人不足を実感できているか?環境に適応しているか?
人不足・人不足・人不足・・・・・・・・と昨今言われ続けています。この現状をしっかりと身にしみて実感できているでしょうか。例えば最近お話した大企業の人事担当者から5年前はとても人が採れていたけど、今はエントリー数が減り続け、人が全然こない会社になったと悩まれている話を伺いました。実際にそのような企業がたくさん増えています。
新卒のエントリー数が3年前より1000減ったという話を伺うことがあるくらいです。1000減るって恐ろしいことだと思いませんか。1000人の学生に会える機会を逃していることになります。また今団塊ジュニアの世代が45歳前後なので、その方々が15年後減っていくことを想定しても今の人の確保が急務なことは容易に想像がつきます。20代も圧倒的に減っていますし。
19才以下と20〜64才の減り方が異常です。
出典:厚生労働省(平成29年版厚生労働白書)
このグラフを見てもわかるように、労働力が減っていくことがわかります。定年を70歳にしても足りなくなることは明確です。さらに完全失業率は減り続けます。
<失業率の推移>
出典:総務省統計局調査
69ヶ月連続で就業者と雇用者が増え続け、完全失業率が100ヶ月連続の減少です。今2.3%(2018年9月段階)です。この連続の上昇と減少意味わからなくないですか。どこまで更新する気なのか?って思いますよね。もうすぐ失業率1%をむかえそうです。これは日本人だけではなく、外国人の方にも来ていただいて働いてもらう必要ありますよね。コンビニなんて都内は外国人がいない店ほとんどないんじゃないでしょうか。それだけ今人が不足しています。
<間違いなく活躍できる潜在労働力>
ただ外国人の方以外にも働ける方がいます。それは「働けずにいる就業希望の育児中の女性」です。保育園に預けることができ、短時間で働ける環境が家の近くにあると働くことができます。週5日フルタイムで働くことはできないまでも、週3日3時間ずつとかであれば働ける方がいるのです。実際に第一子出産後の離職状況を見てみましょう。
出典:男女共同参画白書(平成30年6月)
就業継続の育休利用と育休なしの層は順調に伸びており、53.1%まで上がったのはとてもいいことです。この数字は今後も伸び続ける見込みだと想定されます。ただ第一子出産後の退職者が減り続けていますが、まだ46.9%もいます。この方々に活躍してもらうことで労働力は間違いなく確保できることは事実です。
仕事をやめる理由は様々だと思いますが、子供が育ってまたいつか就職したい層がいるのも事実です。その層は、退職した中の約90~95%の高い割合でいます。仕事をやめてからもいつかは働きたいと考えています。(厚生労働省:女性の再就職等に係る調査)
<就労していない既婚女性の就労しない理由>
1位:子育てに専念したい
2位:条件に合う雇用先がない
3位:家事育児が負担
4位:子供の預け先がない
5位:しばらく仕事から離れ自信がない
6位:雇用先が少ない 等
があります。おそらく、人を求めている企業があるのであれば、2・5・6位の条件を加味して雇用条件を変えることで採用できる可能性があります。もちろん2と6位に関しては、「場所が近い」「時間が制約されている」「仕事内容」などを踏まえる必要があるかもしれません。ただ本当に必要なのであればその調整を行い、労働力を確保する必要があるのではないでしょうか。働きたくても働けない人に対して雇用を提供し、企業が発展するのであればWINWINになります。
また自信がない方に関しては、事前に復帰のための教育をする必要があるかもしれませんが、それを行う価値は充分にあると思います。
<33・37・43>
おそらく働きたい人に関しては、幼稚園に入れる出産3年後、小学生に入れる7年度、中学校に入れる13年後などがタイミングかもしれません。第一子を出産する平均年齢が30.7才と言われているので、
33歳・37歳・43歳 前後がタイミングです。
もちろんあくまで平均なので前後することはあるかと思います。そのような方々にも働いてもらえる仕事はたくさんあると思います。
短時間でも働ける仕事を企業側も作ることでルーティン作業は彼ら彼女らに任せられる可能性があります。人不足に悩んでいる企業様がいらっしゃれば参考にしていただけると幸いです。
労働力が減る中で海外から労働力を確保する以外にも日本国内に眠っている活躍できる人材はたくさんいます。時短で働く主婦の方とこれまでたくさん話してきましたが、とても生産性高くスケジューリングし働いている人が大半でした。間違いなく雇用機会を設けることで活躍できると私は確信しています。
以上、人不足を実感できているか?環境に適応しているか?でした。