奈良 燈花会
奈良県は沢山の文化財や遺跡に恵まれており、特に古代に関連するものが抜きん出て多い場所です。
観光客の方も沢山お見えなのですが、文化資産に恵まれているわりには宿泊場所が少ないなど難点があり、特に真夏・真冬に来ていただける要素が少なかったというのがありました。
そんな流れも手伝ってか、新しい奈良の名物を作る機運が高まり、今から25年前に『燈花会』なるイベントができました。
奈良公園のあちこちにロウソクを飾って、その明かりを楽しんでもらうというものです。
文化財のそばに火を置くというのは、なかなか勇気のいることです。
しかし、プラスチックのカップの中に水を張り、そこに小さなロウソクを浮かべるというアイデアで、もしカップが倒れても即座に火が消えるのです。
奈良は鹿さんが闊歩する町ですので、鹿さんがカップをこかしても大丈夫!
また水面に浮かぶ小さなロウソクが、ゆらゆらと輝いて、それもまた風情ある風景となりました。
25年前に始まったときから、ロウソクを飾る場所を徐々に増やし、あちこちにちらばるロウソクをボランティアの方が並べて火を灯し、回収してまた次の日並べるということをしてくださっています。
燈花会は気がつけば奈良の夏の風物詩となり、今年も沢山のお客様がお見えです。
大成功した奈良のイベントのひとつです。
2023年もすてきな夜の明かりを見せてくれました。
ちょうどこれから興福寺の五重塔が修理されるとのことで、すっぽりと覆い屋根が被さると聞いていたのですが、今年はまだ燈花会の明かりとともに五重塔の雄姿を見ることができたのでした。
とてもいい夏です(^^)
巻頭イラストはぷくしさんのものを拝借しました。
ありがとうございました!
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