奈良さんは障害告知後、高校でどんな配慮を受けましたか?
皆さん、こんにちは。奈良里紗@世界一わかりやすい障害科学に関する情報発信をモットーに活動をしている弱視難聴の研究者です。
さて、今日のご質問は、
「奈良さんが障害告知をされた後、高校でどんな配慮を受けましたか?」
というもの。
ご質問ありがとうございます。
私も人生って驚きの連続だなーって思っているのですが、
高校2年生の1学期まで健常者といわれていた私が
夏休みの2学期には障害者に転生しちゃうんですからね。
本当、異世界転生そのものですよ。笑
ちなみに、私は異世界転生小説も大好きですよー。えっ、意外!とかいわれますが。
本題に入りますが、実際には本当にたくさんの配慮をしてもらったように思います。
・授業で配布するプリントの拡大
・試験問題のカラープリント
・体育の授業への参加(危なくないから参加したい!といって見学ではなく参加させてもらっていました)
・座席の位置の配慮(窓側前から2番目)
・カーテンを常時しめる(拡大読書器の画面が反射して見づらいため)
・拡大読書器の設置・使用
・机を4つ使用(拡大読書器用、パソコン用、文字の読み書き用、荷物用)
・試験の別室受験
・試験問題の読み上げ(ときと場合によって)
・試験問題の回答の代筆(時と場合によって)
・試験時間の延長(試験によって延長時間をかえる)
・ノートパソコンの保管(使わないときは職員室での保管)
・社会会の試験問題の地図の多純化
・試験解答はボールペン。間違えたところはぬりつぶす。
・聖歌隊の楽譜は私だけカタカナで表記して拡大文字。見た目はみんなと一緒。
・大学受験の願書づくりのときの拡大・縮小
・漢文の試験は模造紙なみの拡大で机にのっかって回答。笑
なんか、思い出しただけでもいっぱいあったなーと。
障害者になったばかりのときは、「配慮」してもらうことが申し訳なくて、も酸いわけなくて、積極的にああしてほしい、こうしてほしいなんていえなかったんですよね。
それでも、周りの先生たちがきっと自分なりに考えてくれて、いやな顔ひとつせずやってくれたことが、すごくありがたかったなーと。
逆に、もし、あのとき、すごく面倒だなーとか、いやな顔されていたら、今の私はなかったように思います。
障害者になった私はやっぱりお荷物な存在で、存在しちゃいけないんだと、消えたほうがいい存在なんだとすら思っていたかもしれません。
そう思うと、本当に紙一重。
私のように、中学や高校生になって突然、視力が低下する病気はあります。
そして、実際に、私のような配慮を受けられず、場合によっては退学に追い込まれたという生徒さんもいます。
これは、たまたま私が病気になっただけの話であり、
もしかしたら、あなたが、あなたの家族が、仲良しの友人が
同じような状況になる可能性は十分にあるわけです。
「配慮」をするというのは、つきつめてみると、「思いやり」の気持ちなんだと思います。
確かに、専門的な知識があったほうが適格、かつ、迅速、効率的に配慮ができます。
でも、もし、あなたに専門的な知識がなくても、私の高校の先生がしてくれたように、目の前の生徒がどんなことで困っているのかをみて、「思いやり」の気持ちを行動としてあらわすことはできると思います。
「障害」とか、「合理的配慮」とか、「障害者差別」とか、そういう言葉をきくと、なんだか、特別なことで難しいことのように感じるかもしれませんが、思っているよりあなたにできることはたくさんあるはずですよ。
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最後に、この記事を購入してくださった方におまけです。
自分の障害を「物語」にかえ、「夢」を生み出し、大学受験に臨んだお話を1つご紹介します。
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