哲学教室 『ガリバー旅行記』編 [小学生の部] (4月2日)
ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。
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4月2日(日)に哲学教室(小学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。
◉『ガリバー旅行記』第2部が風刺する内容等
4/2に確認した内容:
・古代ギリシャの哲学者で万学の祖と言われるアリストテレスは、人間の本性が「知を愛する」ことであると考え、それが哲学の語源となった
・アリストテレスは、世の中の物事が4つの要因(資料因、形相因、作用因、目的因)から成り立つという四原因説を提唱した
・ブロブディングナグ国では、ガリバーの存在は科学で解決できないものとして神秘因、自然の気まぐれと定義付けた
・現代医学の視点では魂は存在せず、心の動きは脳の動きであり心臓ではない
・人間は不思議なものを信じてしまう、人間の心は理論では解決できない
・カタルシス(浄化)とは心が洗われることであり、芸術作品により心を浄化させることができる
・世の中を全て科学的に解明していくニュートンに対し、スウィフトは神秘は存在すると考えており、世の不思議な出来事を科学で解決しないで欲しいという願いが込められている
語り合った内容、意見等:
・お化けを信じるか、見たことがあるか、怖いと思うか
・サンタクロースを見たことがあるか
・お葬式をするのは何故か
・ビッグバンを信じるか
・魂の存在を信じるか
・AI(人工知能)でドラえもんのようなものが作られたらどう感じるか
・aibo等の犬型ロボットを購入する人についてどう思うか、買いたい(飼いたい)と思うか
・スウィフトとニュートン、どちらの方が偉いのか
次回実施予定日:4月16日(日)
ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。
今回はお化けの話から始まりました。
何故怖いのかという中村の問いかけに、参加者さんが「死んだ人の恨みがあるから」「人に取り憑いて不幸なことが起きるから」と回答されていました。
確かにお化けにはそういったイメージがありますよね。
中村が世界のお化けについても紹介していました。
世界中にこれだけお化けの話があるということは、きっと何らかの形では存在しているのではないかと個人的には思ってしまいます。
未知のものだから怖く感じるのであって、お化けも正体を知ってしまえば怖くなくなるのかもしれませんが、でもやっぱり怖いですね。
さらにサンタクロースを取り上げ、プレゼントをくれるサンタクロースの正体を知っていてもクリスマスにお祝いするのは何故か、正体も存在の有無すら分からないけれどお葬式では成仏を願い祈りを捧げるのは何故なのかについて、中村が問いかけていました。
改めて考えてみると不思議ですね。
何となく魂の存在を信じているから、お葬式では魂の安寧を願って祈りを捧げるのだと思いますが、本当に存在するかどうかは分からないのですよね。
そういった目に見えない不思議なものを人々は何故信じるのか。
「人間の心は理論では解決できない」と中村が発言していましたが、確かに考えれば考えるほどまさに不思議です。
中村はロボットについても取り上げていました。
私は街中で時折見かける人間型のロボットが怖くて苦手なのですが、ドラえもんやaiboのような動物型のロボットであれば、親しみを感じてしまうかもしれないと思いました。
同じロボットなのに、何故そう思うのか。
自分でも分からないのですが、これも理論では解明できない感情なのかもしれないですね。
最後に、ニュートンとスウィフトの考え方の違いについて説明していました。
世の中の全てのことが科学的に解明されたら、生活がより便利になり人間も生きやすくなるのでしょうか。
科学の発展による利便性を享受する毎日ですが、科学的に解明されているものとそうではないもの、二つの絶妙なバランスで世の中が上手く成り立っているような気もします。
科学で解明されたものはニュートンやスウィフトの時代よりも格段に増えたと思いますが、もしも現代に二人が蘇ったとしたらどのように感じるのか、ふと考えてしまいました。
今回も大変興味深い内容でした。
次回も楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。