野球が大好き、今でも。その①
子供の頃ころは野球しかなかったからね。革のグローブなどなく、布団打ちの余り綿を詰め込んだ布製の大型手袋を作ってもらってた。今のワイドなグローブの姿ではなくて、手のひらをそのままの形に大きくした縦型だった。原っぱがあるとそこにやって来る誰とでも一緒に遊んだ。ほとんどが熱狂的阪神ファンで、たまに巨人ファンの子がいると寄ってたかってバカにしていた。
三宅、吉田、鎌田の見事なさばきに夢中だったわ。でも川上は確かにどんな球でも軽く打ったし、広岡の守備は美しかった。以来ずっと阪神ファンで、結婚後にいっときは甲子園に住み、仕事帰りでも、もう7回が済んでいても外野席に通ったって時もあったのだったが。もう全く見なくなった。テレビ中継も。
ある時から、私設応援団なる者たちがハバを利かせ始め、内野外野まで、リーダーを名乗る者たちが強制的に応援を強い始めた。当時はまだ警官の笛、小さな太鼓くらいだったのが、鳴り物がどんどん増えて、一斉応援が当たり前のようになって行った。それが今の姿になっている。きっと一種のお祭りで皆一緒になった振りノリが楽しいんだろうけどね。これに全く馴染めない。
投球がミットに吸い込まれる音や素振りの音、選手の吐き出すちょっとした言葉はもう全く聞こえなくなり、おっちゃんが飛ばす気の利いたヤジも届かなくなり、おっちゃんは姿を消した。テレビ中継も余計なことを興奮しすぎの金切り声で耐えられない。うっさいわ!
衛星放送でMLB中継が見られるようになって、嬉しくてしょうがない。
そこには大事な大事な野球の音がある。そんな野球が楽しい。
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