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定番ネタからラブロマンスへ……『悪役令嬢に選ばれたなら、優雅に演じてみせましょう!』

こんにちは、女性向けのなろうコミックをレビューしている氷雨と申します。


今回紹介する作品はこちら!
『悪役令嬢に選ばれたなら、優雅に演じてみせましょう!』です。



今回は5巻まで読んだうえでのレビューとなります。
なろう系で人気の悪役令嬢ものではありますが、少し毛色が違うんです。

その理由や展開についても紹介したいと思いますので、まずはあらすじからまいりましょう。


あらすじ

「というわけで、あなたに悪役令嬢役をお願いしたい」
「……はい?」

王子と下級貴族の娘が身分違いの恋に落ちた。
そして秘かに、王子の恋を成就させるために家臣たちはとあるプロジェクトを立ち上げた。

二人の恋を燃えあがらせるための「悪役令嬢役」に指名された公爵令嬢メリアローズは、こうなったら華麗に演じてみせようと奮起する。

目指すは完璧な婚約破棄!
縦ロールを装備したメリアローズは、今日も元気に悪役令嬢になりきるのであった。

当て馬役の貴公子や取り巻き役の貴族子女たちと共に、演技派悪役令嬢の茶番だらけの学園生活が始まる!

やがて、王子を巡る恋模様は思わぬ方向に転がっていき……!?


悪役令嬢を演じるという設定

悪役令嬢ものの典型としては、乙女ゲームの世界に入り込んでしまった、もしくは記憶が飛んだあるいは戻った際に現実世界で暮らしていたことを思い返すという場面があります。

上記の設定がテンプレではありますが、今作は一味違うんです。
それが、「悪役令嬢になりきってほしい」というもの。

悪役令嬢ものとして役になりきってほしいという作品は、なかなか見ないのではと感じます。
数は多くないものの、悪役令嬢になりきる話はないわけではありません。

しかし、今作はそのなりきる系になりまして。
正直なところ、やるために取り巻きと一緒に相談しながら方向性を定めていくんです。

まぁ、仕方ない。だって、悪役令嬢になりきって陛下の身分違いの恋を成就させたいという気持ちの元動いているから。

しかも、依頼したのは大臣直々でしたから。
そりゃ、確かに本気でやらなければと思うでしょう。

だって、取り巻きたちとの相談の中で、勝手に誤解したとはいえ「自分たちの命がかかっている」と考えたのですから。

しかし、主人公自身が「悪役令嬢」の魅力に取りつかれたこともありますが、めっちゃノリノリで演じ始めるという……。

あれかな、言い方が少し辛辣になってしまうとは思いますが、「ごっこ遊び」みたいなものかな?

いや、うん……悪役令嬢ならばというイベントごとを挙げて、ギャグに昇華するのはいいかもですが、結構おなか一杯な感じがありますね。


取り巻きたちとの関係

主人公であるメリアローズの取り巻き、というよりも協力者として集められた人たちはみな優秀な人ばかり。

個人的には、眼鏡をかけているウィレルくんはいいキャラをしているなとも思います。

あと、バートラムくんの当て馬っぷりもなかなか。
リネットちゃんは癒しですし、いいチームだなぁと実感しています。

それぞれの役割がしっかりしているからそこまで破綻していないのかもしれませんが。

その中でも、ずーっと主人公を気にかけるウィレルくんは健気ですね。
しかも、眼鏡を外したらイケメンとか。

いい要素入っていますね、結構好きな女性は多いのではないでしょうか?
もちろん、バートラムも結構いいキャラはしていますが、そこまで深堀りされていないので、魅力が伝わりづらいかなぁと。

あと、ユリシーズの魅力もですね。
やはり、サブキャラの立ち位置にいるせいでそこまでピックアップされていないですし、個人的に今までの悪役令嬢作品に出る陛下とは違うせいで戸惑ってしまいます。

こんなに素直な子でいいのだろうか?
ざまぁされる側の醜態を無意識に求めている感覚があって、読んでいてもどかしさを感じる場面がちらほら。

いや、作品としては現状のままのほうが面白いですし、収まりが良いのは確かですよ。
……染まりすぎてしまったかなぁ。


主人公の恋について

悪役令嬢として行動する主人公ですが、その頑張りをずっとそばで見つめてくれている人がいます。

しかし、その人物に対しての気持ちに気づけていない部分があり、さすが主人公といったところでしょうか。

やはり、物語の主人公、しかも悪役令嬢としてのふるまいに一生懸命な女性は「鈍感系主人公」になる運命なのか。

個人的には自分の気持ちに気づいてあたふたする姿も好きですから、そういった恋愛の機微に敏感な女の子主人公も好きです。

しかし、今作はどちらかというと鈍感系。
あれです、乙女ゲームの主人公にありがちな精神性といえます。

悪いとは言いませんし、鈍感だからこその魅力もありますが……やはりテンプレだからこそ、扱われる数も多い。

実際、少し食傷気味になっている部分もあります。
純粋な恋愛作品はないものか!


終わりに

自分のことだけには鈍感な主人公とその人柄に惹かれて支えてくれる周囲との関係がとてもほのぼのとしていますし、強い絆を見られるのは楽しくもあり微笑ましいです。

また、自分の気持ちを自覚してからのメリアローズがまた可愛い!
現状5巻まで出ていますが、これは続編を期待してもいいのかな?

キリのいいところで終わっている状態ですので、もし続きが出るのであれば読んでみたいところ。

いい加減素直になってイチャラブして良いんですよ?
そういうの、好きですからね。


それでは、今回はここまで。
また次の作品でお会いしましょう。



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