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哲学教室 『ガリバー旅行記』編 [中学生の部] (3月2日)
ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。
https://narranarra-school.myportfolio.com
3月2日(木)に哲学教室(中学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。
◉『ガリバー旅行記』第1部が風刺する内容等
3/2に確認した内容:
・卵の割り方という馬鹿げたことが原因で戦争が始まったという風刺
・理由なく戦争は起きない、戦争を止めさせるには戦争の原因を取り除く必要があることを描いているスウィフトの賢さ
・ガリバーは侵略せず無血の戦争で終わらせた、とてつもない力で和平交渉まで繋げた
・勧善懲悪ではない点が名作の特徴であり、スウィフトの偉大さを表している
・人類は常に政治的腐敗に満ちており、戦争をやめることができないことを示している
語り合った内容、意見等:
・帝国と王国の違い
・リリパットとブレフスキュ、どちらが善でどちらが悪なのか
・ウクライナとロシアの戦争を終わらせるにはどうしたらよいか
次回実施予定日:3月12日(日)
ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。
最初に、帝国と王国の違いの話になりました。
参加者さんの仰るように、王国はおとぎ話の世界のような、帝国の方が強そうな、そんな感じがします。
皇帝の方が王様よりも上で、複数の王国を支配しているのが帝国なんですね。
中村がその点について『ガリバー旅行記』に記載がある旨説明していましたが、すっかり見落としていました。
理由なく戦争は起きない。
盲点でした。
そして原因を取り除かなければ戦争は止められないことまで描写しているスウィフトは、本当に天才ですね。
リリパットとブレフスキュ、どちらが善でどちらが悪なのか。
勧善懲悪にならない点が名作の特徴という中村の説明に、名作が心に響く理由を理解できた気がしました。
ウクライナとロシアの戦争を終わらせる方法についても語り合いました。
「自分が政治家になって革命を起こしてプーチン大統領を失脚させ、ロシアを戦争をしない共和国にする」「自然災害が結局戦争を終わらせる」という参加者さんの意見は、中村が言っていたようにどちらも的を得るものでした。
参加者さんの発言を受けて「リリパッドとブレフスキュのどちらが善でどちらが悪かは分からないし、ガリバーが去った後も両帝国は戦争を繰り返すだろう」と中村が説明していました。
毎回感じていることですが、参加者さんは高い洞察力で世界情勢を的確に理解、分析されているように思います。
そのようなことを感じつつ、大変興味深く拝見いたしました。
次回も、参加者さんや中村と共に色々と考えていきたいです。
皆様、お疲れ様でした。