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英語で直訳すると死んだ猫「Dead cat」3つの意味

マイクに入る風の音を防ぐ道具の名前を忘れた。もじゃもじゃの毛のやつだ。
なぜ忘れた、、というほど答えは簡単でそのまんま「風防」だが、そこに辿り着く前に「死んだ猫」という呼び方をまず思い出した。

風防は英語でWind screenだが、俗に「Dead cat」とも言う。Wind screenと画像検索すると主に車のフロントガラスが表示されてしまう。とはいえ「Dead cat」も直接検索すべきではないが、「Dead cat mic」と検索すれば、マイクのもじゃもじゃ風防が100%表示される。

YouTubeで海外の人のカメラ関連の動画を見ていると、ほとんどの人が風防のことを「Dead cat」と言っている印象だ。それを中途半端に日本語に直訳したものだけを記憶していた結果、「死んだ猫」を一番最初に思い出したのだろう。

「Dead cat」を英語から日本語へ直訳したであろう中国系通販サイト

もし「Dead cat」の意味を知らぬまま、海外でカメラのアシスタントのバイトをした時、カメラの準備中にディレクターに「死んだ猫を付けといて(Put a dead cat)」とでも言われたら、「デデデデ、デッドキャット?」と聞き返すことは必至。周りにタイミング良く猫が歩いていたら尚更。

どうやら風防のサイズによって、「Dead cat」か「Dead kitten」と区別することもあるらしい。kittenは子猫だ。ただkittenバージョンはぼくは聞いたことがないし、そこまでちゃんと区別するのは気持ちがわるい印象を受ける。


さて、「Dead cat」には風防の他にも違う使われ方があるようだ。2つともイメージがしやすく、使える状況があると思うので紹介したい。

1つは、Dead cat bounce(デッド・キャット・バウンス)という証券用語。これは株価大幅下落後の一時的な小幅回復のことで、「高いところから落とせば、死んだ猫でも跳ね返る」様子から作られた言葉だ。なんともなぜかイメージできてしまう分かりやすい言い回しである。しかし、そもそも「死んだ猫」でも字面は十分きついが、それを高いところから実際に落として弾んだ出来事になぞらえたであろう昔の人が中々に怖い。2023年にこの言い回しを思いついたとしても、時代が受け入れずに広まらないだろう。

もう1つは、Dead cat strategyという政治戦略。これは政治家が何かスキャンダルや不祥事でメディアに騒がれている時、故意的に関係ないショッキングな出来事を起こして、メディアから注意の目を反らす戦略だ。
なぜ「Dead cat」が使われているかというと、前イギリス首相のボリスジョンソンがロンドン市長だった時に、The Telegraphのコラムで執筆した内容が出処らしく、”何か問題を抱えているときに、死んだ猫をテーブルに放り投げれば、人々はそのショッキングなことについて話し始めて、本来の問題については話さなくなる”、といった趣旨が書いてある。自国であろうと他国であろうと、何かしら思い当たる節がある人は多いだろう。
問題について触れられたくない場合は、別の問題を作り出す。または、共通敵を作り出してそこに目を向けさせる、といった言い回しも同じカテゴリーだろうか。
政治に限らず、人によっては日常生活にすら落とし込める戦略かもしれない。

小泉成文


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小泉成文
大好きな横浜名物シウマイ弁当を食べる時、人生であと何回食べられるんだろう。。と考えます