デジタル人材ーデータサイエンス学部?
全国17大学にデータサイエンス学部・学科ができるという(日経2023.2.3)。日本にデジタル人材が足りないのは間違いないので、このような学部・学科ができるのは時宜にかなったことである。しかし、「データサイエンス」とは何だろうか、どのレベルまで「データサイエンス」を教えるのだろうか。
私のゼミは「国際社会学ゼミ」であるが、試験的に、「データサイエンス」を教えようかと思っている。三年生後期の一部を使い、「デジタル人材」育成のモデルカリキュラムを作ってみようかと考えている。イメージ的には、
社会調査の理論と実践―データの種類の理解、公開データの活用、アンケート調査の設計、記述統計と推測統計、コンピュータによるデータ分析入門
Web デザインとWebプログラミングーWeb上でよく使われるアプリケーションやプログラミング言語の紹介、Webページの作成
といった感じ。デジタル人材上級者は、プログラミング言語の修得、ネットワーク管理やAI・ディープラーニング等についての知識も必要とされるのではないかと思うが、それは私の手に余るので、そこまではやらない。
これを三年後期の半分(進み具合によっては三分の二)くらいを使って教えてみようと思う。資格につながった方が(学生の)やる気がわいてくると思うので、授業とは別に(あるいは追加課題を通じて)、「ITパスポート」の合格を目ざすことを目標にしてみようかとも考えている。
これを一学期(未満)で教えるのは大変と思われるかもしれないが、実際には、二年ゼミ~三年ゼミにかけては、社会学の基礎とともに、地元八王子市との国際協力活動や海外の開発問題の現場体験など、社会課題の体験を積ませる予定なので、「社会との接点」を踏まえてのカリキュラムということになる。また、そこでは利用可能なデータについても紹介していこうと考えている。
巷で需要のあるデジタル人材は、新商品の企画・開発や、プロジェクトの進捗管理などの、企業経営や経営判断(ビジネス)との関連に重点があるのだと思う。ただし、私のゼミのように、「社会問題の解決」に重点を置いて学んだデジタル人材がいてもいいのではないだろうか。むしろ、そのようなデジタル人材が増えてほしいというのが、教員の(密かな)願いでもある。
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