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「アルファ」謎の美少女が宇宙空間をさまよう、ハードSFストーリー【レトロゲーム回顧録】

こんにちは!「なり」と申します。

これまで私のnoteでは、主にスクウェア・エニックス(スクエニ)に関する記事を書いてきました。
もし興味のある方は、ぜひご覧ください!

さて、前回は「ゲーム好きなんだからゲームそのものの記事を書かないと」という訳で、スクエニの前身であるエニックスの過去の作品「セイバー」についての記事を書きました。
こちらも興味がございましたら、ぜひご覧ください!

さて、今回は・・・・・・!
前回同様にゲームの記事を書くことにしました(笑)。
今回はスクエニのもう一つの前身であるスクウェアの作品について書きたいと思います。

スクウェアと言えば何と言っても「ファイナルファンタジー(FF)」シリーズが有名ですが、私にとってのスクウェアは、FFシリーズが出る以前のスクウェアなのです!

その頃のスクウェアと言えば、「アニメーションの技術を使って美少女をフィーチャーしたアドベンチャーゲームを作るソフトハウス」というイメージが強かったと思います。
その代表作の一つである「WILL」(1985年)については、前回の「セイバー」でも軽く触れましたが、下記にプレイ動画のリンクを貼っておきます。

さて!私にとってのスクウェアの代表作と言えば、何と言っても「アルファ」です!
私が大好きなゲームであり、大変思い出深い作品です。
下記に「アルファ」の紹介サイトのリンクを貼っておきます。
こちらの紹介サイトには本作についての記事が詳し過ぎるほど載っています。あまりにも詳し過ぎるので私の記事の存在意義が疑われますが(汗)、私の記事では自分なりの所感などを書いていきたいと思います。


ゲーム作品としての「アルファ」のスペック

「アルファ」リリース当時のゲーム界の状況

「アルファ」は1986年の7月にリリースされたアドベンチャーゲームです。PC-8801シリーズ(PC88)、PC-9801シリーズ(PC98)など、当時の主要なパソコン向けのゲームソフトとして発売されました。

1986年7月という時期ですが、この頃のPCゲームはロールプレイングゲーム(RPG)に絶大な人気が集中していました。一方、アドベンチャーゲーム(AVG)の方は人気が下火になっていました。
やはり、RPGの方が長くプレイできたり、やり込める要素が充実していたことが理由として挙げられると思います。一方、AVGは一度解いてしまえば終わりという作品がほとんどであるため、コスパが良くないことが敬遠された理由と考えられます。

しかし、人気が下火になっても、RPGほどの高い売上が望めなくても、AVGの作品はそれなりにリリースされていました。その中には、後に名作と呼ばれるものも少なからずありました。

そのような最中、「アルファ」はリリースされました。
その際、雑誌ではかなり力が入った広告が打たれていました。
ゲームの雑誌広告と言えば、有名なメーカーであれば見開きで2ページ、そうでない場合は1ページのみ、というパターンが通常であると思います。
これに対してこの「アルファ」は、何と5ページも使った広告を打っていました。特に印象的だったのが、アメコミ風のイラストが入った広告です。

図1 「アルファ」のアメコミ風の見開き広告

このように大々的な広告を打ったこともあってか、「アルファ」の売上は結構好調だったようです。
これはAVGが低迷していた時期にしては、かなりのセールスだったのではないかと思われます。
また、「SF」に「美少女」というのが当時のゲームやアニメでウケる要素でしたから、両者を兼ね備えていた本作はゲームファンにとって格好のターゲットだったと思います。

「アルファ」の制作スタッフには有名人が・・・

本作の制作スタッフですが、有名どころは何と言っても植松伸夫氏でしょう。後のFFシリーズで有名になる作曲家ですが、既にこの頃からスクウェアの作品に携わっていました。
また、有名なスタッフといえばアニメーターのいのまたむつみ氏でしょう。いのまた氏は当時から既に人気アニメーターでしたが、本作で担当したのはパッケージデザインのみであり、キャラクターデザインやパッケージイラストを担当した訳では無いようです。
なお、パッケージイラストや広告のイラストは、影山楙倫(かげやましげのり)氏が担当されたようです。
なお、1985年の「WILL」のディレクターであり、後にこちらもFFシリーズで有名になる坂口博信氏は、本作の制作スタッフでは無いようです。

