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世代の違いは、価値観も違えばコミュニケーションスタイルも違うと理解する

「昭和世代」と「Z世代」の質問力には、時代背景や価値観の違いからくる特徴がありそうです。
それぞれの世代がどのような問いかけ方をするか、またそれがなぜ生じるのかを理解すると、相互の理解やコミュニケーション向上につながります。


昭和世代の質問力の特徴

縦社会の影響を受けた質問スタイル
昭和世代は、会社や組織の中で年功序列が重視されていた時代に育ちました。そのため、質問をする際に「上司への配慮」や「先輩の顔を立てる」などを意識し、慎重な表現や形式を守る傾向があります。
質問そのものが、時に「失礼」だと受け取られるのを避ける工夫が見られます。

「失敗を避ける」質問の傾向
昭和世代には、間違いや失敗を避けるために、基本的な事項や規則に関する確認的な質問が多いのが特徴です。
「なぜこうするのか」よりも「こうするためのルールは?」と確認しておきたい気持ちが強く、全体の目的よりも安全や失敗回避に重きを置く質問が多いといえます。

質問力の発揮のタイミングに慎重
質問が許されるタイミングや雰囲気を大切にし、場を見計らって質問する姿勢が昭和世代には根付いているように感じます。
会議や打ち合わせの場で積極的に質問するよりも、事前に調べたり確認したりして、自分で解決する努力を重視します。

Z世代の質問力の特徴

目的重視の質問
Z世代は、目的や理由を明確にし、納得して行動したいと考える傾向が強いように感じます。
例えば、「このプロジェクトのゴールは何ですか?」や「なぜこの方法が選ばれたのですか?」といった、背景や意図に対する質問を自然に行います。
これは、根拠を大切にし、自分の意見を反映させたいという姿勢からくるものと思われます。

スピード重視の質問
情報が豊富で即座にアクセスできるデジタル環境に慣れているため、Z世代は必要な情報を効率的に得ようとします。そのため、質問も短く要点を押さえたものが多いです。
「結論から教えてください」「具体的にはどんな方法ですか?」といったように、早く核心に触れたい気持ちが表れてがちです。

相互コミュニケーションを重視する
Z世代は、「質問=相手との対話を深める手段」という意識が強く、上下関係に関係なくフラットに質問を投げかける傾向があります。
SNSでのやりとりに慣れていることもあり、相手に話を振ったり、考えを引き出したりするような質問が得意です。
「〇〇さんはどう考えますか?」という形で、自分だけでなく相手の意見も引き出しながら対話を広げるスタイルです。

人事労務の観点から

人事労務の観点から見ると、これらの違いは、採用活動や社員研修、評価制度など、様々な場面で影響を及ぼします。
例えば、Z世代の若手社員に対して、昭和世代の上司が「最近の若い者は…」というような固定観念で接してしまうと、コミュニケーションギャップが生じ、モチベーションの低下や離職につながる可能性があります。

逆に、Z世代の若手社員が、昭和世代の上司に対して、失礼な言葉遣いや態度をとってしまうと、信頼関係を築くことが難しくなり、業務遂行に支障をきたす可能性があります。

昭和世代とZ世代の質問力を高めるコツは相互理解と歩み寄り

では、どのようにすれば、世代間の違いを乗り越え、互いに理解し合えるのでしょうか?

昭和世代
に対しては、「なぜ」を意識した質問を増やしてみると、より柔軟な発想や深い理解に結びつきます。
背景や理由に対しても積極的に問いかけていくことで、新しい視点が得られるかもしれません。

Z世代に対しては、質問の際に相手がどのようなスタイルを好むかを把握し、状況に応じて丁寧さを加えると、伝わりやすさが増すでしょう。
また、結論だけでなくプロセスや背景にも配慮した質問を意識すると、コミュニケーションがより深まります。
特に昭和世代は、Z世代の価値観や考え方を理解しようと努め、頭ごなしに否定するのではなく、彼らの意見に耳を傾けることが重要です。

企業は世代間ギャップをいかに解消するかがポイント

企業が世代間ギャップを解消するためには、各世代の強みを活かしながら、互いの価値観やコミュニケーションスタイルを理解・共有できる「対話の場」と「サポート体制」を整えることがポイントです。
これにより、世代を超えた協力と信頼関係が築かれ、組織全体の生産性やエンゲージメントも向上します。

定期的な対話と交流の場を設ける
世代間の価値観や質問スタイルの違いを理解するには、対話が不可欠です。例えば、定期的な意見交換会や交流イベントを開催し、経験をシェアできる場を設けることで、世代を超えて学び合う文化を促進します。

質問力トレーニングの実施
質問力は、世代の違いを越えて効果的なコミュニケーションを実現するカギです。昭和世代向けには「背景や意図を深掘りする質問」を、Z世代向けには「相手の意見や思いを引き出す質問」のトレーニングを提供し、相互理解を促進します。

メンター制度や世代を超えたプロジェクト編成
年齢や役職を問わず、世代の異なる社員がペアやチームとして協働する機会を増やします。
特にメンター制度は、昭和世代が豊富な経験を共有し、Z世代が新しい視点を提供できる場として有効です。

柔軟なコミュニケーションツールの活用
メール、チャットツール、オンライン会議など、多様なコミュニケーション手段を取り入れることで、各世代の得意なスタイルを選べる環境を整えます。スピーディな意思疎通を好むZ世代にはチャットツールが、丁寧なやりとりを好む昭和世代にはメールが適しています。

価値観の共有とビジョンの明確化
各世代が組織のビジョンに共感し、そこに向けて一丸となれるよう、ミッションやバリューを全社員に浸透させます。
「なぜこの目標に向かうのか」を明確にすることで、全世代が目的意識を共有しやすくなります。

まとめ

今回は、昭和世代とZ世代の質問力の違いについて考えてみました。
それぞれの世代の強みを生かしつつも、世代の違いを理解して柔軟に対応することで、より円滑なコミュニケーションやチームワークが築けるようになるでしょう。

【今日の問いかけ】
「仕事を進めるうえで、あなたが大切にしている価値観や考え方は何ですか? その背景にはどんな経験や出来事がありますか?」

各世代が大切にする価値観や考え方を理解し合うきっかけを作ります。
背景にある経験を共有することで、相互理解が深まり、お互いの価値観への共感が生まれやすくなります。

まずは質問に答えて、必ず言葉にして書き出してみてください。
ひとつひとつの質問に丁寧に向き合うと、新たな気付きと行動が生まれてきます。
今日の問いかけへの皆さんの答えを、ぜひコメント欄にお寄せください。

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