東京オペラシティアートギャラリー(東京都新宿区・初台駅/宇野亞喜良展)※終了
東京オペラシティアートギャラリーでは企画展として宇野亞喜良の個展を開催。90歳を超えてなおバイタリティあふれた活動をするデザイナーである宇野亞喜良のこれまでの軌跡を辿る展覧会ということで注目度が高く、入場待ちの行列ができるほど。国内外いろいろな人に注目されている展示ということで会場もかなりの人であふれている。
宇野亞喜良のキャリアはまず広告デザイナーから始まる。たばこのパッケージや企業広告のチラシなどでデザイナーとしての実績を積んできた宇野亞喜良。その後も書籍のカバーや音楽レコードにコンサートのポスター、雑誌の表紙など多岐に渡る活動の中でキャリアを構築した。少女が登場するのが特徴的で、盟友である横尾忠則からも「変態的」とまで言われている(褒め言葉)。
今回ほとんどの作品が撮影もできるということで、デザイナーを手がける人はもちろんのこと、多くの彼のファンが集まり所々で写真に収めるという動きも見受けられる。それだけ後身にとっても重要な人物であることが窺える。展示室の中でとにかく目を引くのは中盤になってから、手がけたポスターが壁一面に残されているという展示だろうか。その他にも舞台を見据えた展示など、割と大版の作品が目立つのも印象深い。
知る人ぞ知る、というか、玄人好みというか。宇野亞喜良のデザインはお得にアーティストによって多くのフォロワーを産みだしているのも一つの特徴。ミュージシャンズ・ミュージシャンみたいな、アーティストからの評価が高いアーティストとして、多くのジャケットデザインなども手がけている。椎名林檎にSHAKALABBITSにBUCK-TICKと、ジャンルを問わずにフォロワーが多いのも宇野亞喜良の作風の多彩さを証明しているかもしれない。
宇野亞喜良の企画展に連動して、上の階では東京オペラシティのコレクション展の一環として難波田史男の作品展を展示する、というのも何気にポイントが高い。今年に企画される展覧会の中でも特に注目すべき展覧会の一つと言える。宇野亞喜良の作風に酔いしれ、難波田史男の作品に撃沈する。そこまでがセットといっても過言ではない。トイレはウォシュレット式。