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#04 フローに入る

個人と組織の能力を最大化し、物語を共に創る伴走者、ナラティブサポートの上村です。

前回は「働くをワクワクに」という価値観に至った経緯についてお話させていただきましたが、そしてその中で楽しく働けていた経験について、調達部に配属されてからは先輩や同僚にも恵まれたのと、同時にマルチタスクをこなしていく事に対しては楽しさを覚えていたという話をさせていただきました。

今日はこのキーワードから、働くをワクワクにするために「フローに入る」という話をしたいと思います。風呂に入るではないですよ。フロー状態に入るという事です。


フロー状態とは

心理学者であるチクセントミハイ博士が提唱した理論で「目の前の活動に没入し、時間を忘れて熱中している状態のこと」です。よくスポーツ選手が極限の状態で「フロー状態に入った」というような話を聞きますが、仕事の現場でもフロー状態に入った経験、皆さんにもあるのではないでしょうか?

フロー状態の条件

「フロー体験 喜びの現象学」ミハイ・チクセントミハイ著より引用しますと、フロー状態とは以下の5つの条件が満たされた時になります。
1, 仕事の目的:多様な解釈を生む自由度の高い目標
2, 仕事の課題:自分の技術レベルに最適な課題を持つ
3, 自分自身の統制感:完全に統制されている感覚がある
4, 自分へのフィードバック:成果に対する迅速なフィードバックがある
5, 仕事の環境:集中を妨げる環境的外乱が遮断されている

この条件が満たされた時にフロー状態に入ると言われていますが、私が調達部時代にフローに入れた理由を条件ごとに振り返っていきたいと思います。
私の当時の仕事は大きな産業設備をつくるメーカーで働いていました。一度に10個以上のプロジェクトに携わることもり、各プロジェクトとも購買予算、生産工程に対する部品の投入納期、そして製品品質を満たす部品の購入といわゆるQCDを満たす必要があり、中々のマルチタスクな仕事でした。

仕事の目的

多様な解釈を生む自由度の高い目標があったかと言うと、先述のとおりプロジェクトごとに予算や納期が割り当てられており、それに対してどのような方法をして満たしていくかは我々担当者の腕の見せ所でした。つまり結果に対するプロセスについては自由度を与えられており、そういう意味では自由度の高い目標を与えられていたと言えます。

仕事の課題

自分の技術レベルに最適な課題かという視点でいくと、予算は厳しくどうすれば予算達成するかというのは頭を悩ませ関係者と調整や改善をしなければならない事が山積みでした。文系出身なので技術の事も分からない事も多く日々、学ばなければ仕事も回せない状態でしたので、こちらもフローに入るには十分な状態だったと言えます。

自分自身の統制感

良くも悪くもこのようなマルチタスクの担当者が数多くいるので上司が統制範囲の限界を越えていたような組織でした。逆を返せば担当者が自分で判断して動いていかなければならない事も多々ありました。そういう意味では自分で自分の事を統制出来ている感覚はありました。

自分へのフィードバック

担当者に任されていたとは言えども、先輩や上司は相談をすると的確なアドバイスとフィードバックをくれていましたし、定期的なMTGで状況確認もしてくれていました。また面談でも仕事ぶりに評価はしていただいていたので、安心安全に自分の仕事を進めることが出来ていたと思います。

仕事の環境

事務所の環境は雑音や騒音があるような場ではありませんでした。仕事柄、常に電話が鳴り響いている場所ではありましたが仕事をしているという感覚が強化され悪くはありませんでした。仕事自身もそれぞれの担当者が自分の担当を持つのでお互いが変に介入しすぎることなく、ただ休み時間などには情報を共有するなど良好な環境だったかと思います。

このように今思い返してみると、決して悪い環境ではなく気持ちよく仕事が出来ていた時期もあったんだなと思います。それではなぜ仕事を辞めたんだ。という疑問も湧くかと思いますが、それはまたの機会にお伝えします。

皆さんも、自分の職場や支援先の企業様で、今回の5項目のうち、どれが満たされているか?どれが満たされていないか?を把握、分析されて満たされていない部分を改善していって、フロー状態に入って仕事の生産性や創造性をあげていってください。

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