見出し画像

資格受験体験記〜第1級陸上無線技術士〜

本記事の目次です。

  1. 第1級陸上無線技術士とは?

  2. (当時の)私のスペック

  3. 取得までの道のり

  4. NARITA流1技攻略法

  5. 国家資格のススメ

「第1級陸上無線技術士とは?」
総務省が管轄する国家資格です。無線従事者と呼ばれる制度の一つです。
無線従事者は4つに分類されます。
❶無線技術士 無線設備の技術操作(整備や保守等)
❷無線通信士 無線設備の通信操作(電信(モールス)電話等の操作)
❸アマチュア無線技士
❹特殊無線技士
第1級陸上無線技術士は無線技術士の最上位であり、国内の無線設備を制限なく取り扱うことができます。
級による主な違い(制限)は次のとおりです。
❶第1級陸上無線技術士 無制限
❷第2級陸上無線技術士 空中線電力2kW
❸第1級陸上特殊無線技士 空中線電力500W
空中線=アンテナであり、電力は伝送距離に比例します。つまり、どれだけ”遠くまで飛ばせるか”によって級が変わります。
第1級陸上無線技術士を取得するための主な手段は、「国家試験合格」です。試験は基礎、法規、無線工学A、無線工学Bの4科目を突破しなければなりません。試験は1月と7月の年2回実施されます。

「(当時の)私のスペック」
受験を決意した当時のスペックです。
年齢:26歳
学力:高卒程度。普通高校(偏差値低め)卒、電気や無線の知識なし。
環境:仕事上の研修期間であり比較的勉強しやすい環境だった。
家庭:新婚1年目。家ではほとんど勉強ばかりしていたので、妻には申し訳なかった・・・。

「取得までの道のり」
❶受験を決意した時期:2010年12月
❷受験日:2011年7月
❸受験のきっかけ:
仕事上の研修として電気通信を学ぶ中で、無線従事者の取得が組織貢献に繋がると知り、せっかくなら取ってやろう!という単純な動機でした。その時は、この資格の恐ろしさを知らない状態で、今から考えれば無謀とも言える挑戦だったかもしれないです。
❹時系列
 12〜1月:市販図書の過去問集(5年分)を職場借り、試しに解いてみる。そこで初めて第1級陸上無線技術士試験(以下、「強敵」という。)の恐ろしさを知りました。元来、無謀かつ気持ちだけで動く性分であり、それが自分の持ち味であると自負していたが、この時ばかりはその性分を呪いました。強敵のスペックは工学系大学卒レベルともいわれ、私のような低脳では敵うはずもないのです。周りも言葉にはしないものの無謀だと思っていたでしょう。
 1〜2月:過去問を解き続けるも、問題は愚か、解説を読んでも意味が解らない・・・。問題文すら読めない、用語が解らない・・・。通常、強敵に挑む者は大学で無線工学を学んでいたり、下位資格を取得していたりする場合が多いのです。そのため、過去問集の解説も基礎知識が習得済みであることを前提に書かれており、低脳な私には理解できないのであります。その事実に気付き絶望しました。しかし、辞めようとは思わなかったのです。なぜなら、私の傍らには静かに見守ってくれている妻がいたから!こんなことで諦めるわけにはいかないのです。この時期は苦しみながらも過去問演習を繰り返しました。基礎、法規の解説を熟読し、内容の理解に努めました。到達度は10%くらいです。
 2~4月:当初は出口の見えない暗闇でしたが、徐々に”理解”という光明が見えてきました。基礎知識不足かつ試験までの時間がないことから、戦略的に完全な理解を諦めたことにより、精神的にも楽になり、過去問をひたすら繰り返すメソッドが確立してきました。4月時点で、4教科5年分=40実施回を3~4周程度こなしていました。問題によっては、選択肢を見るだけで解答できるようになる”特殊能力”を身に付けていました。
 4~7月:自己流の過去問メソッドも完成が近づき、全教科で合格点を超えてきました。(当然です。同じ問題をやり続けているのだから・・・。)過去問集も10周以上こなしたと思います。やればやるほど解答速度が上がっていくとともに勉強が習慣化したため、無意識でやっているような状況です。(もはや依存や病気とも言えるかもしれません。)加えて、計算問題や捨て問(レーダー方程式等)としていた難解な問題にも取り組みました。
 本番:試験は2日間行われます。初日が基礎・法規、2日目が工学A・Bです。過去問集を持参し、試験直前まで解きます。短期記憶を焼き付けます。過去問メソッドの成果を発揮し、結果は全科目合格です!

