哲学教室 『ガリバー旅行記』編 [小学生の部] (3月5日)
ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。
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3月5日(日)に哲学教室(小学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。
◉『ガリバー旅行記』第1部のまとめ
3/5に確認した内容:
・『ガリバー旅行記』発行当時の社会では男女で教育体制が異なったが、リリパット国では現代同様に男女同じ教育を受けている
・くだらないことが原因でリリパット対ブレフスキュの戦争が起きた
・戦争が始まる時は必ず原因がある(因果性)
・リリパット国はアメリカやイギリスと同じ二大政党制
・ガリバーは1人も殺さずにリリパット対ブレフスキュの戦争を終わらせた
・リリパット国に様々な考えを持つ大臣が存在するところが『ガリバー旅行記』にリアリティがある点
・勧善懲悪にならないこと、真実を伝えることが名作の条件
・哲学者のカントは、永遠平和を実現するためには人間愛や道徳心に頼るしかないと説いた
語り合った内容、意見等:
・第1部の感想
・リリパットとブレフスキュ、ウクライナとロシア、どちらが良い国なのか
・ウクライナとロシアの戦争が起きた原因、終了させる方法
・日本がNATOに加盟していない理由
・何故日本では今日まで平和が続いているのか
・リリパットとブレフスキュの平和は永遠に続くのか
・戦争は何故繰り返されるのか、平和を永遠に守るためにはどうしたらいいか
次回実施予定日:3月12日(日)
ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。
第一部を読んで感じたことを中村が質問していましたが、参加者さんの感想が三者三様で大変興味深かったです。
リリパット国の法律に着目されている点、裏側の世界に入り込んだガリバーという発想力が素晴らしいと感じました。
そしてリリパット国の動物をペットにしてみたいと私も思いました。
中村が挿絵を提示しながら、第1部の内容を振り返っていました。
第1部に込められた風刺を理解したうえで改めて振り返ると、ガリバーの行動やリリパット国の慣習等、本当によく考えられた物語だと思いました。
示唆に富み心に残る名作が持つ面白さや奥深さを『ガリバー旅行記』を通して久々に感じているような気がします。
中盤に東西冷戦とソ連崩壊、NATO、CSTOについて中村が説明していました。
戦争を終了させる方法について今回も色々と語り合いましたが、外交面からのアプローチは平和的で堅実な方法だと思いました。
双方が攻撃停止を厳守してお互い妥協する方向に持っていくやり方も、停戦協定(休戦協定)から終戦に至った歴史的先例から有効な手段に感じました。
プーチン大統領もゼレンスキー大統領も、お互い意地になってしまい後に引けなくなっている。
確かにそう感じますよね。
参加者さんの「(自分も)兄弟喧嘩をするから戦争はなくならないと思う」という真実を捉えた発言も強く心に残りました。
平和を永遠に守るためにはどうしたらよいか。
絶対に戦争をしない人物を代表に選出する、世界を1つの大きな国にして複数人の協議制にする等、参加者さんの意見に成る程と思いました。
世界の全員が一日一回良い行いを他人にするという意見も素敵ですね。
中村が説明していたカントの内容に通じるものがあると思いました。
人類は早急に答えを見つける必要に迫られているのですが、大人の力ではなかなか難しいのかもしれないですね。
今回も非常に奥深い内容でした。
次回も楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。