哲学教室 『ガリバー旅行記』編 [小学生の部] (2月26日)
ナラナラ・スクール事務局の矢口ゆりです。
各教室の様子を個人的な感想と共にお伝えします。
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2月26日(日)に哲学教室(小学生の部)を実施しました。
世界中で読み親しまれている『ガリバー旅行記』(ジョナサン・スウィフト 作、柴田元幸 訳)を読みながら、自由に語り合う教室です。
◉『ガリバー旅行記』第1部第6章が風刺する内容等
2/26に確認した内容:
・窃盗よりも詐欺が重罪、無実の証明ができれば名誉が回復されるリリパット国と日本の法律の相違点
・法治国家とは、法律で治安が守られており国民が平和に暮らしていくことができる国のこと
・目が6つあり隙がないことを表すリリパット国の正義の女神像に、本来そのような姿であるべき裁判官が見た目や噂で判断する正義と逆の女神になっているというスウィフトの風刺が込められている
・素晴らしい法律を持つリリパット国の帝が野望に満ちているという矛盾
・法律では正しいことや理想を掲げているのに偉くなればなるほど逆のことを行なってしまう人間社会の現実、それをリリパット国という小国に凝縮して表現している点が『ガリバー旅行記』が古典の中でも名作中の名作と言われる理由
語り合った内容、意見等:
・統治者が野望を持つことについて
・優れた能力を持つ人物と高い倫理性を持つ人物、リーダーとしてどちらが適しているか
・バイデン大統領やプーチン大統領のイメージについて
・1人も危めることなく和平に繋げたガリバーに代わるものは何か
・戦争を終了させる方法
次回実施予定日:3月5日(日)
ここからは私の個人的な感想をお伝えしますね。
リリパット国の帝の話から、統治者が野望を持つことについて語り合いました。
偉くなればなるほど、支配下に置く人数が増えれば増えるほど、人は野心が強くなるものなのかもしれません。
法律の話に移り、中村がハンムラビ法典について説明していました。
「目には目を、歯には歯を」ですよね。
学校の授業で初めて耳にした時に、なかなか強烈なフレーズだと思ったことを覚えています。
その話の流れから、急に私の名前が出てきて少しびっくりしました。
中村がリリパット国の法律を説明する例え話の中で出てきたのですが、そういった意味では理解しやすかったかもしれません。
『ガリバー旅行記』が古典の中でも名作中の名作と言われる点についても中村が説明していましたが、スウィフトは第1部だけでも実に様々な風刺を盛り込んでいるんですね。
本当に凄いと思いました。
今回もウクライナ侵攻の話題が出ましたが、参加者さんは現状をよく把握されていて毎回頭が下がる思いです。
戦争を終了させる方法についても引き続き様々な意見が出ました。
中村が発言していましたが、確かに西側諸国での報道から私たちの持つプーチン大統領のイメージが成り立っているんですよね。
社会主義や共産主義国から発せられる報道のフィルターがかかるとどうなるのか。
多角的に捉えつつ物事を考えていく必要性も改めて感じました。
控え目な印象だった参加者さんが、今回積極的に発言されている姿を拝見でき嬉しく思いました。
回を重ねるごとに緊張も和らぎリラックスして参加されているような印象があり、そのことが発言の活発化に繋がっているのかもしれないと感じました。
終盤に中村より説明がありましたが、私の体調の件でご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます。
お蔭様で回復してつつがなく過ごしております。
次回の内容も楽しみです。
皆様、お疲れ様でした。