とある幼い女の子の脳内世界-remastered-
とある幼い女の子の脳内世界。ある日、地球は丸いと聞きました。なるほどなるほど、じゃあどこが上でどこが下で、なんて無いんだね。またひとつ賢くなったよ。
その次に、日本の裏側にはブラジルっていう陽気な国があってね、と聞きました。これを聞く頃には、彼女の頭の中からは地球は丸いという概念は消え去っていました。鳥頭ですか?いいえ、ひとつの物事に対する集中力が異常なだけです。おそらく。そして彼女の頭の中には、日本の地面をどんどん掘って行き、地下へ地下へと進んでいくとブラジルの空に到達する、そんな異世界が広がっていました。どこが上でどこが下かが驚くほどに明白です。
実際、お友達の家の庭で、スプーンでひたすら地面のコンクリートを叩くという終わりの見えない遊びに興じている時に、「あー今頃ブラジルの空には私たちの刻むビートが響き渡っているのだろうなあ。」的なことをまあまあ子供らしく、かつ可愛らしいトーンで呟いたこともありました。お友達も「そうやなー凄いよなー」的なことを想像以上に真剣な、かつ適当なトーンで返してくれました。10年以上経った今でも、その子とは良い友達です。
こんな破天荒な少女も今では大学生。地球は丸い。どこが上でどこが下で、なんて無い。地面を掘り下げていってもリオのカーニバルにはお目にかかれない。これが常識となって彼女の中に埋め込まれてしまいました。時間の流れとは時に残酷なものです。以上、好きな食品はトマト一択、農学部食品なんちゃら科1回生の女子でした。
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これは大学に入学し、フリーペーパーを作るサークルに入って最初に書いたコラムです。毎年、サークルに加入した1回生のうち数名がそれぞれフリーテーマでコラムを書き、その中で1番良かったものが次号の巻末に載る、という企画がありました。
私のこのコラムはキャッチーじゃないということで残念ながら掲載されることは無かったので、今回この場で復活させてみました。ただ選ばれはしなかったものの、この文章を面白いと褒めてくれる方も居て、今でもその時のことをはっきりと覚えていられるほど嬉しかった記憶があります。
自分が過去に書いたものって、後々改めて見るとうわあ…となることが多くないですか?私もそういうものを大量生産してきたのですが、この文章に関しては今見ても結構好きだなと思います。
そう考えると、今感じている「文章を書いて誰かに見てもらいたい」という気持ちは、このコラムを書いたときの満足感と、褒めてもらえた時の嬉しさが原点となっている気がします。
いざnoteを始めてみると、フォロワーが数千人数万人もいるような強い方々がたくさん居て、自分が藻屑のようにも感じられるのですが、とりあえずは自分が満足できる内容でコツコツ更新することを目標にして続けていきたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございます。