奈良の静けさは宝物
奈良の良さは色々あるのですが、私がこれぞ、と思うことの中に
「静かなこと」
「壁が美しいこと」
があると思います。
商業施設に行くと、えんえんとなにかのアナウンスが流れ、音楽が流れている。
これって必要なのか?と思うくらい、もう超絶にぎやか。
耳が慣れてしまっていると、聞き流してしまうものですけど、音をずっと流し続けているというのは、身体にもあまり良くないのではないかなと思っています。
寺田寅彦だったかがエッセイで
「目は自分の意思で閉じたり開いたりできる。耳はそれができない。なぜだろう」という言葉があり、ずっと考えてきました。
最近思うのは、耳の力。音を聞くというのは、超能力に近いすごいことなんじゃないかと。
玄関で鍵を開ける音がして、誰か帰ってきたなとわかります。
すぐにリビングに来るかと思えば、引き戸を開ける音がする。
いつもと違うことをしているのが分かる。
洗面所に行く。水を流す音が聞こえる。
水を使っているのがわかる。
これって、今私がいるところからは見えないことです。
でも、なんとなく何をしているのか分かる。
音の特殊な力ではないでしょうか。
こういうことも身体の能力とするならば、雑音だらけだと働かないことになります。
奈良で過ごすと、色々整う感じがするのは「静か」なことで、身体が能力を発揮する力を貯められる…というのがあるのではないかと思います。
写真は唐招提寺の壁です。
静かな御寺で、この積み上げられたゆかしい壁を見ているだけで、色々満たされます。
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【お知らせ】
毎週金曜日に行うFacebookライブ12月6日(金)はお休みします。
明日12月7日(土)20時より放送しますので、ぜひお聞き下さい。
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