大学合格後に障害学生がやるべきことは?
大学入試にむけて、どういうふうに合理的配慮を要望していけばよいのかという情報はわりと整理されてきている。
めでたく大学に合格したら次に障害学生がやるべきことは、障害学生支援室の担当者とコンタクトをとること。
大学によっては、障害学生支援室という障害学生支援を専門とする部署がある。
ただ、大学によって必ずしもこのような部署があるとは限らない。
そういうときは、大学の学生課等に連絡をしてみて部署や担当教員の確認をしよう。
電話をするとしたらこんなかんじ。
「この度、●●学部●●学科に合格した●●と申します。私は視覚障害があるので入学後の配慮について話し合いの場をもっていただきたいのですが担当部署を教えていただけますか?」
入学後の実務派学生課が対応するけど、入学前の相談は学部の教員が対応することもある。まずは窓口が誰なのかつないでもらおう。
いつ、こうしたことをやればいいのか?
それは合格が決まったらできるだけ早期の段階で行うべき。
大学によっては障害学生を受け入れるのが初めてで受入準備に時間がかかることもある。
9月に合格したならば、その後、2~1ヵ月以内には大学に配慮の希望があることを伝えよう。
障害者差別解消法には「意思の表明」に基づく合理的配慮の提供が基本となっている。
「大学側から何も連絡がこないな~」
と受け身で待っていてはいけないことを障害学生は覚えておこう。
大学入学が決まったらやるべきこととして
先輩の障害学生に話を聞いて情報収集することが大切だ。
障害学生が陥りがちな失敗の1つに
「高校で受けていた合理的配慮をそのままイメージして大学側に伝える」ということがある。
まだ、経験していない大学の授業にイメージがもてないからこのようなことが生じるわけだが、高校と大学の授業は大きく異なる。
私も高校までは36ポイントの授業資料を作ってもらっていたのでそのような配慮をお願いした。
入学後、2日間にわたる合宿形式のオリエンテーションでA3に拡大された300ページ以上の資料が配布され愕然とした。
拡大をしてもらったとしても、処理できる情報量は限られているし、300ページの資料を全て読むことは難しい。
高校までの授業では授業資料がパワーポイントということもほとんどない。
大学生活にイメージをもつためにも一人だけではなく複数の障害学生から情報提供してもらおう。
その上で、自分が大学に要望したい合理的配慮をA4 1~2枚程度で簡潔にまとめよう。
これが準備できていないのに、話し合いの場をもってもらうのはNG。
書類の作り方がわからないときは専門家に相談しよう。
最期に、PCスキルアップは必須。
できることならば、視覚障碍者向けのパソコン訓練を高校3年生の自由時間にきちんと受けておこう。
自分は画面読み上げソフトを使わないから必要ないかなと思う弱視学生は多いようだが、ウィンドウズのショートカットキーを学んでおくことは大学でレポートを創ったり、就労してからも必要なスキル。
友達が車の免許をとりにいっている時間、障害学生として自分に必要なスキルアップのために時間を使おう。