迷惑
「人様には迷惑をかけずに生きなさい」
母の口癖だった。
小学生ながらに人には迷惑をかけてはいけないんだと考えるようになった。でも、よく先生にも怒られたし友達にも助けてもらったから迷惑かけちゃってたんだろうな。
中学生でもよく先生に怒られた。
高校生なんか友達がいないと何にも出来なかった。
大学に至っては誰かに依存しないと恐怖すら感じていた。
去年から社会に出て働きだした。先輩や上司には迷惑をかけっぱなしだから本当に申し訳ない。
「あれ?」
ふと思い返して声に出てしまった。
自分は人に迷惑をかけなければ生きていけないという事実にぶち当たった。そして、その真実に抗えない。
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