#94 ソーラン回想録 本祭⑥ブロック(第31回YOSAKOIソーラン祭り)
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それが他人の物であれば
不幸さえ欲しがるのが人間というものだ
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本祭審査編の回想録も第6弾までやってきました!
前回の記事はこちらをご参照下さい。
ソーランも終わって早や1カ月程になりますね。
このブロックに関しては諸事情もあってしっかり見れたので、いつもより文字数多めでお送りしたいと思います(時々こういう事がありますw)
フラットな目で見る訳にはいかなかったD氏予想と共に☆
<審査枠⑥>
北海道文教大学~陽燕~
長崎大学 「突風」
石狩流星海
公立千歳科学技術大学 「光一天」
平岸天神
SA:GA-彩雅-
グラフィックホールディングス presents 倭奏
我流
人数規模的にも「どちらがトップ抜けするか?」の2択の様な予想になっていましたが、終わってみれば1位は平岸天神、2位はグラフィックホールディングス presents 倭奏という結果でした。そして3位には北海道文教大学~陽燕~、4位枠には石狩流星海が入りました。
D氏は順逆のニアピン×2ゲット、Nはストライク&ビンゴを獲得して総合ポイントでD氏に追いついたかな?といった感じ。3位以下は逆に全く読めませんでしたね・・・。
チーム規模・過去実績的に、実質2強の争いだったと言っても過言ではなかったんじゃないでしょうか。
そんな⑥ブロックの1位通過はソーランの大看板とも言えるチーム・平岸天神。他の御三家にも同じことが言えるのですが、このクラスになるとやはり登場しただけで沿道から拍手が起こり「待ってました!」という声が聞こえんばかりの観客の期待が、沿道の空気を変えます。ある意味踊らなくても伝わる気迫とオーラはさすがだな、と。
人数こそ例年より少なめでしたが踊りの基本性能をしっかりと高めている力強さと一体感が合わさった演舞は、常に求められている期待に応えながら超えてきた経験値の積み重ね。予想通り・・・というよりは期待通り、といった感じでしょうか?これに勝つのは容易ではないですね・・・
そして2位に輝いたのはグラフィックホールディングス presents 倭奏。「波濤」というテーマに相応しく、音が、旗が、気合が、まさに波の様に押し寄せてくる圧巻のパレードだったと思います。会場のお客さんも非常に沸いていましたし、踊り子の笑顔も全てが「祭り」だった様に感じました。
個人的にもこれだけ「越えてこい!越えてこい!!」と思いながら見た演舞は過去に無かったですし、実際に期待に応えてくれたと思っています。
ただ結果は、そうは感じなかった方々の方が多かった、という事なんでしょうね。ゴッドイーターはやはり容易ではない、という事でしょうか。
そして読めなかった3位に入ってきたのは北海道文教大学~陽燕~。赤と青の前後リバーシの法被に、学生らしい力強くもテクニカルな踊りに数々の小道具演出と、構成そのものはオーソドックスな学生ソーランですが、その一つ一つのレベルが他の学生チームに比べ少しずつ高く、非常に見ごたえのある作品に仕上がってました。後半の衣装替えによる色味の変化が余り変わらなかったのがちょっともったいなかったかな?といった感じ。
ちなみにこのブロック、1~3位までは踊り子の数と順位が多い順に完全一致してるんですよね(笑)
そして4位枠に選ばれたのは石狩流星会。筆者も久々に生で拝見しましたが2000年代のソーラン好きには堪らない、古き良きYOSAKOIソーランを体現したようなチームですね。浜モノ、というか鮭モノ(笑)という強力な郷土色を武器に、親子三世代で表現する踊りはもはや伝統芸能の様な風味を感じさせますね。北海道のバサラ瑞浪といった感じでしょうか(笑)
中盤に登場するいくらちゃん達がめんこすぎます☆
ここからは上位入賞のチーム以外にもコメントしていきます。
長崎大学 「突風」
遠目に見るフォルムはほぼ縁でしたが(笑)このブロックでは最小人数だったのかな?はるばる長崎からやってきてくれたこの心意気が嬉しいですね☆
意外と女子が多めのチームですが、そんな事はおかまいなしで最初から最後まで気合いのこもった演舞でしたね。小道具や大幕などの派手な演出は一切なし!法被一つと大旗一本、人数の少なさを補って余りある元気と力強さでした!文字通り突風の様な勢いを感じましたね~!
公立千歳科学技術大学 「光一天」
全体的に運動能力が高いチームというか、難しい振付をこなしているなぁという印象。特に最前に出てくる黒法被部隊の踊りにインパクトがあって、そちらばかりについつい目がいってしまいますね。
最後の衣装替えで光一天の名にふさわしい鮮やかな黄色にカラーチェンジしますが、その時間が少し短かったのかな?お客さんも少し乗り切れてなかったのかな~という気がしました。
SA:GA-彩雅-
このブロックで唯一の関東勢。隊列の真ん中辺りに1トップ構成を持ってくることで前方と後方でコントラストがつき、人数が少なくとも奥行きのある見栄えになっています。パレードをステージっぽい見せ方をしているのが印象的でしたね。
作品のテーマというか、物語性を前面に押し出した作品構成で個人的には好みです☆展開を追っている内に1曲見終わっている様な感じ。衣装の彩りも華やかで、楽曲も壮大な雰囲気が出ていて良かったです。
我流
色んな所で好評価が聞こえて来ましたが、やはりインパクトのある全員抜刀。演舞中にこれだけ殺陣を繰り広げるチームは見た事ありません(笑)衣装や小道具の細部のデザインも印象的で、一部ゲームの戦闘BGMを感じさせる様な楽曲など、制作側のこだわりを感じます。
ソーランに限らず、どこの祭りでも似たような作風のチームは数多とあるのですが、さすが我流という名の通りとにかく個性的、他のチームにはない攻めの姿勢が良かったです。この審査ブロックの最後で、オリジナリティNO.1のチームが見れた気がしました!
そんな訳でいつもよりコメント多めな⑥ブロックでした!
参考に動画リンクをあげておきます(大通りパレードに絞って見つかった映像に限定してます※審査ではない動画も含みます)
※リンク違い、削除希望等ありましたらお手数ですがご連絡下さいm(_ _)m
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予想編で「このブロックの結果が今後のソーランのトレンドを占う分水嶺になる」的な事を語っていましたが•••例えば御三家がこれぞソーランという作品を毎年披露しますが、当然この3組でも作風はまるで違う訳で、いわゆる「スタンダードなソーラン」という作品はある様でない様なものなんですよね。長年の積み重ねによって「事実上標準」になったようなもので。
その歴史そのものと新しい風の対決。今回はベテランに軍配が上がったという事ですが、こういう組み合わせがこれからもバチバチに続いていくと思うと、観ている我々もワクワクする機会が多くなりそうですね。楽しみが増える!
したっけ!