トリップ先の苦労は報われる?『婚約を破棄された悪役令嬢は荒野に生きる。』
こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。
今回紹介する作品は、こちら。
「婚約を破棄された悪役令嬢は荒野に生きる。」です。
作品を3巻まで読んだ状態でのレビューとなります。
悪役令嬢ものであり、婚約破棄からスタートする定番の作品です。
しかし、序盤の主人公の報われなさは、読んでいて少しきつく感じてしまう方もいるかもしれません。
とりあえず、あらすじを見てみましょう。
あらすじ
侯爵令嬢のコンスタンツェ(コニー)は皇太子ウィルヘルムから、婚約破棄を言い渡された。
どうもウィルヘルムに愛する人が出来たらしい。
しかもその相手は最近現れた聖女だという。
二年も実質皇太子妃として勤めてきたのに、あまりに非情な宣告に落ち込むコニー。
だが突然前世の記憶が蘇り、自身がラブロマンス小説の当て馬”悪役令嬢”に転生したことを知る。
「冗談じゃない。浮気する相手(悪役令嬢と改変オプション付き)なんかいらない。私は領主として生きるわ!」
婚約破棄からの地方へ移転する主人公
スタートはテンプレである婚約破棄からとなります。
しかし、いやぁ……実際触れて閨を共にしている描写があるのは、女性向けのなろうコミックではあまりないかもしれませんね。
それに、完全に熱に浮かされている皇太子の様子は、目に余るものがあります。
婚約破棄系の物語では皇太子や婚約者がとても愚かに見えることが多いですが、今回はなぜか心底あきれてしまったといいますか。
まぁ、正直作中に出てくる聖女もチート級の能力を持っているらしいですし。
「魅了スキル」とか持っていてもおかしくはないですよね。
主人公のコニーは凛と書籍にサインをして後宮を出るその背中は、とても好感が持てるものだと思います。
いや、本当に皇太子がアホにしか見えず……しかも、聖女側も嫌な笑顔を浮かべていましたので。
これは、転生者待ったなしな気配がプンプンです。
原作との違いや変化
この作品の舞台は、主人公が読んでいた『救国の聖女』という小説。
そして、作品の中に、悪役令嬢としてコニーは存在しています。
そして、コニーに転生した女性はこの小説を擦り切れるまで読んでいたとか。
その知識を使い、自分がどの立場にいるのか。どう立ち回ればよいのかを考えるきっかけとなります。
実際、自分が物語の中であまり活躍する存在でないのであれば、行動の仕方も変わるでしょう。
私が主人公の立場だったとしても、筋書とは違う決断をしていたでしょうし。死ぬルートだったとしたら、全力で回避に動きますよ。
記憶とは違う方向に物語が進むにつれ、彼女も困惑する場面が増えます。
しかも、目に見えない強制力があり、どうしてもコニーもあらがえない部分が少しづつ現れ始めるんです。
いやぁ……結構なハードルの高さだと思うんですよねぇ。
原作の中では出番がないキャラクターだとしても、転生しているからこそイレギュラーになっているとか。
よくある設定ではありますが、実際に直面すると、キツいところが多いなと感じます。
ここから先、コニーは平穏に過ごせるのでしょうか……心配です。
聖女は転生者?
スタートのころから感じていますが、これって聖女のほうも転生者だったりしません?
自分の役割をしっかりと理解した上で、ぶりっ子ムーブしているように見えるんですよねぇ。
しかも、周りに男を侍らせつつバカンスとは。さすがに頭が痛いですね。
作品を読むだけではわからない苦しさを感じているコニーにも、聖女であるシルヴィアの行動は目に余ります。
転生ものや悪役令嬢ものでの定番として、主人公を同じ転生者や転移者に置き換えることが多く見られます。
その流れを見ても、このシルヴィアの行動や振る舞いは原作を知っている人の動きに見えるのです。
だからこそ、余計に憎々しいムーブが生きるのですが……見ていてコニーが可哀想になってしまうほど。
まぁ、同時にこの先でどのように制裁が待っているのか、スカッとできるのかを考えると我慢はまだできますが……あまり長くはもちませんよ?
おわりに
今回の作品は、定番の悪役令嬢ものであり、転生ものが混ざった作品となります。
正直、主人公が不憫な扱いを受けている部分が少し多く、現在2巻まで読んではいますが報われたと感じる描写がまだないです。
しかし、リアルタイムのシミュレーションよろしく、一歩ずつ前に進んでいくような作品が好きなら全力でおすすめさせてもらいます。
では、今回はここまで。
また次の作品でお会いしましょう。