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哲学教室 [中学生の部] (6月13日実施)

ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。

https://narranarra-school.myportfolio.com/

6月13日(火)に哲学教室(中学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。


◉『ガリバー旅行記』第3部が風刺する内容等
6/13に確認した内容:
・50年前の日本語と今の日本語では若干異なっており、漢字を含め徐々にシンプルになってきている
・外国人には日本語の習得が難しいことから、ひらがな等を廃止して日本語を全てローマ字表記にしようとする運動がかつて日本で起きた
・エスペラント語等、シンプルな世界共通言語を作ろうという動きがあった
・英語は世界で最もシンプルな言語である
・スウィフトの時代の英語は今よりも難しいものであり、実際に当時においても英語を簡略化しようという動きがあった
・プログラミングは世界共通の言語で作られている
・『ガリバー旅行記』が発行された約300年前には脳を切る行為はあり得ないことだったが、現代では脳外科医が存在し脳を切る手術も行われている
・19世紀末、フロイトによって精神分析が創始された
・人類は科学技術とどのように共存していくべきかということが、第3部の大きなテーマである

語り合った内容、意見等:
・第3部に登場する便の研究者の研究内容は荒唐無稽だが、便に色々な要素が含まれているという考え方は正しい
・言葉がなかったらどのように会話するか
・なぜ英語を勉強しなければならないのか、英語は得意か
・言語を変えて自動言語機械を作ろうという動きは、現代のコンピュータの発想のもとである
・Google Bardについて
・対立する政党の指導者の頭部を半分に切って入れ替えることで互いの頭の中を理解できるようになり、政治腐敗や戦争をなくすことが可能になるという政治発案家の研究内容は、一見スウィフトの悪ふざけのようでありながら、あながち間違いでもないようにも感じられるが、どう思うか
・人間を治療するために脳に電気ショック等何かを加えたりメスを入れるという発想は決して荒唐無稽ではなく、ラプータの研究者たちは私たちの現代科学のもとを作っていると考えられるのではないか
・相手の立場を考えられるようにするために脳に手を加えるという発想自体は、『ガリバー旅行記』発行当時も現代も変わらない感覚なのではないか
・ゼレンスキー派とプーチン派、どちらに属していると思うか
・西側メディアとロシアメディアのそれぞれが正当性を主張しているので、両方のメディアのニュースを観ることが大事である
・最近はフェイク動画で人々を騙すことができるが、そういったプロパガンダによる洗脳は脳によって処理された結果である
・政治発案家の研究内容のように実際に脳を割ることはできないが、脳の中において一方の派に属していると思う割合が圧倒的だったものを情報等で半々の割合に近づけていくことは可能かもしれない
・AIが私たちにとって救いのツールとなる可能性もあるが、AIに人間が支配される未来もあるかもしれない
・AIは良いことだと思うか、悪いことだと思うか

次回実施予定日:7月2日(日)




ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。

今回は、ラプータにいる研究者たちの研究内容を中心に取り上げていました。
中村が発言していたように、荒唐無稽で悪ふざけにも見える研究内容ですが、根本的な発想は確かに間違いではないと思いました。
意外な着眼点から新しい可能性が生まれ、結果的に飛躍的な生活向上や技術発展に繋がっているのかもしれません。
生活向上のため研究開発に勤しむという感覚は、今も昔も変わらないのだと思いました。

第3部で語られていた自動言語機械の話から、コンピューターやAIの話になりました。
実際にGoogle Bardを試すことになり、Google Bardに質問してみたい内容について、中村が参加者さんに意見を求めていました。
どの意見も実験として試すうえで適切と感じられる質問内容で、またGoogle Bardの回答も想像以上に建設的で理に適ったものでした。
質問を入力してほんの数秒で答えが返ってくる点が凄いと思いました。
参加者さんの質問に対する回答で示されていた方法について、実際に参加者さんと中村で試していましたが、思いのほか実用可能であることにも驚きました。
若干デリケートな質問については回答を上手に避けるところが妙に人間らしく、少し不思議な気持ちになりました。

AIは良いことだと思うか、それとも悪いことだと思うか、最後に中村が参加者さんに問いかけていました。
「人間は感情が混ざるので、物事を公平に判断したい時や早く合理的に進めるにはAIは良いことかもしれないが、人間がAIに支配されたら終わりな気がする」「偏り過ぎるのは危険なので、適度に接していかないと」等、参加者さんは様々に回答しておられました。
中村が「AIに人間が支配される未来もあるかもしれない」と発言していましたが、AIに使われる側ではなく、あくまでも人間がAIを使う側として上手く立ち回るにはどうしたら良いかについて、私たちは常に考えていかなければならないと感じました。
「人間が文明的な進化をするためには、AIというライバルも必要だ」という参加者さんの発言が、今回特に印象に残りました。

そのようなことを色々と感じながら、興味深く拝見いたしました。
次回の内容も楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。


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