2019お仕事振り返り
年の瀬なので今年の振り返り(仕事編)を書いてみる。
未来の銀座の運動会
1月。昨年12月から引き続き「未来の銀座の運動会」がGinza Sony Parkで開催されていた。
元日しか休まず毎日運動会を開催し続けてくれたスタッフのみなさまには本当に敬服。。
テクノロジーへの理解と興味関心、使いこなそうとする意欲が深く、お客さんの体験を第一に捉えながらも製作陣含めみんなが幸せになるような采配をするバランス感覚が素晴らしく、やりとりの心地よい制作だった。またぜひ一緒に何かやりたい方々。
会期中の1/13にはスポーツハッカソンが開催された。
モーキャプグラウンドという環境を使って参加者が新しい競技を考案し、みんなで遊んでみるというイベント。ちなみに娘の誕生日だった(2歳)。
生まれた新種目3つ(IoT鬼ごっこ、色ぬりガードアタック、二人三脚deごザル(茶の葉キャッチ))は、翌日のオープン時にはモーキャプグラウンドで遊べるようなんとか実装できた。なかなかエクストリームな体験だった。。
ほんとに全てがポジティブで実験的で楽しくて、語りたいことが尽きないイベントだったが長くなるのでこのへんにしとく。
岩谷担当箇所は以下。
- スポーツタイムマシンアップデートとそれにかかるR&D
- モーキャプグラウンドの開発
- 選手登録システムの設計
- 運動会エンジニアとしてハッカソンの運営補佐と種目実装
- (これは今回の制作じゃないけど)階下でやってたパラレルアイズの実装
未来の銀座の運動会
主催:Ginza Sony Park
協力:一般社団法人運動会協会、スポーツタイムマシン実行委員会
研究開発:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]/Ginza Sony Park
開発協力:岩谷成晃(anno lab)、船津文弥(anno lab)、吉田めぐみ(anno lab)、
清水基(backspacetokyo)、ケザドリ
空間デザイン:安藤僚子(デザインムジカ)、赤間萌美(デザインムジカ)
映像技術・機器設営:小林智士(イズミ設計)
グラフィックデザイン:畑ユリエ
イラストレーション:中小企業/中山信一(イラスト)、小山秀一郎(アートディレクション)
記録撮影:山中慎太郎(Qsyum!)、小荒井寛達(Qsyum!)
スポーツタイムマシン監修:犬飼博士(運動会協会)
モーキャプグラウンド構築:大脇理智(YCAM)
ラジオ体操クリエイション」大脇理智(YCAM)
作曲/サウンドデザイン:中上淳二(YCAM)
制作:石川琢也、金子春香(YCAM)
制作/コーディネーション:朴鈴子(YCAMスポーツ・リサーチ プロジェクトパートナー)
ディレクション:菅沼聖(YCAM)
コンセプト/ディレクション:西翼(YCAMスポーツ・リサーチ 外部ディレクター/運動会協会)
1月のそれ以降と2月はほぼせっせと仕込み&秘密の案件の制作。
未来の福岡の運動会
3/16〜18に第一回未来の福岡の運動会(開催レポート)を開催。
頭の中の理想を実現することの難しさ(資金・スケジュール・チーム内での理念の共有・参加者へのファシリテーションなどなど)を痛感した。コンピューター相手って楽だったんだな・・・。
岩谷担当箇所は・・・
- テックワークショップ開催
- 技術監督
- YCAMボールカウントシステム
当日の様子はTogetterがよいかも
[主催]
九州大学未来デザイン学センター
九州大学大学院芸術工学研究院
[共催]
一般社団法人 運動会協会
香蘭女子短期大学
[協力]
株式会社annolab
ピノー株式会社
FASTAS
福岡県
[後援]
福岡市
公益財団法⼈福岡市スポーツ協会
KOSEN - スポーツ
そしてその直後、山口県の宇部高専で高専スポーツという試みが始まるにあたって、スポーツ共創のプロトタイピングのためのツール(スマホの各種センサーの値をTouchDesignerで受け取れるもの)を開発しました。
ツール自体の機能はとてもベーシックなのもので、これをとっかかりにどんどんツールを開発していってもらえたら嬉しい。
三次もののけミュージアム
4月。広島県三次市の「三次もののけミュージアム」(4/26開館)の展示室入って最初のインタラクティブコンテンツの制作。
岩谷担当箇所は百鬼夜行絵巻の制作。
この案件をもとに生まれた(のちにaddon化した)OF addonはこちら。
一連のアニメーション素材に対して、ループ範囲やジャンプ先の指定、アニメーションに連動して音声ファイルを再生するなどの操作をラップしたもの。案件時はそれらの設定を外部ファイル(JSON)で指定するようにしており、データとロジックの分離を計った。
福岡市科学館の発見の壁や福岡市動植物園のいきものマップでも同じようなことをしていたので、満を持してaddon化、という心持ち。これ以降も多用している。
なお、プロジェクション対象が巻物の形状だったので、メッシュワープをするためのofxMeshWarpも使っている。
プロジェクション案件があるたびにエッジブレンディングの機能を使いまわしているので、こちらも時間を見つけてaddon化しておきたい。。
タッチ検出には日立LGデータストレージのHLS-LFOM1を使用。提供していただいたタッチ検出のサンプルアプリが良い出来だったのでそのまま使わせていただいた。ありがとうございます!
