見出し画像

哲学教室 『ガリバー旅行記』編 [中学生の部] (3月25日)

ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。

https://narranarra-school.myportfolio.com/


3月25日(土)に哲学教室(中学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。


◉『ガリバー旅行記』第2部が風刺する内容等
3/25に確認した内容:
・古代ギリシャのアリストテレスは西洋最大の哲学者の一人であり、現在のほとんどの学問が彼の哲学の範疇に含まれる
・ブロブディングナグ国では、ガリバーの存在を科学で解決できないものとして神秘因、自然の気まぐれと定義付けた
・ノーベル文学賞の日本人受賞者は、大江健三郎が川端康成に次いで2番目
・詩人は幻視者とも言われるが、原民喜も幻を見る人間(幻視者)であり予言のような小説を書いていた
・イギリスの詩人であり画家のウイリアム・ブレイクも幻視者

語り合った内容、意見等:
・現時点における感想
・ウクライナのような状態に陥ったとしたら、生き延びるためにどうすべきか
・今後ますます考える力が求められる、生存する知恵を身に付ける必要がある
・幻を見たことはあるか
・オカルト、神秘体験、宗教、マインドコントロールについて
・人間は神秘的なもの、神や超常現象に何故惹きつけられるのか
・合理主義のみの世の中であるべきか、神秘は存在した方がいいのか

次回実施予定日:4月2日(日)




ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。

現時点での感想について、中村が参加者さんに質問していました。
参加者さんが発言されていたように、第2部ではガリバーの葛藤がかなり見られますよね。
生き延びるためにどんな手段でも使うガリバーの姿が描かれています。
ガリバーが巨人の国で生き延びる手段を模索したように、ウクライナのような状態に陥った際に生き延びるためにどうすべきかという話になりました。
私も戦争の及ばないところへ逃げようとすると思いますが、では直ちに具体的な行動を取れるのかと考えると不安です。
ありがたいことなのですが当たり前のように平和を享受していて、その状態に慣れきってしまっているので、一転して陥る不測の事態に素早く対処できない可能性が高いです。
中村が言っていたように、生存するための知恵、サバイバル能力的なものを日頃から鍛えておく必要性を感じました。
そしてそれは、平和な日常を守り続けるためにも必要なのかもしれないと思いました。

詩人であり画家のウィリアム・ブレイクについて、中村が説明していました。
『無垢の予兆』の冒頭部分を紹介した後、参加者さんがそのフレーズを口ずさんでおられたのが印象に残りました。
妙に頭に残ると言ったらいいのか、不思議な詩ですよね。

幻についての話になりましたが、幻を見たことのある参加者さんが体験談を話してくださいました。
怖い話だと身構えていたのですが、予想外の結末に思わずクスッとしてしまいました。

幻の話から、神秘体験や宗教、マインドコントロールの話になりました。
超高学歴、理系の若者が神秘体験を通してマインドコントロールされた結果、地下鉄サリン事件が発生しました。
そのようなエリートがマインドコントロールされてしまった理由について、中村が参加者さんに質問していました。
様々な回答がありましたが、理系の人々の物事の捉え方や文系との違いに関する考察が非常に鋭く、大変興味深い内容でした。
人間が神秘的なものに惹きつけられる理由についても意見交換を行いました。
確かに合理主義の世界における息抜きでもあり、辛い人生における心の支えでもあり、退屈な日常の中で求めてしまう刺激なのかもしれないと思いました。

そのようなことを色々と考えながら、あっという間に過ぎたひとときでした。
中村が参加者さんに詩の創作をお願いしていましたが、次回の発表が楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。


いいなと思ったら応援しよう!