解くのがしんどい「コマンド入力式」&「マッピング」

さて、この「アルファ」ですが、ゲームジャンルとしては「アドベンチャーゲーム(AVG)」であり、ゲーム形式は「コマンド入力式」となります。
「『アドベンチャーゲーム』って何?」「『コマンド入力式』って何ぞ?」という方は、私が書いた「セイバー」の記事にある、「初期の『アドベンチャーゲーム』の特徴」というセクションをご参照ください。

この「コマンド入力式」ですが、同じ意味なのに違う言葉でないと正解にならないことがあり、「言葉探し」と非難されることがありました。また、あまりに高い自由度を活かし過ぎてか、突飛な発想を要求される場面もあり、「不条理」と言われることもありました。
そもそも単語をキーボードから打ち込むこと自体が非常に面倒です。
このような理由により、コマンド入力式が採用されたAVGは減っていきました。1986年当時は、ほぼ絶滅寸前だったように感じます。

さらに、前回の「セイバー」ではあまり問題にならなかったのですが、初期のAVGではプレイ時に「マッピング」が要求されることが普通でした。
マッピング」とは「地図を書くこと」です。
AVGでは場面を移動する時、「『キタ』『ミナミ』『ヒガシ』『ニシ』」、あるいは「『マエ』『ウシロ』『ミギ』『ヒダリ』」というコマンドを打ち込みます。
この時、「どちらの方向に行ったら、どこに行けたか」ということを地図として記録するのです。この作業が「マッピング」です。

下記は、本作「アルファ」のゲームスタート時点のマッピング例です。
棒線は「どちらの方向にも行ける」という意味です。例えば、「スタート」から「マエ」と入力すると、「スタジアム」に移動できます。逆に、「スタジアム」から「ウシロ」と入力すると、「スタート」に戻ることができます。
「×」印は、「そちらの方向に行けない」という意味です。例えば「スタート」から「ウシロ」と入力しても、その方向には進めません。

図2 「アルファ」開始時のマッピング例

このマッピングをちゃんとやっておかないと、ゲームの世界で迷子になってしまいます。
つまり、「今、自分がどこの位置にいるのか分からない」「行きたい場所にスムーズに行けない」「まだ行っていない場所がどこか分からない」といった、困った事態が発生してしまうのです。

つまり、「コマンド入力式」を使った初期のAVGのプレイスタイルは、次のような感じとなるのです。

  • とある場面にやって来る。

  • 「○○ ミル」などのコマンドを使って、その場面の状況を調べる。

  • 何か気になった物が発見できたら、「○○ ミル」「○○ シラベル」「○○ トル」といったコマンドを打っていく。

  • 何も状況が変わらなかったら、その場で思いつく限りのコマンドを打つ。頭を働かせて、コマンドを打って打って打ちまくる。

  • それでも状況が変わらなかったら、ひとまず移動してみる。移動して分かった結果をマッピングする。

こんな感じで、パソコンのキーボードをカタカタ打ちながら、傍らにあるノートにマップを書いていくのが、当時のAVGを解く際の基本スタイルだったのです。
ひたすらマウスをクリックしていくだけのその後のAVGと比べれば、かなり労力を伴うプレイスタイルだったのです。

時空を超えた壮大なハードSFの世界

「ハードSF」とは

この「アルファ」というゲーム作品の内容は、「SF」というジャンルに該当します。
SFの中でも、「ハードSF」というジャンルにカテゴライズされると私は考えています。
「ハードSF」については、下記のWikipediaの記事をご参照ください。

私にとっての「ハードSF」とは「真面目なSF」、つまり、「科学的な考えを基礎とした設定に基づく、シリアスな作風のSF」です。
ハードSFとしてよくあるパターンが、「宇宙」「未来の世界」「異次元の世界」「時空間移動」といった題材を用いて、「人類の存亡」「人間の存在意義」「時や次元を超えた邂逅」といった内容が描かれるものです。
結果として、「人間とは何か」「人類とは何か」といったテーマを、壮大かつ深淵なスケールで描く作品が多いと思います。

