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今年の漢字かもしか版

自分が過ごした1年を漢字1字で表現できるほど一貫性がある年ってそうそう無いのですが、今年は問答無用にこれ、というのがあります。

それは「」!Japanの和です。

○ 神前式

今年の春に、神社にて結婚式を挙げました。
いつから結婚式のことを考えるようになったのか覚えていませんが、「結婚式をするなら色打掛(色や模様が入った着物)を着たい」と漠然と考えていました。

私は無地やモノトーンより柄物や色物の服が好きで、結婚式でもウェディングドレスよりは気に入った柄や色を身に着けたかったのです。

衣装選びを担当してくれた方の知識が豊富で、最終的に選んだ着物以外にもたくさんの着物を試着させていただき、柄の意味や、使っている生地や織り方を解説していただきました。あんなにたくさんの着物を着せてもらう機会はもう一生無いと思うので、すごく良い経験になりました!

最終的に、光沢のある水色の地に菖蒲、あじさい、桔梗など春~夏の花柄の色打掛にしました。裏地は朱色で、爽やかな水色と鮮やかな朱色のコントラストがお気に入りです。

神社の柱の色とも合いますね

白無垢も着ました。白いことに変わりは無いし、白無垢は何でも良いや!と思っていましたが、素材によって色味や光沢感が異なり(白って200色あんねん)、印象が変わってくるので結構悩んでしまいました。柄も桜、御所車、鶴と様々で、遠目にはわからないとはいえ地味に悩みます。

結局、乳白色で淡い光沢の桜柄を選びました。柄は手作業で行う相良刺繍だそうで、仕上げるのにどれだけの時間がかかるか考えると気が遠くなりそうです。

イメージ通りの衣装を着られたことに加えて、職人さんの手仕事、日本の伝統柄や色のことも知ることができたので、和装で挙式ができて良かったと改めて思います。

神前式も、なかなか体験できないので良い機会でした。日本人として、雅楽の音色や巫女舞の光景はやはり心に響くものがありますね・・・

○ SHOW-GOさん

ヒューマンビートボクサーでありアーティストであるSHOW-GOさんを偶然youtubeで見つけ、大ファンになりました。(SHOW-GOさんにつける枕詞を試行錯誤中)

SHOW-GOさんを表す漢字は他にもたくさんあると思いますが「和」もひとつの大きな要素だと思い、ここに挙げました。何より私の2022年はSHOW-GOさん抜きには語ることができませんからね!

SHOW-GOさんは日本文化をとても大切にされており、その様子はPVやVlogからよく伝わってきます。目に見える文化だけでなく、日本人としての精神や言語もとても大事に扱われていると思います。

私も日本語を大事に扱える人でありたいと思っているので、同じ考えを持っているようで嬉しいです。感動や美しさを一律に手軽に表せる形容詞もありますが、そういった便利な言葉に頼ることなく、感情をしっかりと咀嚼して丁寧に表現できる人でありたい。(好きなものを目の前にして咄嗟に出てくる言葉は「かわいい…!」などが精一杯なのですが、後で冷静になったときにしっかりと言語化する努力を怠りたくない)

SHOW-GOさんについては他の記事にしているのでここで多くは書きませんが、このように日本を尊重する姿もSHOW-GOさんを好きな理由のひとつです。

○ 日本画

SHOW-GOさんがお部屋に浮世絵を飾っているのを見て、「かっこよすぎる…!!!」と大感銘を受けました。
洋室に何気なく日本画が飾られていたら相当かっこいいに決まっている…という確信を抱き、自室を飾る運命の絵を見つけるべく日本画の本をいくつか読みました。

・時代別 日本の配色事典 / 城一夫著
・浮世絵の解剖図鑑 : 江戸の暮らしがよく分かる / 牧野健太郎著
・鳥獣戯画の国 / 金子信久著
・日本おとぼけ絵画史 / 金子信久著
・小村雪岱 : 物語る意匠 / [小村雪岱画] ; 大越久子著

まだ運命の1枚を決めるには至っていませんが、どの本も素敵な絵が満載でさらに日本画が好きになりました。

ところで浮世絵って木版画が主流なんですね。全然知りませんでした。葛飾北斎や歌川広重がひとりで筆で描いたと思っていましたが、全く違いました。葛飾北斎や歌川広重は下絵を描く絵師で、清書、彫り、摺り上げはまた別の人の仕事。圧倒的チームプレー。
下絵に描かれた線だけでなく、彫りや摺りによって表現の幅が広がっているそうです。例えば、SHOW-GOさんのPVに映っている「雪中相合傘」では雪や着物の部分には色を使っておらず、版画の凹凸で表現されています。

