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鳩山会館(東京都文京区・江戸川橋駅)

内閣総理大臣を務めた鳩山一郎がかつて住んでいた通称「音羽御殿」を一般に公開しているのが鳩山会館である。鳩山一郎の他、数名の政治家を輩出している鳩山家、この音羽御殿を舞台にしていくつもの政治家や財政界の人物による物語が綴られたことだろう。

文京区音羽の高台、正門から続く長い坂道を2回ほど曲がった先にある大きな洋館は鳩山一郎の友人である岡田信一郎の設計による。有名なところでは上野の黒田記念館や東京藝術大学の陳列館などで知られている。随所に鳩などの鳥がモチーフにした装飾が施され、鳩山という名をふんだんに生かした設計になっている。

至る所にポロッポー

2階建ての1階から早くもその凝った装飾に目が行く。廊下にあるシャンデリアはそれ自体が鮮やかな装飾であるのに加え、天井に映る影が非常に美しい。応接間や食卓などはそのほとんどが大きな扉で仕切られていながらも自由に開閉できることから、一つの巨大な部屋としても使用できる造りになっている。1階はサンルームから庭へ出ることもできる。鳩山会館といえばバラ、と言われるほどの見どころでもあり、季節によっては多種多様なバラと洋館を味わうことができるというなんともブルジョワジーな場所である。庭には朝倉文夫の作による鳩山一郎の両親である和夫と春子夫妻の像が多くの鳩に囲まれて飾られている。

ハト夫妻

階段を上って2階へ上がる途中で目を引くのは小川三知による巨大なステンドグラス。法隆寺を模していると言われ、立体的に見えるように二重に施した装飾は国内でも指折りのステンドグラスと言われている。小川三知のステンドグラスは館内の至る所に飾られており、一つ一つ異なるデザインもまた陽射しに美しく映える。

このステンドグラスは圧巻

2階には大広間をはじめ、鳩山一郎、妻の薫、息子の威一郎それぞれの記念室が開かれている。大広間は披露宴やクリスマス会などの会合としても使われていたそうで窓からは庭を一望できる。一郎の記念室もまた多くの遺品が展示されている。政治家として活動していた頃の物も多いが中でも注目したいのは妻の薫へ宛てた523通ものラブレター。死んでからラブレターが公開されてしまうのは有名人の宿命なのだろうか。薫の記念室は一転して和室になっており、香が芳しい室内には卒業証書や和服などが残されているほか、一郎の母である春子が共立学園の創設者であった関係もあって、薫本人は共立学園の園長を務めている。威一郎の記念室では趣味のカメラなど遺品が残されている。

2階の各部屋も見応えがある

博物館にはほとんど訪問者がいないのに対して、こういった邸宅には多くの人が集まってくる。この違いはなんだろう。やっぱり建物を見たいからなのだろうか。トイレはウォシュレット式。

ブルジョワジーである

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