「NARITA流”強敵”攻略法」
私のメソッドは正攻法ではないかもしれませんが、資格は取った者の勝ちです。知識・技能は資格を取ったあとでも身に付けられます。
❶過去問演習
  どの資格でも有効な対策が過去問演習です。悩む前にやる!まずはやってみる!精神が大事です。強敵攻略のためには、直近を除いた5年分を5周回は必要でしょう。時間的余裕があれば10年分やったり、10周回やったりしましょう。過去問はやればやるほど”合格力”が向上します。個人的には勉強というよりは、競技に近い感覚です。
❷無線を好きになる。
  人間は興味のない物に対して発達しません。まずは、”無線”に興味を持ち好きになりましょう。(好きになれないのなら脳を錯覚させましょう。)「TVやスマホの電波って周波数いくつだ?」、「衛星通信ってどうなってんの?」、「アンテナの構造の意味って?」など無線的思考をめぐらせましょう。無線を考え続けていると、脳が”無線LOVE”と勘違いしてきます。
❸”強敵”を倒した時のイメージを持つ
  この資格を持っているとイイコトが沢山あります。業務独占資格であるためこの資格がないとできない業務があるため社会的ニーズが高いです。また、技能証明としても絶大の効果があり、この資格を持っていると関係者から賛美されます。自己肯定感が爆上がりします。そして、実務経験があると高等学校教諭「工業」免許を取得できます。
  以上のように、ベネフィットの大きい資格ですので、自分にあったモチベーションを想像すると良いと思います。
❹”全科目一発合格”を目指す。
  多くの受験者は3年間の有効期間を活用し、”科目合格”を狙います。たしかに合理性があるかもしれませんが、あえて私は一発合格を推奨します。なぜならば、”コストパフォーマンス”と”勉強効率”です。人間の集中力は長期間継続しずらく、できたとしても生活や家族が犠牲になる期間が長くなります。また、受験料も安くはありませんし、出題傾向が変化することもあります。受験を決意したなら、自分のあらゆる資源を勉強に集中した方がトータルコストは低くなると思います。そして、なるべく早期に取得することで、その後の資格取得に注力できるというメリットもあります。合理性や確実性も大事ですが、私は”強気”の姿勢を推奨します!

「国家資格のススメ」
中肉中背、高卒、特技なしの私ですが、第1級陸上無線技術士を取得することで人生が好転しました。大げさかもしれませんが、この資格にはそれだけの力があります。
❶自己肯定感が上がった。自信がついた。
❷本資格の免状特典を使い、その後の資格取得に繋がった。(1総通、電気通信主任技術者)※この資格についても記事を書きます。
❸教員免許を取得できた。(後に教員に転職できた。)
❹社会に貢献できた。
資格を多く持っていると時に、「資格マニアですね。」や「資格とってどうするの?」など揶揄されることもありますが、そんな声も気にならないほど資格には絶大な力があります。また、趣味としても健全かつ低費用であり、精神衛生上も有用です。みなさんも是非、資格取得を目指して下さい!!

注:25歳から資格取得を続けて16年目です。中には遠征したりもしました。当初は妻も寛容に見守ってくれていましたが、頻度を高めてやりすぎると「いつまで続けるの?(あきれ)」、「また?(怒り)」となります。皆様は生活や家族に影響を与えないようにしましょう。
 妻よ、娘よ、もう少し付き合ってくれ。あと2つくらい取ったら終わり((のはず))なのだ・・・。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集