ナリカワコウト

Kyoto → Sapporo Anthropology

ナリカワコウト

Kyoto → Sapporo Anthropology

マガジン

  • Jiko-Shokai

    はじめてナリカワのページに来てくださるみなさまへ。(2023/12/01)

  • 思索集

    最も感情的に、観想的に、鑑賞的に感傷をふりかえります。

  • ノンジャンル

    テキトーに思ったことを書き散らしているものを集めています。

  • 来た、見た、やった。

    等身大でいろいろ書きます

最近の記事

  • 固定された記事

フィールドへの道

 気づけば4月になりましたね。本州は花粉がヤバいヤバいので逃げてきました。今月はそれほど多忙でもない(予定な)ので、積み本でも消化しようと。あとは、今年のフィールドワークを見据えて人類学の勉強を本格的に進めようかなと思ってみたり。  ただ、昨年度まったく思うように研究らしいことができなかったため、人類学に注力すべきかはたまた他のところに浮気して視座を増やすか、なかなか模索中です。自分がこの分野に向いているのかも、おいおい考えねばなりませんね。 フィールドノート  人類学を

    • 人類学者に超越性はあるのか

       半分メモみたいな文章なので、まとまりがありませんが許してクレメンス。今ウィラースレフの『ソウル・ハンターズ』を読んでいて、間もなく終わりというところなのですがどうも考えるべきことがありました。今日はそれをアイデアの種としてまとめておきます。  今回気になった箇所は以下です。気になる論点としては大きく2つ。 ① 世界を間接的に捉えている我々について ② 一歩抜け出した視座で各文化を俯瞰することはできるのか まずは『ソウル・ハンターズ』の該当箇所を引用しておきましょう。

      • 好奇心とI/Oモジュール

         教養には、勉強や経験というエサが必要です。いっぽうで、好奇心を抱くことにはエサが必要とはあまり思われません。それは興味関心というものが「湧く」ものだったり、「覚える」ものだったりと、自発的な表現と親和するためでもあるかと思います。しかし、基礎知識や作法も分からぬところへ突如湧き出づる好奇心というのがあるのだろうか、とふと考えます。そうすると、こちらこそあまりメジャーとは言えないことに気づかされます。したがって、「なぜ?」「どうして?」を明確に持つためにも最低限の学びは要るわ

        • 【他行為②】自分の中で反射する態

           おはようございます。7月に突入しましたが、北のはずれでは依然三寒四温…いや、それはさすがに言いすぎか。一寒二温一暑くらいですかね。忙しいはずなのにそれにイマイチ気づけていない、そんなVia Dolorosaに立たされそうな今日この頃です。  前回(【他行為①】「する」の否定では表せない「しない」について|ナリカワコウト (note.com))の続きです。 ミリしらのための中動態  前回何も考えずに「声をかけようとしてやめるという中動態的な行動」と述べましたが、なんで中動

        • 固定された記事

        フィールドへの道

        マガジン

        • Jiko-Shokai
          6本
        • 思索集
          2本
        • ノンジャンル
          10本
        • 来た、見た、やった。
          2本

        記事

          【他行為①】「する」の否定では表せない「しない」について

           おはようございます。最近は曇りがちで憂鬱にもなったりしますね。用事がないとついつい昼前に起きて、さして何も食べず家でダラダラと過ごしてしまいます。まあそれはそれで精神休養の大事な時間なのでしょうが、無性に空っぽさを感じてやまない。「今日は何も成していない」「この時間に何かもっと充実したことができたのではないか」といった怠りに襲われてしまうためです。  ここで生じるのが「他行為可能性」の問題です。「他行為可能性」は私が最近頻繁に考えるネタで、今回の問題も通じているのではないか

          【他行為①】「する」の否定では表せない「しない」について

          【大学いるうちにやっとかなあかんことメモ2】お金稼いでたらエラいんですか?

           前回(【大学いるうちにやっとかなあかんことメモ1】良い大学で良い授業受けてたら「学んだ」ことになるんですか?|ナリカワコウト (note.com))の続きです。  記事編集を始めると、「読んだ本の感想をnoteにかいてみませんか?」とありますね。いや、なんでデフォルトでそんなキラーパスしてんねん笑。そんなジャンジャン書評できるわけないやろ。  まあそれはさておき、またずいぶん挑戦的なタイトルです。はじめに誤解を解いておくと、お金を稼げる人はエラいです。間違いありません。し

          【大学いるうちにやっとかなあかんことメモ2】お金稼いでたらエラいんですか?

          【備忘録】先生との対談について①(2024/4/25)

          「なあ、辞めとこって!何も決まってないのに相談行っても恥かくだけやって!」 「いいや、何も決まっていないからこそ相談に行くんだ。恐れることは何ひとつない。」 「でも…」 「ほら、行こう!」 「いやいやいや、だって、教授も忙しいやんか」 「それはそうだけれど、僕らの相談を受けるのも先生の仕事さ」 「いやぁ、でも、そんな急ぎの用じゃないし…。それに、顔は知られてるかな、くらいの関係やし…」  一方の男は完全に及び腰である。他方、もうひとりの男は勇んでいる。"教授"なる者はそれほ

          【備忘録】先生との対談について①(2024/4/25)

          【大学いるうちにやっとかなあかんことメモ1】良い大学で良い授業受けてたら「学んだ」ことになるんですか?