「アルファ」がハードSFに該当するかは、議論の余地があるかもしれません。
しかし、私がハードSFの世界に触れるきっかけとなった作品の一つであることに、間違いはありません。

フルアニメーションとOPミュージック!のはずが・・・

それではそろそろ「アルファ」の世界に入っていきましょう!
リンク先のプレイ動画をご覧ください。

PCがフロッピーディスクの内容を読み込むと、いきなり少女がレーザーガンを打つアニメーションが映し出されます。
前作の「WILL」では部分的なアニメーションに留まっていましたが、本作ではのっけからフルアニメーションを見ることが出来ます!しかも、8ビット機であるPC88でもフルアニメーションを見ることができるのです!
前年の「セイバー」に触発されたのだろうか?などと考えてしまいます。
しかし、フルアニメーションが使われているのは、このレーザーガンを打つシーンだけのようです。後は、部分的なアニメーションや、パレット切り替えによって動きを表現しているようです。

(「パレット切り替え」による表現は、主に「画面上の何かが点滅している」などです。「『パレット』って何ぞ?」という方は申し訳ありません。ご自身でお調べください。分かりやすさをモットーにしている本noteですが、説明が長くなりますので・・・)

さて、フルアニメーションによるイントロの後、画面いっぱいにオープニング(OP)のCGが表示されます。

図3 未来都市をバックにアンニュイな表情の美少女

初めてこのCGを見た時、私はかなり感動したことを覚えています。
今のゲーマーがどう感じるかは分かりませんが、このCGは当時ではかなりのハイクオリティーでした。
しかもこの美少女CG、時間が経つと目が動いたり、目を閉じたり、微笑んだりしてくれるのです。
PCゲーム界ではまだまだアニメーションが希少だった時代です。当時少年だった私は、素直に感動していました。

さて、PC88などFM音源が搭載されたパソコンでは、このOPと共にBGMが流れてきました。
前述のとおり、植松伸夫氏による音楽です。
本作にはピクチャーレコードが付属しており、OPのBGMをよりリアルなサウンドで味わうことができました。
お聞きになりたい方は、下記の動画をご覧ください。

しかし!私が当時持っていたPC98では・・・・・・
前回の「セイバー」の記事を読んだ方であれば、もうお気付きでしょう。
そう、当時のPC98にはFM音源が標準搭載されていなかったのです。
このため、PC98版の「アルファ」では、BGMが全く流れませんでした!
BGMどころか、効果音すら出なかったのです!
プレイしている間、ひたすら「シーン・・・・・・」とした状態が続きました。
今思えばかなり淋しい状況ですが、PC98でゲームをプレイしていた当時の私にとっては、ほとんどのゲームでBGMが流れなかったので、本作もこれが当たり前だと思って受け止めていました。

「アルファ」の導入部のストーリー

「アルファ」のマニュアルには、ゲームの導入としてストーリーが書かれています。やや長めなので、要点だけかいつまんで書いてみます。

西暦2101年、人類初の恒星間航行用宇宙船「ダイダロス」は、何万人もの人々を乗せて、遥かな惑星α(アルファ)に向けて飛び立ちました。
惑星αに到着するには、数百年もの歳月が必要になります。その間人々は、宇宙船内の巨大な居住区に住み、何世代にも渡って世代交代をするしかありません。

最初に「ダイダロス」に乗った人たちは、未知の世界への希望と使命感を持っていました。
しかし、長い時が経った今の「ダイダロス」の人々は、宇宙生まれで宇宙育ち。当初の志は忘れられ、無目的で怠惰な日常を送っていました。

そんなある日、一人の少女が「ダイダロス」内の小高い丘に立っていました。
彼女の名前は「クリス」。それが彼女の記憶の全てでした――――

「アルファ」マニュアルより要約

プレイヤーは、この「クリス」という少女になって、「ダイダロス」の中をさまよいます。
何のためにダイダロスの中をさまようのか、プレイヤーはその目的を知らされていません。
以上の情報以外はほとんど何も知らないまま、プレイヤーはゲームを始めることになります。