日常のとなり(anno lab展)
そしていよいよ、過去最大にやりたいことをやりたいようにやった(やらせていただいた)、通称ラボ展こと日常のとなりが開催された。
思い入れは強くて書きたいことはたくさんあるが、全国巡回展やりたい!ということだけ書いておく。
(内容については会期終了後にでもまた書きたい)
とのこと。。。
岩谷担当箇所は以下。
- ほぼ全コンテンツの企画(これはみんなでやった)
- 王座(Champion Sit)の実装手伝い
- えあわせ本棚の原案
- タンスタンスレボリューションのシステム設計と実装
主催:三菱地所、三菱地所アルティアム、西日本新聞社
後援:福岡市、(公財)福岡市文化芸術振興財団
企画・制作:anno lab(あのラボ)
協力:福岡市科学館、福岡市動植物園
製作協力:am21、ストロベリーメディアアーツ
YCAMスポーツハッカソン2019と未来の山口の運動会
そして5月のGWに開催された第4回未来の山口の運動会。第2回から呼んでもらえて毎回超楽しんでる。
第3回のときにこんな記事を書いた。
運動会当日や運動会ツールを作るにあたってのエンジニア目線での心構えについてもそのうち書きたい。
とのこと。。。
とにかくこのハッカソンには時間がない。というか、時間を全てデベロップレイ(あそびながらつくる)に使って欲しいので、僕が時間を食わないようにしたい。毎度のことながらスピーディーでスリリングなハッカソン。
デベロップレイヤーのみなさんと運動会参加者のみなさん、そしてスタッフみなさんのおかげで今回も楽しい競技がたくさん生まれました。
主催:山口市、公益財団法人山口市文化振興財団
後援:山口市教育委員会
協力:一般社団法人運動会協会
共同開発:YCAM InterLab
企画制作:山口情報芸術センター[YCAM]
余談ですがYCAMの関係者プロフィールページに載せていただいています。
学生時代にYCAMいいところだなーって思っていた僕としては密かに超嬉しいことなのです。最近のプロジェクト載ってないけど、その後もいろいろご一緒させていただいています。
それからしばらくまたせっせと仕込み期間・・・。
この期間にofxNNG作り始めてますね。具体的に使う予定なく、興味だけで作り始めたんですが最近になってやっと使い始めた。
ボッチャルーラー
この時期に仕込んでたもののひとつがこのボッチャルーラー。12月の第21回日本ボッチャ選手権大会でも使用した。
このプロジェクトに参加して初めてボッチャを知ったけど、最近一気に知名度が上がってるような気がする。
非常に乱暴に説明してしまうとボッチャとは、いかに的の近くにボールを置くかを競う競技なのだが、特徴的なのはその的(ジャックボール)自体もボールだということで、投げ入れたボールがぶつかれば当然動く。
ただジャックボールの近くに投げれば勝てるかというとそうではなく、ジャックボールを投げ入れる位置はもちろん、それが今後どう動くかの先読みも不可欠な戦略要素になっており、見れば見るほど面白い競技。やりたい。
そして我々が作っているボッチャルーラーとは、フィールドの様子を3DCGで再現して会場ビジョンに出力したりスマートフォンのブラウザで見られるようにするもので、色々な角度からフィールドを眺めることによって、選手の頭の中にある戦略を想像したり、自分ならこうすると考えたりという体験を創り上げることで、観戦をより一層面白くするというシステムです。
ブラウザ版のビジュアライザにはthree.jsを使用。ほぼ初めて触ってるけど特に迷うことなくサクサク使えてます。
岩谷担当箇所は・・・
- デスクトップ版ビジュアライザ
- ブラウザ版ビジュアライザ
- 各ビジュアライザに試合の情報を逐一送るオペレーターアプリ
ちなみにこの案件の制作過程でofxMeshShapeが生まれた。
GLで引ける線はLineWidthの制約を受けるので、ラインをメッシュで描きたいというのが主な動機。ついでに、線だけじゃなくいろんな形がかけるようにしてる。
主にボッチャのフィールドを描くのに使用している。
遊べる!デジタルアート展2019
7月末。毎年開催している「遊べる!デジタルアート展2019」にラボ展で制作したタンスタンスレボリューションを展示。
