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[エッセイ04]なかぽつ

ども、ならなすおです。

今日は、気楽に、エッセイを書いてみます。
テーマは、「なかぽつ」。
意味わかんないでしょ?
読んでくれるとわかるので、読んでくれると嬉しいです。

さて、エッセイですが、過去3話「すげー頑張ったー!」的な、いい話的なやつだったんですが、私自身はもっと非常にしょんぼりした存在(眼鏡を取った時の勉三さんとかのび太君の目のとこ)なので、今回は軽い感じでお届けします。

いや、ホントは「大病体験記」を進めたいと思って7月頭からずっと考えてるんですけどね。
次の話がすごく大事なので、「慎重に」とか思ってたら、1文字も書けてない、、、

YouTubeも、棒読みくんでナレを入れようと思ったまんま、2か月以上何もやってない、、、

これぁダメっすね。
ケジメがない。
マッチさんに「これだょ」ってされるやつです。
「ダメダメベイベー」とか言われるやつです。
(気になった方は、「近藤真彦」「ケジメなさい」で検索してください)

ほらー、こんな話させるから落ち込んじゃったじゃないですかー(嘘)。

っといったところで、本編、スタートです。

(1)言葉の略し方

県職員だった頃、規則や公表資料なんかを作る際に、誤字とかがあるとマズいので、「読み合わせ」という作業をしていました。

2人組で、同じ原稿を持ち、1人は読み、1人は該当箇所をチェックします。
何か間違いがあったらどちらかが気づくので、ミスが限りなくゼロになります(ほんとか?)。

で、それをやる際、読む側が「記号」を表現するための決まりがありました。
「。」は「まる」。句点ですね。
「、」は「ぽつ」。これは読点です。テンじゃなかったです。
カッコは、始まりを「カッコ」、終わりを「カッコとじ」。
カギカッコは、始まりを「カギ」、終わりを「カギとじ」。

たとえば、↓の文は、↓↓のように読みます。

(以下「BB」という。)

カッコ いか カギ ビービー カギとじ という まる カッコとじ

今日の主役「なかぽつ」は「・」です。

本記事の登場人物は全員県職員なので、「なかぽつ」という言葉が窒素のようにナチュラルに出てきます。

こいつらは仲良く何か読んでるだけ
(AIで生成)


(2)県議会

県知事(県庁)が、その取組を県民(代表は県議会議員)に説明する主要な場が「県議会」です。

そして、取組、政策の疑問点を県議会議員が知事や部長に質問し、明らかにしていく「質問」と「答弁」というプロセスが、説明責任を果たす機会として最も重視されます。

NHKさんでやってる「国会中継」の「本会議」ってやつのイメージに近いです。

「質問」や「答弁」は、その場で適当なことを言っているのではなく、議員さんから通告された「質問」に対し、県知事以下該当する部署が時間をかけて「答弁」を作成します。

それは、県の政策に関する「真剣な議論」を「ただの口喧嘩にしない」ため、そしてテレビの向こうの県民の皆さんにわかりやすく県の取組、政策を知っていただくために、必要な準備です。

私は一時期、「商工労働部」という、経済や産業、雇用などの政策を担当する部署の「議会担当」というのをやっていました。

主な業務は↓です。
・議員さんの質問を精読する
・担当部署が「うちの部」か判断する
・部長以下、関係課の答弁作成作業を補助する
・答弁審査(総務部と副知事、知事)を受ける
・参考資料を準備し、答弁者(知事or部長)に説明

当時私は30代前半で、職位は主任(ヒラ)だったので、判断は上司がしていましたが、他の部の議会担当や、部内の課長、担当とコミュニケーションをとるのは、私の仕事でした。

答弁を作成するのは、担当課長、担当班の係長、担当者で、いずれも「エース級」の優秀な方々です。

議場で答弁する知事のイメージ
知事、こんな若くなかった
そして議員さんに向かってしゃべろう
(AIで生成)

(3)どっちが担当?