いきなり波乱の展開

この作品の非常に有難いポイントは、「ローマ字入力が使える」ということです。これならローマ字入力に慣れた現代人でも気軽にコマンド入力ができます。しかも、「名詞 動詞」「動詞 名詞」のどちらでもコマンドを受け付けてくれます。

但し、「メッセージは全てカタカナ」です。漢字ひらがなでメッセージが表示されるのは現代では当たり前ですが、当時は「メッセージは全てカタカナ」という方がむしろ当たり前だったのです。
これには様々な理由が考えられますが、「テキストのデータ量を減らす」「画面に表示される文字数を増やす」などが考えられます。

ともあれ、ゲームを始めてみましょう。
小高い丘にたたずむクリス(主人公=プレイヤー)。
適当に何かコマンドを打ってみると・・・・・・

図4 のっけからいきなり大爆発

何と!いきなり目の前で大爆発が起きました!
何らかの建物が爆発したようです!

図5 スタジアムから逃げ惑う人々

爆発が起こったのはスタジアムでした。
スタジアムから多くの人々が逃げ出してきます。
人々は叫びます。
革命だ!革命が起こったぞ!

スタジアムが爆発したら「爆弾テロ」だと考えるのが普通であり、「いきなりなぜ『革命』だと判断できるのか」という疑問が湧いてきますが、それは置いときましょう。
ひとまず「革命」という大変なことが起きたようです。

クリスがダイダロス内をさまよっていると、ショッピングセンターがあるので入ってみました。
ショッピングセンターの棚にはいろんな物が並んでいます。

図6 ショッピングセンターでなぜか冷や汗を流しているクリス

もらえる物はもらう!拾えるものは拾う!
それがゲームの世界での鉄則ですよね?
早速棚にあるものを拾って外に出ようとすると・・・・・・

図7 襲いかかってくるロボット

何と!ロボットに見つかってしまいました!
ショッピングセンターの品物をネコババした容疑が掛けられています。
ロボットは「中央管理局」という役所のようなところに所属しているようです。
「待て!ポリスセンターまで連行する!」
クリスはロボットにしょっ引かれてしまいました。
実は、このシーンで「○○○」というコマンドを打つと難を逃れることができるのですが、ロボットに連行されないとゲーム進行の条件が満たされないのです。

「キャーーーー!」
ポリスセンターに連行されたクリスは、検査という名目で、素っ裸にされた上に、天井から鎖で吊るされました。
ここでとあるコマンドを入力すると・・・・・・

図8 暗闇に浮かぶ、下から懐中電灯を照らした変質者

こんな感じで隠れキャラが登場します。
基本的に「アルファ」のストーリーは非常にシリアスなのですが、出てくる隠れキャラはどれもこれもギャグまみれです。
しかも驚くべきことに、「ほぼ全ての場面に隠れキャラが仕込まれている」のです。
この隠れキャラを見て「微笑ましいねー」とか、「おっ、発見できてラッキー!」と思えるのならそれでいいのですが、「せっかくのシリアスなストーリーをぶち壊しやがって!」と怒りに打ち震えるプレイヤーもいたかもしれません。

図9 釈放されたが、屈辱的な仕打ちにさめざめと涙するクリス

結局、クリスは釈放されました。
理由は、「住民リストに登録されていないので、処分の対象にならない」とのことです。
「住民リストに載っていなかったら、密入国者として逆に逮捕監禁されてしまうのでは?」というツッコミは野暮というものです。

この場面のポイントは、「持っているアイテムは全て没収されてしまう」ということです。
しかも、この「ロボットに逮捕→全アイテム没収」というプロセスを「複数回」経る必要があります。
つまり、この「アルファ」という作品を解く上で重要なポイントは、「とある条件を満たすまでは、重要なアイテムを拾ってはいけない」ということなのです。
これを知らずに涙を飲んだプレイヤーは、かなりいたのではないでしょうか・・・・・・

