知能についてのお話
「人によって、賢さはどれくらい違うのか?」
「"頭の良さ"の次元はいくつあるのか?」
「そもそも、人間の知能は何種類あるのか?」
1905年に、フランスのビネー、シモンらによって知能テストの原型が生み出された後も、知能に対する探求が行われています。
■スピアマン(1904)
人間の知能を、2因子×独自因子6種類で研究
・共通因子(一般因子:g)※general intelligence
・独自因子(特殊因子:s)
└6種類:古典、フランス語、英語、数学、音程の弁別、音楽的才能
共通因子は、古典や数学、英語、音楽の才能など、異なる領域にまたがって発揮される知能で、独自因子は、各領域個別に影響する知能です。
■サーストン(1938)
57のテストを実施し、独自因子を7因子に分類。
・空間
・知覚
・数
・言語
・記憶
・語の流暢さ
・推理
■ギルフォード(1967)
人間の能力を、120(後に160)の因子で説明。さらに3次元の立体構造モデルをとなえる。
・内容次元:図的、シンボル的、意味的、行動的など
・所産次元:単位、クラス、関係、体系、変換、含意など
・操作次元:評価、収束的思考、拡散的思考、記憶、認知など
■R.B.キャッテル(1941)
一般知能の下位概念を、2因子で構築:Gf-Gc理論
・流動性知能(Gf)
└自動的に処理できない新しい問題を解決する高度な知的操作能力。現実世界の情報に依存しない非言語的能力
└動作性IQ
・結晶性知能(Gc)
└特定の文化から得た言語の知識や情報の蓄積の幅や深さを表す能力 EX.語彙テスト
└言語性IQと同義
※流動性知能と、結晶性知能は異なる成長曲線をたどる
・Gf:20代でピークを迎えて、加齢とともに顕著に衰退
・Gc:年齢を増しても衰えない
↑
メモ:
どんな被験者を対象に、どんなテストを実施たのか追えていないので、確かなことは言えないのですが、世界中が高度経済成長の時代に突入して、大量生産・大量消費の時代になる中で、業務の階層化が起こり、単純労働で(難しい思考をしなくても)賃金を得られる時代になったことが影響しているのではないか?
20代以降も、Gfを鍛えることは可能なのではないか・・?という楢仮説
この後、ホーンとキャロルが、キャッテルの「Gf-Gb理論」を拡張し、
現在最も有力視されている「CHC理論」へと発展。
日本で一般的に使われている、ウェクスラー式知能テストも、CHC理論に基づいて改訂されております!
CHC理論の詳細は、次の記事へ!