ある議会で、議員の先生から、障がい者雇用に関する取組を問う質問がされました。

商工労働部には、「雇用人材育成課」という課があり、雇用全般を担当しています。

他方、障がい者向けの各種政策は、「福祉保健部」という部の「障害福祉課」が担当しています。

このような、2つの部をまたぐような質問があった場合、より質問の対象に近い部が「答弁作成部」となり、そうでない方の部は、作られた答弁をチェックする「合議(あいぎ)」というのを受けます。

「どちらの部が主担当か?」という交通整理を間違えると、議員の先生にも、県民にも、的外れな答弁を届けることになります。
絶対やっちゃいけないやつです。

なので、「担当決め」は、すごく慎重にやります。

「担当を外れたら仕事が楽になるから、他の部に押し付けたい」とかいうのは、私の県では絶対になかったです。

すみません、ちょい脱線します。
別件ですが、この交通整理の結果、他の部に主担当をお願いした質問がありました。
2つの部で、知事の「答弁審査」を受けます。
私も、他部の担当も、交通整理をしっかりやった自信はありました。

しかし、答弁案を聞いていた知事の顔がにわかに険しくなり、うちの部長に向かって一言。
「おまえ、逃げたんじゃねーだろーな?」

県職員を18年やりましたが、その時の記憶が一番強烈に残っています。

県民のために考え抜き、全力で政策を実行することに、一切妥協しない知事でした。
その時の部長も、部の考えをしっかり伝え、知事と合意したうえで本件を処理しました。
すごい部長でした。

私は自分の勝手な都合で県職員を辞めてしまいましたが、当時の知事と部長は、今でも心から尊敬しています


(4)エース級達の本気

さて、本題に戻ります。

障がい者雇用に対する質問、私と雇用人材育成課の見たところ、「障害者就業・生活支援センター」という所の業務を中心に答弁を構成するのがいいように思われました。

そして、そのセンターは、福祉保健部の障害福祉課の管轄です。
その旨を、福祉保健部の議会担当に伝えました。
すると、福祉保健部では、雇用人材育成課の雇用振興策を中心に答弁するべきと判断しているとのこと。

雇用人材育成課と障害福祉課の係長クラスで、協議することにしました。
両課のエース級が集い、激しい議論が戦わされます。

この場合に、なかぽつセンターは、、、

だから、なかぽつの仕事はですね、、、

なかぽつはこれはやってないからですね、、、

・・・・・
障害福祉課の人、「障害者就業・生活支援センター」を「なかぽつセンター」と略していたんです。
確かに、県には多くの外部組織、外郭団体があります。
障害福祉課さんもいろんなセンターを所管していて、たまたま「・」が付いているのが「障害者就業・生活支援センター」だけだから、「なかぽつセンター」と略すことにしたんでしょう。

でも、外部の人がそれを聞くと、、、
「障害者就業・生活支援センター」という一連のワードの中で、圧倒的に無意味なのが「・」です。
そこだけ採用って、、、

笑っちゃいけない雰囲気なので、必死にこらえましたが、ツボに入り過ぎてホントにヤバかったです。
終わって、家に帰って、30分ぐらい笑いました。

これも、18年の県職員生活で、一番面白かったやつかもしれない。

議論。
こんなに険悪ではなかった。
そしてこんなに大人数ではなかった。
(AIで生成)

(5)おわりに

ネットで「なかぽつセンター」と検索すると、結構出てきます。
この略し方、うちの県だけじゃなかったみたい。

誰も、ふざけてなかったです。
答弁作成、審査、その後誠実に完遂したことを申し添えます。

でも。今回の議論、外の人が見ると、おもしろい現場だったと思います。

天然ですよね。

やっぱ、作られた笑いより、天然の方が面白い。

ちょっと離れた所から、真剣に頑張っている現場を拝見して、ふっと場を和ませるような気づきと笑いを提供するような、そんなコンサルでありたいな、と思います。

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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