とある使命を与えられるクリス

ロボットから解放されたと思いきや、今度はクリスはタチの悪そうな男たちに捕まってしまいました!
どうやら革命派のアジトに入り込んでしまったようです。

図10 いかにも雑魚キャラといった感じの男たちに絡まれるクリス

「殺されるかもしれない・・・・・・」
そう恐怖するクリスの前に、「アーノルド」と名乗る男が現れました。

図11 ニヤリと不敵な笑みを浮かべるアーノルド、その素顔は・・・・・・

アーノルドは革命派のサブリーダーとのことです。
先ほどのスタジアムの大爆発は、彼らが実行したものでした。
彼らは、「人間がコンピューターやロボットに支配されているのはおかしい」と考えています。
一方、「機械に全てを任せて何もしない、グータラに生きているだけ」のダイダロスの住民たちをも非難しています。
そして、現在ポリスに捕まっている、革命派のリーダーを助け出したいと考えています。
そこでアーノルドは、クリスに共闘を呼びかけました。
革命派の連中と一緒に、クリスも戦って欲しい、という訳です。

すると、その現場をポリスのロボットに見つけられてしまいました!
恐らくこの場面では、何をやっても逮捕されてしまうと思います。

図12 またもや中央管理局のロボットに逮捕されてしまう

結局クリスは、以前と同じ理由で釈放されました。
もちろん前述の通り、持っているアイテムは全て没収されます
そして、革命派のアジトに戻ってみると・・・・・・!

図13 無残にも破壊され尽くされた革命派のアジト

何と!革命派のアジトは無残にも破壊されていました!
人が倒れているので、話し掛けます。
「ポリスのロボットにみんなやられちまったぜ」
「た、頼む。ポリスセンターに捕えられているリーダーを助け出してくれ」こうしてクリスは、「ポリスセンターに捕えられている革命派のリーダーを救出する」という使命を負うことになります。
やっとゲームの目的が分かってきました。

実はこの場面は、本作でも結構難しいと思います。
まず、この場面でアイテムが2つも手に入るのですが、その取り方が難しいのです。
「○○○」という名詞を入力する必要があるのですが、その言葉はメッセージをよく読んでいないと思いつかないと思います。
この「○○○」という名詞に、「△△△」という動詞を付け加えるのですが、「○○○ △△△」というコマンドは意味的に変に感じます。しかし、このコマンド以外に正解は無いようです。
上記のコマンドが分かれば、1つ目のアイテムは簡単に手に入るのですが、それに安心していると、もう1つのアイテムを見逃してしまう可能性があります。粘り強くコマンドを繰り返し入力する必要があります。

さらに難しいことには、この状況でその2つのアイテムを取ってはいけないということです。
後で分かりますが、もしこの状況でその2つのアイテムを取ると、後でこれらのアイテムが持ち物から無くなってしまうのです。
そして、再度このアジト跡に戻って来ても、その2つのアイテムは見つからず、取ることができないのです!
つまり、この状況でその2つのアイテムを取ると、詰んでしまうという最悪の結果になるのです!
この辺りが昔のAVGの難しいところなのです。

革命派リーダーの救出へ

こうしてクリスは革命派のリーダーを救出することになりました。
革命派のリーダーはどこにいるんでしたっけ?
そこに行くためにはどうすれば良いのでしょうか?
ここまで真面目にプレイしていたプレイヤーなら、「ピン!」と気が付くと思います。
「そうだ!さっきしたことと同じことをすればいいんだ!」
答えを言ってしまいましょう。
「もう一回ショッピングセンターでロボットに捕まって、ポリスセンターに連行される」が正解なのです。

図14 図9と同じだけど、今まで通りにはいかないぞ・・・・・・!

