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銀座エリア画廊巡り2(東京都中央区・銀座駅周辺)

銀座を訪れる用が連続であったため、前回の訪問時に会期が合わずに見合わせたギャラリーを中心にして訪れることに。

・ギャラリー美庵
古川幹広による作品展が開催。繊細な静物画をアクリルでまるで実写のように描いている。実際には当日の午後に画家本人が来訪予定だったそうだけれど残念ながら時間が合わず断念。アクリル画でここまで精緻な絵が描けることに驚く。高校生の頃に描いた左手のドローイングもある。現在の作品にはシュールレアリスムへのアプローチも感じさせる。トイレは無し。

・ノエビアギャラリー
ノエビア化粧品が主催している銀座のギャラリーである。今回は写真家の土門拳が撮った藤田嗣治についての展覧会。撮影は不可。左手の薬指に指輪の刺青を施すなどエキセントリックな藤田嗣治のキャンバスに向かう姿や日常を写真に収めている。やっぱり猫が好き。なんでも、猫と女は同じもの、という藤田の持論があったらしい。藤田のアトリエに通い詰めた土門との交流が微笑ましい。トイレはなし。

・ギャルリーためなが
銀座でも50年以上の歴史を誇る画廊で、東京のほかに大阪、京都、パリにギャラリーがあり展開されている。今回は常設展が行われており、国内外の取り扱い画家の作品が展示されている。中でも菅原健彦『春爛漫』(桜の木の質感を見事に表現している)や吉川民仁『花筏』(所々に配置される絵の具の塊が印象的)が好き。ほかにもシャガールやユトリロ、ブラックの作品もある。個人的には智内兄助の作品をここでも見られて至福。トイレはなし。

春爛漫
花筏


・和光ホール
銀座の象徴である時計台がある和光ビル。6階のホールでは今回は人間国宝展が開催されている。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形の工芸分野における39人の人間国宝が作った作品。工芸の妙をゼロ距離で見ることができる貴重な展示会。もちろん高額。個人的に好みな奥山峰石の金工作品もある。撮影はできない。トイレはウォシュレット式。

・ソニーイメージングギャラリー
和光ビルの交差点向かいにあるのが特徴的な外観の銀座プレイス。日産のショールームもある。3階から上にソニーストアがあり、6階にギャラリーがある。今回は写真家である横島清二の作品展。写真展ながら撮影できる。趣味のオートバイにまたがって、さまざまな場所を旅しながら切り取った日常の風景。走行中のバイクから撮られたスピード感ある写真はどうやって撮ったのだろう。停止中の写真や事故で破損したバイクなどもある。トイレはウォシュレット式。

・GINZA SIX
銀座の中心にある商業ビル。おしゃれの中心地である。時期ごとに展示内容が変わる中央の吹き抜けでは現在は名和晃平のインスタレーション作品が出迎えている。変容の庭と名づけられた作品は、雲のような島々とそこに佇む鹿が印象的。

6階にある蔦屋書店では塩田千春とイケムラレイコによる現代美術の巨星2人による共同作品が展示されている。塩田千春といえば巨大な糸のインスタレーションが印象的で、今回も展示室の半分近くを占めている。蔦屋書店は店内も多くの展示コーナーが設けられており、ギャラリーの中を歩きながら本を読む、というような感覚になる。アート本好きにはたまらない空間。トイレはウォシュレット式。

・ギャラリーゴトウ
銀座から京橋方面へと歩みを進める。雑居ビルの上にあるのがギャラリーゴトウで、今回は山中現による展覧会で、出版された書籍の中の一部を展示している。内容は谷川俊太郎の詩に触発されて描いたという絵で、作品によっては谷川俊太郎の詩が横に添えられている。谷川俊太郎の詩には具体的な表現も多いが、抽象的な作品も多く、それらをどう絵画にしたのかが興味深い。もちろん詩と絵画の親和性を感じ取るのが良いのはもちろん、タイトル当てなどしてもみるのも別の楽しみ方。トイレはなし。

閉会ギリギリだった展覧会を含め全体的に1〜2週間の会期なのでチャンスを逃すまいと訪問したものが多かった。
なお、5月には「画廊の夜会」と称して多くの画廊が夜間も開廊しているイベントもあるのでチェックしておきたいもの。


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