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獣の王子から見た自分はまたたび⁉『妹に婚約者を取られたら、獣な王子に求婚されました』

こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。


今回紹介する作品は、こちら!
「妹に婚約者を取られたら、獣な王子に求婚されました ~またたびとして溺愛されてます~」です。

作品としては、「婚約破棄モノ」に分類されるこの作品。
主人公のコーデリアは凛とした女性で、見ていてとてもスカッとする部分が多いです。

また、その妹であるプリシラも結構なわがまま女子として、とてもよいキャラをしていますよ。

さて、早速ではありますが、まずはこの作品のあらすじを追ってみましょう。

あらすじ

「妹に婚約者を譲ってやれ」
美しい妹と差別されて育った、伯爵令嬢コーデリア。

妹に両親に元婚約者。
全てから裏切られ、恋と結婚を諦めたコーデリアだったが、なぜか第二王子・レオンハルトに気に入られ、溺愛されるようなる。

「コーデリア、君は俺のまたたびなんだ」
「……はい?」

どうやらレオンハルトは、王家の祖である獅子の精霊の血が強く出た先祖返りらしい。

そんな彼はコーデリアを見ると、またたびを前にした猫のように、惹きつけられてたまらないと言う。

「俺のまたたび……いや、妃になってくれ」
「またたび扱いはお断りします」

拒絶するコーデリアだったが、妹がレオンハルトに急接近したせいで、対処せざるを得なくなって……?

主人公の婚約破棄回数は4回目⁉

主人公のコーデリア・グーエンバーグは伯爵家の長女として生まれます。
そして、妹のプリシラが生まれたことで親からの寵愛を受けられずに育った女の子。

代わりにはなりませんが、祖母が親代わりとして面倒を見てくれたことで、不自由なく生活はできていました。

幼いころから祖母に勉強や礼儀作法などを教えられたコーデリアは、幸福を感じていました。
その姿だけでも、とてもいじらしく可愛らしい人だなと感じます。

しかし、祖母が死んだ折に両親から結婚適齢期だからと呼び戻され、婚約者との顔合わせを行うことに。

そして、複数回婚約を行いますがすべて破棄……。
最初は2ヶ月、次は半年、そしてその次は10日。

これはすべて、妹のプリシラに男性側が惚れ込んで婚約破棄を求められています。
この部分だけでも、要注意人物としか見えませんね。

しかも、自分の婚約祝いの会食に姉が出ないことに純粋に不思議がるのを見ると、この無責任さはひどいな。


正直、読んでいてむかっ腹は立ちますね……。
しかし、四回の婚約破棄はなかなか心に来る。

しかも、すべてこちらからではなく相手からの破棄ですから。
その理由がプリシラとなると……。

うーん、婚約破棄を何度も繰り返さざる負えないのは、結構キツい。
しかも、原因はプリシラなのに、コーデリアが男性を誑し込んだ(たらしこんだ)と言われる始末。

婚約破棄モノだとよくある展開ではありますが、やはりご令嬢たちの悪口やいじめは悪質ですな。

私は殿下の「またたび」?

そんなコーデリアに一目ぼれした人が、お相手であるレオンハルト殿下。
彼は、獣人でありライオンの姿へと変わることができる特別な人でした。

その彼が思いを寄せるのは、舞踏会で出会ったコーデリアです。
獣人だからなのか、それとも特別な体質なのか。
本能的に彼はコーデリアの香りに惹かれるのでした。

現代でも、男女の相性が良い場合、良い香りがするという話を聞いたことがあります。

それが、レオンハルトにとってはとても惹きつけられる香りだったのでしょう。

ただ、窮地に陥った時に「君の香りを追ってきた」と言われた際、コーデリアは「自分の体臭がきついのか!?」と不安になっていました。


流石にへこみますよ……。
ましてや貴族の夜会にも出る立場ですから。
自分の香り、気になるものです。

その反応にレオンハルトは即座に弁解。
彼が香りに惹かれるのは、獣人であるからと素直に伝えます。

いわゆる、またたびのようなものだそうで……。
表現として主人公がたとえ話をした際、的を射るものだと感じたレオンハルトは、キメ顔で……

「君は俺のまたたびだ!」と言い始めます。


……なんだろう、すっごい複雑。
それだけ思っているという証拠なのだけれど、言葉のチョイス!


いや、うん……恋人として考えるのなら満点だけど、言葉のチョイスだけが残念。

気遣いができるし相手を大事にしているし、とても素敵な男性なのだけれど……。
完璧な人はいませんし、致し方ないかな?

因果応報とはこのこと

思いを育んでいく2人ですが、周囲からの邪魔が入ります。
もちろん、少女漫画の中でも婚約破棄モノですから、スパイスは必要です。

一番初めの邪魔は妹のプリシラ、そして公爵令嬢のカトリシア。
最後にレオンハルトの兄であるザイード。

この3人が2人の恋路を邪魔しますが、最後に因果応報なのか、罪が待っています。

身分が高いカトリシアとザイードは、それぞれ幽閉されほぼ命が尽きるまで牢屋の中で過ごすことに。

そして、プリシラは自慢だった髪の毛が焼かれたことでショックからの記憶喪失。家族のことは覚えているけれど、何があったのかはすべて忘れています。


……正直な感想を申し上げますと、プリシラに関しては甘かったかもしれないですね。

あれだけコーデリアを困らせたのに、記憶喪失で済ませてしまうのは、少しもどかしいかなと。

まぁ、人を呪わば穴二つとも言いますから、この程度で済ませておく方が良いのかもですね。

おわりに

しかし、ひっそりと最初から出ていたヘイルートという男性キャラ、個人的に好みです。

コーデリアに淡い思いを抱いているというのは、なかなか切なさを感じますね。

しかし、ずっと思いを抱くというのはまた一途でいじらしい。
こういうキャラは、好きだ。ぜひ、どこかで報われてほしい。

今作は全3巻と少し短め。そのため、手に取りやすい作品だと思います。
甘さとシリアスさの塩梅がちょうどよく、楽しく読み終えることができました。

機会があれば、ぜひ手に取ってみてくださいね。


それでは、今回はここまで。
また、次の作品でお会いしましょう。


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