オランダ大使館(東京都港区・神谷町駅)
都内に点在する駐日大使館、その多くは当然ながら一般向けに公開されている施設ではないけれど、こちらのオランダ大使館は年に一度だけ、チューリップガーデンを公開するイベントを開催している。その際には大使公邸も開かれ内部に入ることができる。以前に大使館へ行ったことはあったものの大使公邸は未訪問だったので満を持して訪問することに。イベントは予約制になっており瞬く間に完売という注目度の高さ。
大使館へ入る際の通常門ではなく、その横にある通用門からが今回の入場口となっている。大使公邸の前にある車寄せのエリアからすでにチューリップがお出迎え。さまざまな種類のチューリップが配されている。大使公邸の玄関にはオランダ国王夫妻の写真が飾られ、またオランダ船の通行を許可する徳川家康の朱印状も残されており、江戸時代、鎖国にさしかかる時代にも交流があった両国の縁がわかる。
玄関ホールの真正面にはオランダを代表する画家であるゴッホ『ひまわり』(複製)が鎮座しており、また別の部屋にも(名前はわからないけれど)多くの絵が飾られている。階段ホールから見える2階(非公開)には飾りガラスが張られておりそちらも美しい。階段ホールの一角には素敵な陶器(オランダ王室の御用達であるロイヤルデルフトか)も飾られている。
部屋は執務室、サロン、音楽室、ダイニングルーム、ピアノルーム、サンルームといった見えるだけでも6部屋あり、その他にもある模様。巡っていて楽しい建物である。各部屋に配されたチューリップもさることながら、家具やシャンデリア、絨毯や床の装飾に至るまで目を引くものに溢れている。
館内を巡ったあとは庭園を一周する。まさにチューリップガーデンにふさわしく、芝生の周りには様々なチューリップが並んでいる。また木靴なんかも添えられているのが洒落ている。川を模した窪みに架かるカラフルな太鼓橋を渡って、生前オランダ大使を務めたヒューリック氏に捧げられた四阿を過ぎると、逆に庭先から大使公邸を眺めるアングルを経て出口へ。
大使公邸を巡った後は、大使館のある建物までのアプローチへと続く。道の両端にはチューリップが咲き並んでいる。プールや噴水まである大使館前庭にはオランダが生んだ国民的キャラクタであるナインチェ・プラウスことミッフィーがデン、と構える。以前に訪れた時は大使館の入口にあったのが移動されているので割と持ち運びしやすい軽さなのかもしれない。トイレはなし。