老大樹
昨年の3月21日に『雨の初花』という記事を書いた。
今年の桜は、一昨日の雨でだいぶ散ったがまだ華やかだ。
家(アパート)の前に神社があり、神社の社務所がこのあたりの3自治会の公民館になっている。
公民館の入り口が我が家の真向かいで、其処に桜の老木が今を盛りと咲き誇っている。
私が此処へ移り住んだのは37年も昔のことだ。
そのころこの桜の木は、丈は伸びていたものの木肌もつややかで、若木の華やかさが残っていた。
何かの時に根元に傷をつけられて、次第にその傷が深くなり、気が付いた時には高いところまで洞になっていた。
電線に触ったり、道にはみ出したりして切られた枝の太いところにまで洞は進んでいる。
それでもなお4月6日現在華やかに咲いている。
一昨年の4月14日のインスタグラムに投稿した写真を見出し映像に掲げた。
一句
「葉桜や洞抱えたる老大樹」
はざくらや うろかかえたる ろうたいじゅ
2022年4月6日
『雨の初花』の一部
昨日まで僅かに咲いた花を写真に撮りたかったのだが、白く曇った空がバックでは白い花が撮れなかった。
今見る花は、僅かに赤みを帯びて、得も言わぬ風情である。
俳句に読んでみた。
薄紅(うすべに)匂う 初花の雨
どうもうまくない。
樹は老いて匂う薄紅 雨の初花 湧
きはおいて におううすべに あめのはつはな
これなら「凡人」か、「才能あり」というわけにはいかないか。
二〇二一年三月二一日
雨の初花|鳴沢 湧|note
上の句5文字が付けられないままになっていましたが、「樹は老いて」にしてみました。
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