いています。
今日は「わたしの経験した医療移行と移行期問題」という題でお話しようと思います。
わたしは18歳のとき、もうすこしきちんと言えば19歳になる年にこども病院から大学病院に移行しました。わたしは結構あちこちの病院にかかった経験があり、文字だけの説明ではどうしてもわかりづらいと思い、下に簡単ですが図を書きました。
補足。
私立医大では0歳から15歳、一般的な小児科の年齢いっぱい通っていました。こども病院にもかかっていたのですが、物心着くまでの記憶がないので、私立医大の小児科を卒業しても、かかる病院がひとつ減っただけという認識しかありません。15年お世話になっていながら冷たいと思われるかもしれませんが。
図の順番とは違いますが、18歳の時に急に専門病院とあるのは、わたしは高校から親元を離れて生活していて、家と学校が離れているので、学校で何かあったときのためのかかりつけを作るために行きました。が、2年前に数度行ったきりなのでいつか行かなきゃとは思っています。最後に行ったのは2020年1月なのでそろそろ行きたい…
移行期。わたしの場合
こども病院には1歳から18歳まで、約17年お世話になりました。わたしが本格的に「移行」という言葉と「移行期問題」を知り、それを実感したのはこの少し後だったと記憶しています。
わたしの通っていたこども病院は、大学病院の循環器と提携していて、こども病院で18歳になった子どもたちはそこに移行する、というケースがかなり多かったようです。
わたしもその大学病院に移行することが決まりました。
こども病院よりも国立大学病院のほうが家からの距離は少し近くなったようです。(それでも1時間はかかります。)
こども病院から移行して私が感じたギャップ一覧
・建物と駐車場がでかすぎる!→ただでさえ体力ないのでかなり大変
・検査するだけなのにめちゃめちゃ移動しなきゃだしいつ来ても人多いし時間かかる!!→場所わかんなくていつも迷ってる!こないだまじで迷ってその辺にいたDr.に聞いちゃったよ!(教えてくれた)(優しい)
・心電図が吸盤じゃなくてテープタイプになってて(時と場合によるらしい)剝がすの地味に痛い!笑→こればっかはしょうがない!笑 本音を言えば吸盤に変えてほしい…
・こども病院の方針と違う!→これは先生と病院が違うからしょうがない!振り回されてる感はあるけども。手術する時期がずれた…(ちょっとおこ)(こども病院卒業するとき手術しよう!ってなったのに大学病院いったらまだ待つ方針になった)
・採血の後、毎回刺したあとが1日痛くなる!(わたしだけですかね⁉)→こども病院のときはそんなことなかったのにー!わたしの血管が細いからなのか針の問題なのか看護師さんの問題なのかわからないけど毎回丸1日痛くなるようになった…最初、神経触ったのかと思ってほんとに焦ってたけど毎回なっちゃうからそういうもんだと思うようにする…
・一気に全部の検査をしてくれない!→これは通院回数のこともあると思います。こども病院は年1だったので一回で全部の検査をやらないといけないのに対して、大学病院は年4だから一気にやる必要がないからかな?
「移行期問題」って?
さて移行期問題についてお話ししようと思います。私がざっくり説明しようとするのなら、「CHDの患者が大人になったらどこの病院に行くか問題」ですが、詳しく、きちんとした説明は説明できなかったので引用しました。
「近年の小児期医療の発展の恩恵を受け、多くの命が救われてきました。その結果、がんや心疾患・神経の病気などの慢性疾患を抱えながらも思春期・成人期を迎えられる患者さんが増えてきています。しかしながら、小児と成人では直面する問題が異なるため、提供される医療も患者さんの年齢とともに小児期から成人期へと移行する必要があります。つまり、生涯にわたる観察と管理・治療が必要となります。」
https://medicalnote.jp/contents/151214-000032-KWIRNL (2021/7/30閲覧 移行期医療とはから引用)
しかしながら、移行期医療は専門性が求められるため、一般の病院で受け入れることができないケースもあります。その場合、小児期を診ていた小児科医は、成人となったその患者さんをどの病院に紹介するべきか、小児の病院に通わせ続けるべきなのかなど、移行期医療の診療体制が構築されていないため起こってしまう課題があります。移行期医療は、日本小児科学会や日本医学会総会でも取り上げられ、早期に解決すべき課題といえます。
わたしはこども病院と提携している大学病院への移行でしたが、中には大学病院の小児科に通っていて大人になったら循環器に行く場合や、大人になっても小児科でフォローしていく場合もあります。(実際私の知り合いにも成人で小児科にかかっている方もいらっしゃいます。)
引用にも書いてありますが、移行期医療は専門性が求められるために、成人したら病院はどこに行くことになるのだろう…?と思われると思います。
病院にもよりますが、だいたい決まってると思いますので、ぜひ一度主治医に聞いてみてください。
成人先天性心疾患学会リンク
参考になるかはわかりませんが日本成人先天性心疾患学会のホームページから、修練施設と暫定専門医のリストのリンクを貼ります
↓成人先天性心疾患学会認定修練施設(2021.4.1更新)↓
↓成人先天性心疾患暫定専門医 173名 2019.4.1認定 小児科90名、循環器内科47名、外科36名 ↓
http://jsachd.org/specialist/doc/ACHDlist-2019.pdf
移行期を経験している中で思うこと
私立大学病院を卒業したときはこども病院という通いなれた病院が残っており、特に不安はありませんでした。
一方で、こども病院を卒業して国立大学病院に移行したときは、全く知らないところに通うということで漠然とした不安がありました。
今までと全く違う環境に行くというということはだれしも不安が付きまとうと思います。その病院や科によっての雰囲気の違い、方針の違い、検査などの勝手の違いなどに毎回驚いています。わたし自身、移行してからもうすぐ一年が経ちますがいまだに慣れません。
わたしの主治医はACHD暫定専門医なので、当たり前ですがほかのACHDの方もたくさん見ていらっしゃいます。その経験から今までの方針と違うことになったり、先生の経験からのお話は「なるほどな」と思わされることもあります。
わたしの理想に近い願いとしては、場所はずっとこども病院で、大学病院からACHD専門医に出張みたいな形で来ていただいてみていただくっていう笑。できるだけ環境を変えずに通院していきたい、という考え方。(こども病院の純粋培養なので)
ずっとこども病院にいたかったという思いはここ1年ずっとありますが、移行したことによって、ACHD専門の先生に見ていただけるというメリットというか、安心感はできました。どうしても小児科だとCHD含めこどもの体はよくよく見て知っているし専門だけれども(小児科医でACHD暫定専門医でもいらっしゃる先生も)、ACHDはまだ症例がたくさんあるわけではないですし、年を重ねて子供にはない体の変化があると思うので長期的に見ればいいことだと思いました。
長くなってしまいましたがお読みいただきありがとうございました!
naru
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