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中心暗点があるとどんなことに困るの?@ロービジョンの私の視世界

皆さん、こんにちは。奈良里紗@世界一わかりやすい障害科学に関する情報発信をモットーに活動をしている弱視難聴の研究者です。

さて、本日の質問はこちら。

「中心暗点のある奈良さんは、どんなときに困るのですか?」
というもの。

私は弱視(ロービジョン)という資格障害の状態にあります。

視力は0.01で、視野は中心部分が欠損する中心暗点という状態です。

実は、私の眼玉自体はめっちゃ元気。

でも、眼玉と脳みそをつなぐコネクター部分が一部断線してしまって、目からはいった栄光が脳みそにうまく到達しない状態なんです。

そんなわけで、眼玉と脳みそをつなぐコネクタは目玉の中心付近にあるので私の視野は中心が欠損することになってしまったんですね。

人間の眼は、中心視野が一番視力が高いところなんです。

だから、中心視野が欠損すると、非常に視力が低い状態になるというメカニズムなんです。

視力が低いことで困ることは、
・文字がうまく見えない→見ようとしたところがよくみえない、これはけっこう、もどかしい。
・ルーペや単眼鏡といった視覚補助具がうまく使えない→使える視野でものをみる訓練をしないと使えるようにならないのですが、私はその訓練をきちんと受けなかったのでいまだによく使えないですね。
・とにかく文字を大きく拡大する必要があるので、パソコンモニターも何もかもでかいものが多くて場所をとる
・拡大読書器を使えば文字を書けるのですがそれがないと文字をうまく書けない
・相手の顔が見えないけど、相手と目があってしまうので相手からすると、見えているように見えてしまう。これは結構、コミュニケーション上の誤解を招きます。
・盲点だったのが色の認識も弱くなっているということ。ベージュの洋服をきているつもりがピンクだったりすることがあります。後輩に、「奈良さん、今日はめずらしい色のスーツですね」といわれて、自分ではベージュのつもりが、実は淡いピンクだったなんてことはよくあることです。
・文字を読む速度が遅いので、非常に疲れやすいこと。この見え方になれるまでは、とにかく疲れて、頭痛、吐き気、なぞの高熱など、体の不調はよくありました。今はわりと適応して無理をしなければ大丈夫。
・見えていたときのようにはできないので、ときどき、イライラすること。パソコン操作でよくありますが、画面を拡大していると、どこかでウィンドウが開いていたり、どこかにチェックボックスがあって次に進めないなど、見えればすぐにできることができなくて、もやいらとするときはしばしあります。

ぱっと思いつく範囲でこんなところでしょうか。

ほかにもいろいろとあるのかもしれませんが、それらをいちいち、
「大変だ大変だ」
と意識化するとかえって疲れてしまうので、私はあまりそう感じないように自分なりに捉え方を工夫しています。

不思議なもので、
「つらいつらい」
と感じて物事に取り組むのと、
「うーん、この問題、どうやって攻略しようかなー」
とわくわくしながら思考するのとでは、かかるストレスが全く違います。

中心暗点があると、確かに、あれやこれや困難になることはありますが、それを困難に感じるかどうかは人それぞれ。

困難=攻略対象
として考え、ときには一緒に攻略方法を考えてくれる仲間がいれば最高ですね。

皆さんは日々の生活で、どんなことを「困難」に感じていますか?
そして、その「困難」の攻略を楽しんでいますか?

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最後に、記事を購入してくださった方向けのおまけです。
ロービジョンと疲労について、私の体験談を1つご紹介します。

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