世界の特別支援教育@カナダ
楽しく、カジュアルに、弱視難聴の日々を発信しております奈良里紗です。
本日は、カナダはブリティッシュコロンビア大学へ。
視覚障害教育分野の教員免許の取得は、やはり、修士課程レベル。
アメリカやイギリスと同様の制度。
日本は、学部レベルで、かつ、ほかの4領域の障害種と並行して学ぶスタイル。
どうしても、学びは浅く広くなりがち。
浅く、広くのよさもあるけど、点字指導や弱視レンズ指導のような高い専門性を必要とする内容を浅く広くというのは、こどもたちの学びの権利の侵害となる恐れも。
入学条件としては下記の4つが設定されている。
・学部で基礎免許を取得していること。
・特別支援教育の概論、もしくは、通常学級における障害のあるこどもの発達に関するコースのいずれかを修了している者。
・教育における読む能力と読解力に関する研究のコースを修了している者
・犯罪歴の証明(こどもに関連する職業の場合、過去に犯罪歴があるかどうかは厳しくチェックされる傾向にある)
クリミナルレコーディングの提出が要求されるというのは、日本と欧米の大きな違い。
修士課程2年間のカリキュラムは次の通り。
遠隔と対面、教育実習を組み合わせたカリキュラムが特徴。
1年生
対面:6週間(6月~8月)
・点字の読み書き
・ロービジョンのセミナー
遠隔:冬ターム1
・視覚障害教育の基礎
冬ターム2
・特別支援教育の今日的課題
・視覚障害児のリテラシー
5月~6月
・教育実習
2年生
対面:7月(3週間)
・歩行指導
・視覚障害児へのコアカリキュラム(自立活動)
遠隔:冬ターム1
・支援機器
・初等教育及び中等教育における視覚障害教育のカリキュラム
遠隔:冬ターム2
・教育実習
・視覚障害教育の最新研究
障害種別にみてみると、日本とはまた違ったカテゴリ分けをされている。
この大学では、次のようにわけているよう。
【障害のカテゴリ】
視覚障害
聴覚障害
自閉症
学習障害
行動障害
high ablity(日本では発達障害に含まれる)
日本の障害領域でいう肢体不自由や病弱分野がなく、そのかわり、日本では発達障害や知的障害と区切っているものが独立カテゴリになっている。
イギリスでは、障害のカテゴリわけによる「取り残される障害」が生まれることを危惧し、カテゴリ別ではなく、学習の困難に基づきステートメントでわける仕組みを採用。
これにより、私のように眼は視覚障害として認定されるけど、耳は聴覚障害の認定基準から外れるといった基準に入れなかったこどもたちが、学習上の困難を抱えているかどうかで判断をするような仕組み。私の場合、授業中にグループワークがあったら聞こえないので、おそらく、耳にも障害があるということでステートメントがでるのでは?と。
世界の特別支援教育の学びの旅はまだ続く。