さてまた釈放されたクリスですが、今度はここから出る訳には行きません。
どうにかして状況を打開する必要があるのです。
ロボットが持っている物が気になりますが・・・・・・
ここで「トル」という動詞を使うと、失敗してしまいます。「○○○」という動詞を使う必要があるのです。この辺りがいかにも「言葉探し」といった感じですね。

クリスは無事にロボットを撃退することができました!
ポリスセンターをさまよっていると、クリスは遂に革命派のリーダーを発見することができました!
彼の名前は「キース」と言います。
キースはクリスに語り掛けます。

図15 シリアスでイケメンなキースだが、その素顔は・・・・・・

「俺は革命派を結成して、住民たちの自由と希望を奪い続けてきた、中央管理局(ポリス)を叩き潰さなければならないんだ。」
「ポリスのロボットたちは全てメイン・コンピューターからの指令によって動いている。革命を成功させるためには、このメイン・コンピューターを破壊しなければならないんだ。」
「いいかい、クリス。ポリスのメイン・コンピューターは、住民の安全をいかなる場合でも守るために、徹底した管理体制を守る以外のことは全くプログラミングされていないんだ。だからダイダロスが、たとえ惑星アルファに到着しても、ポリスがある以上、俺たちはアルファに降り立つことができないようになっているんだ。」
「ダイダロスの住民たちは、世代が進むにつれ、目的や希望を失っていく。こんな状態では、たとえアルファに到着しても、新しい環境に順応できないだろうと、ダイダロスの設計段階で予想されていたのさ。そんな住民たちを目覚めさせるためには、革命を起こすしかないんだ!」

「アルファ」本編

メイン・コンピューターによる住民の保護とは、結局のところ住民の監視でしかない、ということでしょうか。
監視下に置かれた人間たちは、自らの意思を放棄して、メイン・コンピューターに唯々諾々と従い、その代わり自身の安全を守ってもらう、という訳です。
人々がアルファにたどり着くためには、住民どうしおとなしくしてもらう必要がありますが、アルファに着いた時に、人々が腑抜けになっていては困る、ということでしょう。
惑星アルファという未知の世界で要求されるのは、新しい環境に立ち向かうことができるフロンティア・スピリットなのです。
住民をフロンティア・スピリットに目覚めさせるには、メイン・コンピューターからの監視を打ち砕く必要がある。そのために革命が必要なのだ――――
こういったところでしょうか。

クリスはキースを牢屋から出すことに成功しました。
すると当然のように、ポリスセンターのロボットが襲いかかって来ました。
クリスはロボットを撃退しました。
ところが・・・・・・

図16 流れレーザーに打たれたキースだが・・・・・・

ポリスロボットが打ったレーザーガンが、キースに当たってしまいました!
キースの傷痕を見てみると、そこには何と!機械類が点滅しているではないですか!

「キース、あなたはアンドロイドだったのね!」
「そうだ・・・俺は革命を起こすために、ダイダロスと同時に作られた、アンドロイドなんだ・・・」
「クリス、住民たちを救えるのは君しかいないんだ。メイン・コンピューターを破壊し、人々をアルファに導いてくれ!この鍵を渡す。頼む・・・・・・」
「キース!!!」

「アルファ」本編

その後、クリスはポリスロボットに捕まりましたが、釈放されました。
こうしてクリスの次の目的は「メイン・コンピューターの破壊」となったのです。

メイン・コンピューターはどこだっ・・・・・・!!

まずはメイン・コンピューターがどこにあるか、その場所を突き止める必要があるでしょう。
それに、メイン・コンピューターを破壊するには、そのための道具が必要になるでしょう。
さらに、クリスはポリスセンターを敵に回してしまいました。ポリスロボットを倒すための武器も必要になるでしょう。

まずは、これまで取らなかったアイテム類を取っていきます。
アジト跡で取らずに置いていた、例の2つのアイテムを取ります。
これらのアイテムだけでは使い物にならないので、新たなアイテムが必要になります。そう、同じくアイテムがあるのに取らなかった、ショッピングセンターに行く訳です。
するとまたポリスロボットが出てきますが、今度は捕まる必要はありません。「○○○」というコマンドを使えば、難を逃れることが出来ます。

図17 立ちはだかる3台のエレベーター

ダイダロス内をさまよっていると、3台のエレベーターが並んでいました。
このエレベーターの先に、メイン・コンピューターが・・・・・・?
床に何か赤い物が落ちていますが、とりあえず拾っておきます。