雪中相合傘/鈴木春信

私にとっての木版画って、小学校の授業で作った黒一色のもの(そして意図せず劇画タッチになる)のイメージだったので、版画で浮世絵のような柔らかくて繊細な雰囲気を出せることに驚きました。

日本画に限らず、私は今まであまり芸術に興味が無いと思っていたのですが、私の場合は「興味が無い」ではなく単に知らないだけだったんだなと痛感します。有名な浮世絵が木版画だと知っているのと知っていないのとでは見え方が全然違ってくるし、興味の湧き方も段違いです。

今はまだ本やネットで調べた寄せ集めの知識でしか語れないので、気になった絵や絵師さんのことをもっと勉強して造詣を深めたいです。

今のところお気に入りは江戸琳派の酒井抱一、その弟子の鈴木其一、大正~昭和初期の意匠家の小村雪岱です。

○ 水引アクセサリー

今年の9月に前職の先輩と遊びました。ハンドメイドが好きな方で、行きつけのハンドメイド材料のお店に連れて行ってもらいました。

私も一度は刺繍に挑戦したことがあり、ハンドメイドはずっと気になっていたので店舗の隅々までふたりで見て回りました。これも素敵、あれも素敵とうっとりしながら最終的に辿り着いたのが水引コーナー。
水引って、ご祝儀袋についているアレですか?ハンドメイド材料になるんですか?という意外性に引き寄せられてついじっくり眺めてしまいました。
水引アクセサリーは多分初めて知るものでしたが、和風ながらどんな服装にも似合いそうな可愛さに、ふたりしてその日のうっとり最大値を記録したのでした。

お値段も手ごろだし、一緒に挑戦してみよう!ということで試しに始めてみたところ、水引を結ぶのは楽しいし、パーツを繋いでアクセサリーにするのも楽しいし、仕上がりは可愛いしでまんまとハマってしまいました。

話が逸れますが、水引アクセサリーを始める少し前に「ジャポネズリー」という言葉を知りました。19世紀後半に欧米で起こった日本文化ブームのことで、当時活躍していた画家も影響を受け、「日本文化と西洋のアイデンティティを融合」させた絵を描いています。
※欧米への日本文化の流入を表す言葉としては「ジャポニズム」が有名ですが、ジャポネズリーとは意味合いが少し違います。

(左から)ラ・ジャポネーズ/クロード・モネ
屏風を眺める婦人/ジェームズ・ティソ
エミール・ゾラの肖像/エドゥアール・マネ

「ジャポネズリー」を知った時は、SHOW-GOさんに触発されて服装を試行錯誤していた時でした。憧れはあるけれど服装を和風にするのはかなりハードルが高いし、私が本当にしたい服装とはちょっと違うかもと思っていたところ、当時の絵を見たことで、目指す方向性を再設定するきっかけになりました。
目指す方向性とはまさに「ジャポネズリー」で、基本の洋服は今までどおり変えずに、小物を工夫することで和の雰囲気を取り入れようと決めました。

それから小物について模索していた私にとって、この水引アクセサリーはまさに理想的。水引は結び方次第で雰囲気ががらっと変わるので、「和風アクセサリー」というよりは普通のアクセサリーとして身に着けることができます。そのため、普通の洋服でも浮くことなく和と洋を融合させることができる点が気に入っています。

来年も色んなデザインに挑戦したいです。


4項目上げましたが、日本画も水引もSHOW-GOさんの影響が入っていますね。以前から日本文化に根付くものが何となく好きだったところに、SHOW-GOさんがきっかけとなって世界が具体的に広がったという感じです。
こんなにも新たに語れることができて良い1年でした。ありがとうございます。

○ そして鎖国

余談ですが、この1年を通して日本の綺麗な部分に触れたことで、心理的に鎖国しています。海外旅行に行きたい欲も無いし、ずっと日本に住んでいたい…お味噌汁美味しい…柴犬かわいい…水引が手に入る…
日本も世知辛いことが多いですが、身近にある美しいものに焦点をあてて過ごしていきたいです。


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