田んぼはステージだった
みなみ房総の館山の山のふもとの古民家を借りて、山のおへそを名付け、日々開拓している今日この頃。
この辺の地域は、同じ苗字の家が多いので古くからある家にはそれぞれ屋号がついている。
私達が借りた家には背知原(せちわら)という屋号が付いている。
私達はそこを山のおへそと呼ぶことに決めて
最近では千倉のおへそは、おへそと呼び
山のおへそのことはヤマヘソと呼ぶようになってきた。
そのヤマヘソは家の敷地に入るところで
急な登り坂になる。
そこをぐっと登ると庭と民家と納屋そして
少し新しめの家がある。
その庭先の下には田んぼが広がっていて
春になって水が入り
まるで家の下が水辺になったようで夜は涼しい風が流れる。
田んぼの間に、お隣の奥さんがやられている
畑もある
奥さんは毎日変わらす、その畑で腰を曲げ
はっぱに向かい話しかけている、それは高い声で、楽しそうに作業しているのだ
時々飼い猫のネコたちが足元にやってくると
また猫たちにも高い声で話しかけている
田んぼの水の間に、ただひとつ畑を営む奥さんを眺めていると
なんだかステージにたっている女優さんのやうに見えてくる
光がさして、植物やネコに話しかけている姿がとっても美しくて、私は今目の前に見える景色が贅沢でたまらなくなる。
田舎暮らしは、人がいなくて退屈なんじゃない?って時々聞かれたりするけど、風も太陽も毎日かわるがわる頰をなてにきてくれて
それはにぎやかで幸せな空間なのです。
どんなステージよりも素晴らしい舞台がここにあるなぁと感じる今日この頃です。