【第1弾】農業初心者も簡単!砂栽培完全マニュアル《基礎編》
0⃣ 砂栽培のいろは
~砂栽培の歴史~
1960年…九州大学名誉教授であった福島博士が新しい技術として”砂栽培”と提唱。
1974年…住友電工㈱が砂栽培の機械化を進め、砂栽培灌水システムを開発
1982年…アラブ首長国連邦で砂漠での農業定着を目指し栽培実験・指導を行う。
2008年…大阪府の建設会社㈱茂広組が建築業で培ったノウハウを活かし、高床式砂栽培ベッドの開発に着手。
2010年…㈱茂広組が子会社となる「㈱グリーンファーム」を大阪府四條畷市に設立し高床式砂栽培農業の実証を開始。
~砂栽培とは~
①高床式ベッド構造
60cm(果菜、葉菜、根菜)、120cm(葉菜、根菜)の
2種類がある。砂培地深さは15cm、奥行180cmを1区画(SP)とし、連結させていく。
②砂栽培専用メッシュシート
側面、底面は高い通気性や堅牢性を持ち、余分な水分は底面から排水される構造の砂栽培専用シートです。
③自動潅水装置
側面、底面は高い通気性や堅牢性を持ち、余分な水分は底面から排水される構造の砂栽培専用シートです。
1⃣ 基礎編
~栽培区分~
砂栽培は大きく分類すると養液栽培に位置します。
養液栽培とは、培養液を用いた栽培方法であります。
培養液とは植物の生長に必要な要素を無機イオンの形で植物の生長に必要な量を含んだ液肥であります。
~砂について~
砂とは…単粒構造を形成し、有機物を含まない。
粒度や礫との違いは粒径の大きさであり、粒径の大きさにより水分保持力が決まる。
細かい砂ほど毛細管現象により保水力が高まる(砂栽培では0.4mmほどの粒度がベスト)
~肥料について~
砂栽培肥料…露地栽培の場合はおよそ必要な肥料を栽培前に施用するが、砂栽培の場合は専用肥料(窒素・リン・カリウム)を含んだ液肥を与える。栽培する品目や作物の成長度合いによって必要な濃度を調整する。
砂栽培で必要なのは基本最初の「3要素」のみ
~各要素の働き~
N(窒素)…葉緑素、植物体を形成するために必要な要素。
養分の吸収や同化作用を促進
P(リン)…開花や結実を促進。根、茎、葉の数を増やす。
K(カリウム)…根の発育を促進。植物体内の生理作用を調整。
暑さ、寒さ、病気への抵抗性UP
Ca(カルシウム)…根の正常な発育。細胞間を強固に繋ぐ。
培地の酸性を中和させる。
Mg(マグネシウム)…光合成で炭水化物を合成する葉緑素を生成。
リン酸の吸収や移動を助ける。
~主な砂栽培の肥料~
砂栽培液肥…砂は土とは異なり栄養分を含んでいないため液肥を用いて各野菜に必要な栄養分を加えていく。砂栽培では液肥と水道水を混合して点滴チューブを用いて一定間隔で栄養分を供給することでより正確で良好な土壌を形成しています。
※希釈率を1000倍以下にしてしまうと栽培に多くの障害が出てしまうので
絶対に1000倍以下にはならないように気負付けましょう!
~光合成と環境作り~
植物の成長に欠かせないのは光合成!
光合成するうえで重要となる要素として主に9つがあるよ!
その中でも地上部分に深く関係する要素が「光」「気温」「湿度」「風」「二酸化炭素」の5つ。
砂や根っこに深く関わる要素が「水」「肥料」「温度」「空気」の4つ。
これらが一つでも不足もしくは基準以下だと、植物の成長を大きく阻害してしまうため、常に9つの要素を気にかけながら植物を育てる必要があるよ!
もし植物の状態が悪化している場合は、まずは9つの要素を見直しどれが不足しているか考えてみよう。
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