奥野かるた店(東京都千代田区・神保町駅/神保町ヴンダーカンマー)
神保町といえば本の街として古くから知られてきた。古本屋が軒を連ね、どんな特異なジャンルでも必ず網羅している店があるという本の街。もちろん出版社も多く存在する。また近年ではカレー屋もたくさんあることでカレー愛好家たちからの視線も熱い。奥野かるた店は神保町駅から白山通りを水道橋駅へ向かう途中にある。かるた専門店という珍しい業態の店舗2階が展示室となっている。
季節限定のイベントとして神保町ヴンダーカンマーという企画展を開催。ヴンダーカンマーという古畑任三郎臭ただよう耳慣れない言葉は「驚異の部屋」のこと。中世ヨーロッパで貴族を中心に隆盛した文化で、世界中からの珍品を集めた展示室のことで、今でいう博物館のはじまりといったところ。かの大英博物館もヴンダーカンマーが発端だとされる。古今東西から集められたアーティストにより、生物などにテーマを絞った珍品の作品を展示しつつ販売するという形態をとっている。
色々なジャンル、色々な境遇のアーティストが一堂に介して作品を展示しており、その内容はバラエティに富んでいる、というよりもテーマが生物、というところだけあってあとは作者の感性に任せる、といった感じだろうか。これは難題。これを上手に作品として昇華できている時点で(しかも素人っぽさが漂う作品はほとんどない)成功といったところだろうか。絵画に造形物、衣服に書籍など観ていて飽きない。
トイレはなし。なお、1階のかるた店ではカルタの歴史の中で貴重なレトロなカルタだったり多種多様なゲームを紹介しながら販売も行っており、こちらも観ていて飽きない。神保町ヴンダーカンマーは毎年おこなわれている展示ということで、特にアングラに興味がある人であれば行って損はない。