           おはようございます。大学生です。より正確には3回生です。  なんだか逆張りみたいなタイトルで始まりましたが、今回の要旨はコレ☝☝☝です。なお、私は文学部の人間なので、ほかの学部、あるいはほかの大学の事情は分かりません。また、実体験のみを参考としているので偏見も誤解もあるかもしれませんが、ご愛嬌。 第1の錯誤 「勉強する」と「学ぶ」 準備運動としての単位  さて、わが身を省みると、卒業に必要な単位はもう取り終えましたが、卒業に必要な教養はまだ2割くらいだと思います。ヤバ

          【大学いるうちにやっとかなあかんことメモ1】良い大学で良い授業受けてたら「学んだ」ことになるんですか?

          フィールドへの道 その2

           おはようございます。フィールドへの道|ナリカワコウト (note.com)の続きです。別に続ける気はなかったのですが、昨日の気づきをふまえて文章を残すとすればこの続きに置かれるのが最も相応しいように思われるのです。  ということで、前回を読んでおられない諸賢もぜひお手柔らかに。 日記って、意味ある?  私は、フィールドノート、より広く言えば日記が書けません。そしてその理由が①メンドくさがりだから、②言語化がムズいからの2点ではないかと以前説明しましたが、それが少し不正確

          フィールドへの道 その2

          「でも」の後で

           でも、やっぱりあのブーツを買おうかなぁ…。こんなひとり問答をしばしばする。これは「でも」を鎹にしてその前と後とが明確に対比されている(このことについては少女熟成中...1|ナリカワコウト (note.com)でも言及していますが)。いわゆる「逆接」のディスコースマーカーと呼ばれるヤツだが、ご存知の通り逆接の後に来る方が大事というパターンがほとんどだと思う。「アイツは良いやつだ。でも金勘定にウルサいんだよな。」「アイツは金勘定にウルサいんだよ。でも、良いやつだ。」ではまったく

          「でも」の後で

          晦渋の怪獣②

           がおー。意図せず連休が訪れているのですが、ダラダラしちゃってどうも…。まあとりあえず、続きです(前回はココから → 晦渋の怪獣①|ナリカワコウト (note.com))。  念のためですが、晦渋は「かいじゅう」と読みます。なんで「がおー」と言っているのか、伝わっていない人がいたらしいので補足です。 文学から日常へのきざはし  『文学形式の哲学 ー象徴的行動の研究』というケネス・バークの著作があります。2年ほど前に、何故だか覚えていませんが半分ほど読みました。これはなか

          はじめて図書リクエストをした話

           本って大事ですよね。蔡倫あたりの時代に紙(神)が登場して、それ以降「情報が多い・軽い・小さい(運びやすい)」の三拍子がそろった神ってるメディアとして爆誕した本。こんな叡智が所狭しと並んでいるのが図書館という魔窟です。  さて、そんな図書館ですが、あまりに本が多いのでたいがいのネタは網羅されていますね。だから「こーゆー本が読みたい」と思っても数十冊ヒットする。さらに恐ろしいのは司書さんという番人。フワッとしたテーマをぶつけるだけで無限に近いデータを吐き出してくるオバケです。

          はじめて図書リクエストをした話

          少女熟成中...1

           おはようございます。みなさん積読してますか?私は何十冊かしています。実家に帰ると何百冊かしています。  そのなかには当然「読まねば」というものもたくさんありますが、もはや骨董のようになっているものもあります。ただいずれにせよ「捨てていない」という事実もあるわけで、結局何かしらの意味があると信じているからこそ残っているのでしょう。  先日ゆる言語学ラジオの水野さんが「積読は発酵する」みたいなことをおっしゃっていたの(引用かも?)ですが、きっと私もそんな思想にふかく共感できる積

          少女熟成中...1

          【え?※○△って言った?】聞き間違いと構造

           おはようございます。最近どうも自分が濫文家?長筆家?呼び方分からんけどとりあえずなんか文章いっぱい書いちゃう人間だなぁと思っています。いつも目指した字数のだいたい3-4倍の分量になるので、出来るだけちょっとのことを丁寧に書くくらいの方が良いんだと思います。論点が散らからないので。ということで、引き締め政策がんばっていきましょう。 こう※○△主義  今朝の講義でICT教材と問題解決における行動主義について説明がありました。なんですが、どうにも「構造」主義に聞こえてならない

          【え?※○△って言った?】聞き間違いと構造

          晦渋の怪獣①

           がおー。アホみたいなダジャレができました。下世話なものはダジャレ、高尚なものは掛詞です。  おはようございます、ナリカワです。がんばって文章を書こうと思えど、良いトピックなどそう見つかるものでもなし。正直、日記みたいなよしなしごとなので意味のないことをわめくだけで良いのですが、やはり世間の目につかぬとも限らないのでそれなりに中身のあることを言いたいよなという恥じらいが邪魔をしています。  ですが、ふとこれまで出した文章をふり返ったとき、どれもこれも満足のゆくものというわけも

          厚顔「無知」であること

           自分が教養深いと思うことは普段ない。ただし、とくべつ無教養であると思うことも、ない。歌舞伎は年に1.2度。読書量は人並か僅かに多いくらい。  人類を教養レベルで輪切りにしたとき、だいたい真ん中のへんだろうという根拠のない憶測だけがある。少しがんばっても真ん中、少し怠けても真ん中。だからこそこれまで真摯に取り組む機会を逸してきた。またそれゆえ、ある種の恥じらいのようなものもふと頭をもたげたりする。「自分の浅学っぷりを明らかにしてしまうにちがいない」と専門家やマニアとの会話を避

          厚顔「無知」であること