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わりきれない想い
全盲の友人が病院へいくとき、
「私は全盲で行き方がわからないので最寄り駅から案内をお願いできますか?」
と事前に病院スタッフにお願いをして誘導してもらっている。
だいたい最寄り駅から徒歩5分以内の病院がほとんど。
最寄り駅から徒歩1分で目の前にある病院もあるのだがこれを見つけるのがなかなか至難の業。
毎回、最寄り駅までお迎えと言われると大変かもしれないが私たちは最初道案内をしてもらえれば次からは一人でいけることも多い。少なくとも私はそう。
しかし、病院スタッフも忙しいだろうと思い私はこの最寄り駅からの案内をお願いすることに躊躇してしまう。
なんとか一人でたどりつけるように頑張る方向に努力してしまう。本当は私も全盲の友人のようにお願いできたらいいのだけど。
病院のスタッフに申し訳ないという気持ちのほかには
最初から自分に視覚障害があると伝えることで病院からやんわりと受診を拒否されるのではないかという危惧もある。
実際に病院から受診拒否をされたことはないのだが、治療に難色を示された経験がある。
彼らが何に難色を示したのかというと、
・パッと書類を渡して書類に目を通して同意書にサインすることができないこと
・病院が出した薬の種類や用法要領を視覚的に共通認識ができないこと(もし、誤った薬を処方されたとあとで言われても困る)
というようなことだった。
私は普段、自分が障害者だと感じる瞬間はそれほどないのだが、障害を理由にやんわりと拒否されるような態度をとられたときに悲しくなる。
書類に関して言えば読み上げてもらえればよいのだが、病院スタッフも忙しいのですべての書類を読み上げるという対応はできないのだという。
薬に関しては相手が正しい薬を自分に手渡したと信頼して対応するということでなんとか納得してもらった。
自分が受けたい医療は自分で選びたい。だけど、選んだ先の病院から治療がしづらいと言われることをおそれて、駅からの誘導をお願いできないでいる。
最寄り駅から徒歩1分の病院でも、1時間ぐらいたどりつけないことがあるので迷うこと覚悟で早めに行動している。
この病院とはご縁がなかっただけとわりきれればいいのだけど、わりきれない想いがそこにはあるのだ。