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茨城県 株式会社武勇

JSA認定講師の研修で茨城県結城市にある「株式会社武勇」に行って来ました。
「株式会社武勇」様は、私が「SAKEstory」に勤める以前にお店でイベントをされた事もありご縁を感じました。

今回は長文の為3回に分けてnoteに掲載させて頂きます。

「株式会社武勇」様ではお酒造りは基本的に4人で、手作業で行われています。

瓶詰めや、出荷をされているスタッフも別でいらっしゃいます。
武勇さんが造られているお酒は数十種類程でかなり多いです。

同じ造り方でも搾りたて、直汲み、荒走り、にごり酒と4種類のお酒を造る事が出来るそうです。
限定瓶詰めの様に、数十本からしか造っていないお酒もいっぱいあります。

蔵人様に「昔に比べて手間をかけた物が売れる様になってきた。今は純米大吟醸など、お客様が求めている物が上がっている。 」
更に、「お酒の評価を上げる為には東京で売れないと伸びない。」という事も教えて頂き、東京で売れる流れが地方に戻ってくるそうです。

武勇のお酒は辛みと苦みと渋み、キリっとした酒が特徴であり、魅力です。
水の固さ(硬度)でも味わいは変わってきます。

それが井戸の深さでも味わいが変わったり、日本酒の約7割は水なのでこの要因は大きく水の特徴が出やすいお酒です。
武勇は軟水で日本酒造りをしています。

ちなみに軟水はキレあがりの良いお酒が造りによいので、それを生かしボリュームを持たせながらキレの良い酒質も特徴としています。
濃厚な酒とか、火入れして熟成をかけた落ち着きのあるお酒も昔から得意です。

茨城県のお食事は味付けが濃い物も多いのでそこに負けない様なお酒を造っています。

出品酒についても教えて頂きました。
昔と比べて品評会に加え色々なコンテストが開催される様になったが、必ずしも金賞を獲った商品が売れるという訳ではないそうです。
それよりも自分たちで売る努力をする方が大事なのだろうと感じました。

それは私たち飲食店と同じで、どうすればまた来てもらえるのか?
どのように良い印象を残すか?
悩んだり考えたりするポイントは近い様に感じました。

ウッドソンにも色々種類があるみたいで今回私が見たのは、連続式でした。
水を流しっぱなしで洗えるので一度に沢山の酒米を洗えるそうです。

使用後はカビを防ぐために扇風機をかけっぱなしにして風を当てています。
白米を入れて水で押し出し、空気を吸い込みながら押し進めます。
米を水と空気で押し出すんですね。

酒米を蒸す際に疑似米を引きます。
※疑似米とは(プラスチックで作られたダミーのお米の事です)

  • 疑似米を使う理由は甑肌といって(甑に接している部分のお米が水分を吸い過ぎてベタベタになる事)これを防ぐ為に酒米の下に敷いて蒸します。

しかし、これは窯によって差があるそうで、武勇さんの窯は接している部分全面がベタベタになるわけでは無くて角だけだそうです。

そこに布を丸めて入れておけばこれだけで防げるそうです。
あとは気温が低いと出やすくなります。

室温が低いと結露するのでベタベタになりやすく、寒いところだと甑肌になりやすいから疑似米や断熱材などを使うところが多く環境によって違うそうです。

酒米を蒸す時間は統一されており、蒸し時間は米に合わせるのではなく窯に合わせています。

蒸時間が長いとよく吸うというが、現在は一定の火力で蒸せるので50 分蒸しとしています。

予備知識…九州では日本酒を作るのが昔は難しかったそうです。
焼酎は黒麹や白麹を使い、その酸で醪を殺菌します。
なので、酸っぱいから蒸留しないと飲めません。
蒸留すると酸が出来ないので焼酎の方が合っています。

更に日本酒造りが少ない理由は、日本酒で主に使っている黄麹は温度に弱く、水分と蒸米がある醪の中に黄麹菌で作った麹は環境がよっぽど悪いと腐ってしまうので、焼酎を造る方がデメリットが少ないのです。

第一回目はここまでとします。
次回は製造について書いていきます。

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