ギャラリーGK(東京都中央区・銀座駅)
銀座の並木通りを新橋方面へと向って行く途中、CHANELやTAGHeuerと同じ並びに不意に現れるビルの間の細道へと入って行くとすぐにあるのが創業から30年以上の歴史をもつギャラリーGKである。こちらで開催された西崎純による個展「休筆宣言」を観に訪問。画家としての活動を長いあいだ続けてきた彼女が身体的な理由によって筆を置くことになった最後の展覧会である。
奈良県に在住し主に関西地方や海外、それに東京では上野の森美術館などで個展を開いてきた西崎作品に最初にお目見えしたのは渋谷ヒカリエで開催されていた個展。そのデカダンスかつアングラ感あふれる世界観に惚れたもので、ことあるごとに東京エリアでの開催がないかとチェックしていたのだけれど、ようやくこの銀座での開催を知った時に休筆宣言とは、なんとも惜しいもの。
本人が在廊しており、銀座での個展はこちらのギャラリーをよく使っているとのこと。ギャラリーGKは関西地方の作家とのコラボレーションもよく開催しているという特色もあり、その縁があってのことかもしれない。ギャラリーのオーナーとも信頼関係で結ばれており、オーナーもまた気さくな方。ムツゴロウの愛称で知られる畑正憲が個展を開く際には毎年こちらのギャラリーを使用されるそうで、特別に絵を見せてもらう機会にも預かった。銀座に来た際には立ち寄ってみたい裏路地のギャラリーである。
・・・といった矢先に畑正憲の訃報が飛び込んできた。訪れてから1週間ほどで訪れたニュースに寂しさを禁じ得ない。ちょうど畑正憲の本も先月に読んでいたので、その巡り合わせに奇妙な縁を感じる。合掌。