夏休みの子供向け展示ということもあり、例年連日お客さんが満員。僕が制作時にハード面もソフト面も頑強さを求めるようになったのはこのイベントのおかげなところが大きい。
EXA KIDS2019
8/8に開催されたEXA KIDSには、実行委員会の一人として、技術部部長(他部員なし)で去年に引き続き運営に参加。
当日はメインホールで映像と音響のオペレーションやってました。
簡単にいってしまうと小・中学生が主役のIT甲子園みたいなもので、メインのプログラミングコンテストの他、ドローンレース、ロボットバトル、セキュリティコンテスト、eスポーツの計5種目が開催された。
僕はプログラミング教育には携わっていないけど、大学の後輩でありプログラミング教室ITeens LabのCEOである古林くんに誘ってもらって参加している。とはいえもちろん自分でもそれなりに使命感というかモチベーションを持っている。
勉強とスポーツだけが王道じゃないですよね。
将棋でもそろばんでもプログラミングでも、なんでもいいはずなんです。
好きなことをやり続けることがたった一つの王道なんだってみんなが自信を持って続けられるような社会にしていきたいですよね。
SFPC 2019 in Yamaguchi
9月。SFPC(School for Poetic Computation) 2019 in Yamaguchiに参加してきた。
「ギフトとしてのテクノロジー」をテーマに、Poetic Computation(詩的な計算)の実践者とともに考え抜く8日間のワークショッププログラム。
何回連載になるかわからないし、書き終わるかもわからない(まだ書いてないので)が、僕がこの8日間のプログラムで得たものを残せるよう、書き残してみようと思っている。
とのこと。。。
wow, see you in the next life. /過去と未来、不確かな情報についての考察
10月。contact Gonzo+YCAMバイオ・リサーチの展示の一部を担当。担当箇所はDNAデータビジュアリゼーション。
1/19まで開催しているのでまだの方はぜひ。
Tokyo Pop Underground
11月にニューヨークで開催されたTokyo Pop Undergroundに出展された、「あのこのいる場所を探して (2012 ver.)」(谷口真人)のシステム制作。
実は真人くんはいとこ。制作に関われるのは嬉しいし、今後もやっていきたい。
Hyuga New Waves
11月。ランハンシャさんからお声がけいただき、宮崎県日向市駅前のプロジェクションマッピングイベント案件に参加。来場者参加型のインタラクティブプロジェクションマッピングゲームを制作した。
ほぼ全てをTouchDesignerで制作(センサー駆動部分のみOF)した。TDだとゲームロジックとかステート管理とか辛いかもなーと思っていたらやっぱり辛かったけど、なんとかなったので今後もやっていく。
制作過程で生まれたTDの小ネタ集はここで公開している。
「Hyuga New Waves」
会場:宮崎県日向市 日向市駅前交流広場「ひむかの杜」・木もれ日ステージ
開催期間:2019年11月30日(土)~12月8日(日)
上映時間:18:00~21:00
主催:株式会社ケーブルメディアワイワイ
企画プロデュース:株式会社タイトー
その他今年作ったものや紹介したいもの
OFでコマンドラインツール的なインターフェースが欲しくて作った
OFでPDFを読める、商用可能なライブラリが欲しくて作った
Tweenしたいのはfloatだけじゃないので作った。vectorとかmatrixとかcolorとかがtweenできる。最近カメラのOrbit補間的なものを作ったので紹介したい。
OFでNDIを使いたくて作った。(作った当初はiPhoneでビデオを受信したかったのだけどSDKで未対応・・・。)
機能は限定的だが、OFでAEコンポを再生できる。僕のaddonの中で一番starが多いので紹介したい。
OFでプロジェクションマッピングしたくて作った。実際案件でめちゃんこ活躍してる。
おわりに
ちょっと振り返るつもりがめちゃ長くなった。
今年もお世話になりました。
良いお年を!
サポートしていただけたら、書く勢いになります!