図18 浮遊するクリス、そして左手の先に何かが浮遊している・・・・・・

先ほど拾ったアイテムを使うことで、こんな場所に来ることができました。
クリスが宙にフワフワと浮いています。
画面をよーく見てみると、クリスの左手の先にも何かが浮いているようです。これはいったい何でしょうか?
この場面もまあまあ難しいと思います。
クリスがいるこの場所の名前は何でしょうか?その場所を「ミル」すると、何が浮かんでいるかが分かります。
浮かんでいる物の名前が分かっても、簡単には取れません。粘り強く、繰り返しコマンドを打てば取ることができます。

図19 遂に発見できたメイン・コンピューター

遂にメイン・コンピューターを発見することができました!
これを破壊する必要がありますが、上手くやる必要があります。
これまでに拾ったアイテムを組み合わせて使うと・・・・・・

図20 爆発するメイン・コンピューター

やった!無事にメイン・コンピューターを破壊することができました!
でも、クリスがやるべきことは、これだけではなかったのです。

謎の部屋、そして衝撃のエンディングへ・・・・・・

ダイダロス内をさまよい、時にはポリスロボットとの戦いを繰り広げるクリス。
そんなクリスの前に、謎の部屋が現れました。

図21 見るからに怪しい謎の部屋

「ここは立ち入り禁止だわ。一般の人々が入れないように、ドアがロックされている。」
とりあえず持っているアイテムを使ってみましょう。
すると突然、合成された声が響きました。
「パスワードを入力せよ」
・・・・・・は?パスワード・・・・・・?
そんなもの、今までどこにも出てきませんでしたよね?
しかもこの後、何を入力しても受け付けてくれません
ひたすら、「パスワードを入力せよ」と聞かれ続けます。
このため、セーブしたところからやり直すはめになります・・・・・・

図22 同じような立ち入り禁止の部屋

さらにダイダロス内をさまよっていると、先ほどと似たような部屋が出てきました。
今度こそ持っているアイテムでどうにかなるかな・・・・・・

図23 こっちのドアは開いたぞ!

やったー!開いたぞ!
喜び勇んで中に入ってみると・・・・・・

図24 レーダースクリーンを見るクリス、そこには何と・・・・・・

そこはダイダロスのレーダー室でした。
大きなレーダースクリーンがあるので見てみると・・・・・・
そこには衝撃の事実が示されていました。
この事実に、当時の私は大変驚きました。
しかし、ここで驚いたまま部屋を出てはいけません。ある物を見落としていると、本作をクリアできないからです。

そして入れなかった例の謎の部屋に戻って来ました。
あるアイテムを使い、あることをすると・・・・・・

図25 今度こそ開いた謎の部屋

やりました!謎の部屋のドアを開けることができました!!
中に入ってみるとそこは・・・・・・

図26 ダイダロスのコントロールブリッジ

そこはダイダロスのコントロールブリッジでした。
すると突然、ブリッジに声が響き渡りました!
録音されていたテープが回ったようです。
そこでプレイヤーは、再度衝撃の事実を知らされることになります。
当時少年だった私は、この事実に非常に驚きました。少なくとも当時の私には、全く予想もつかなかった事実が告げられたからです。
ここからゲームは感動のエンディングを迎えますが、詳細はプレイ動画をご覧ください。

おわりに

いかがでしたでしょうか?
前述しました通り、この「アルファ」という作品は、私にハードSFの魅力を教えてくれた、とても思い出深いゲームです。

80年代当時は、SFそのものがブームになっていました。SFを題材とした、映画、アニメ、漫画などがかなり出回っていました。
このため、当時の私はそれなりにSFの影響を受けてはいました。
しかし、より内容が進んだ、ハードSF的なテーマに触れるきっかけになった作品は、この「アルファ」など、SFを題材としたアドベンチャーゲームだったのです。

その後も私はSFを題材としたAVGを解くことになりますが、やはり他ジャンルのAVGよりも強い魅力を感じました。
それはやはり、SFならではの壮大で深淵なスケール、それを通じて描かれる人間の本質といったテーマに惹かれたからだと思います。

こんな感じで、またゲームに関する記事を書けたらと思います。
以上、「なり」がお届けしました!

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